⑲より続き…

 

順不同になりましたが…

 

2部 お芝居 春木の女

*配役*

徳兵衛*近藤光さん

徳兵衛の女房 お寅*鹿島劇団 二代目鹿島順一座長

長女 お咲(オサキ)*桜川翔座長

次女 お妙(オタエ)*鹿島劇団 春日舞子さん

 

浜の男*桜川れいかさん

浜の男*桜川明音さん

浜の男*花咲竜次さん

浜の男*鹿島劇団 菊章吾さん

浜の男*鹿島劇団 雷鉄命さん

 

人形問屋「京屋」

お銀*月夜ノほたるさん

お銀の弟 清三郎*夜空花形

 

 

*あらすじ*

1幕:春木の浜

浜の男たちが村祭の太鼓の稽古をしている所へ、「海が時化るから。」と、徳兵衛が漁を止めて通り掛かる。

「こんなべた凪で時化る訳ないやろ。」と言う浜の男たちだったが、雷が鳴り出す。

太鼓の稽古を止めて帰ろうとすると、一人の男がやって来て、「ここいら辺りで魚がよう釣れる場所ありまへんか?」と尋ねる。

「あの向こうの一本松の手前で釣ったらええわ。」と教えられ向かう男。

そこへ、お妙がやって来る。

お妙をからかう浜の男たち。

貝を拾いにやって来た姉のお咲が、浜の男たちを止める。

浜の男たちは、お咲がお妙と違って、お寅に日々つらく当たられている事を疑問に思っていると話しているところへ、お寅がやって来る。

「何かされたんか?」と尋ねるお寅に、「あのなぁ、姉やんがうちの頭どつくねん。」と答えるお妙。

お咲を叱りつけようとするお寅に、浜の男たちは、「自分たちがお妙をからこうていただけで、お咲は何もしていない。」と話す。

時化るかもしれないと言うのに、お寅は、「早う、貝採りに行け!」とお咲に言い付け、お妙を連れ帰る。

そこへ、「崖から海に落ちたぞ!」と騒ぐ声。

「わし、泳がれへんねんや。」と尻ごみする浜の男たちに代わって、お咲は海に飛び込み男を助ける。

浜の男たちを番所へ走らせ、助けた男から訳を聞くお咲。

その男は、京の都の人形問屋「京屋」の若ぼんの清三郎。

「暖簾分けする話が上がり、嫁を取る様に姉さんに言われて、自分の事は自分でなんとかすると、京屋を出てこの春木の浜までやって来ました。」と話す清三郎。

清三郎は、自分を助けてくれた頼もしいお咲に一目惚れし、「わてが女房にしたいのはあんさんです。どうか、わての女房になっておくんなはれ。」と頼む。

そして、嘘でない証拠にと、「わてが迎えに来るまで、これ持ってて下さい。」と言い、亡くなった母が残してくれた御守袋を手渡す。

戻って来た浜の男たちは、「京屋の番頭さんが訪ねて来ている。」と言い、清三郎を番所へ連れて行く。

御守袋を手渡されたお咲は、「お母はんに見つかったら…」と、御守袋を松の木の下の岩陰に隠し、その場を離れる。

その様子を見ていたお寅が、「この一件がお咲からお妙に来ないかな。」と思案していると、お咲が隠した御守袋を見付けるお妙。

「こりゃええ物が手に入った。」と一計を案じたお寅は、お妙に、「この御守袋は大事な御守、大事な所へなおしておくんやで。」と言い、「これで、お妙に春が来るわ。」とほくそ笑む。

 

2幕:徳兵衛の家

村祭の日、お咲を誘いに浜の男たちがやって来る。

しかし、お寅は、「油を買って来い!」とお咲に言い付ける。

お咲が出かけた後、清三郎の姉のお銀が訪ねて来る。

清三郎を助けてくれた礼を言い、「わての弟ももう歳で、暖簾分けして分家しようと言う話で、色々縁談を持って行ったんですが、春木の浜で助けてくれた人しか考えられないと…一度、お目に掛かる事出来まへんやろか。」と頼むお新。

呼ばれてやって来たお妙を見て、清三郎の言っていた事とのあまりの違いに驚くお銀。

証拠の御守袋の事を尋ねると、大事な所から取り出すお妙。

お銀は、「わての弟が一緒に来ていますんや。会わせてもかまいまへんか。」とお寅に尋ねる。

やって来た清三郎は、お妙を見て驚く。

そこへ、帰って来たお咲。

お咲を見て、「この人。」と言う清三郎。

京屋の財産目当ての芝居と怒ったお銀は、「御礼はどんな事あげてでもさせてもらいます。この縁談は無かった事にしておくんなはれ。」と言い、清三郎を連れて帰って行く。

「お妙の幸せが行ってしもた。」と怒ったお寅は、「このがきはほんまに!」とお咲に向かって、棒を振り上げようとする。

それを止める徳兵衛に、「あんた、元拾うて来た所へ捨ててこんかい。」と言うお寅。

「お前、言うたな!墓まで持って行く約束したのに。お咲の前で言うたな!わしは勘弁ならん!」と、お寅に棒をふり上げようとする徳兵衛。

自分は捨て子だったと驚くお咲。

「そないな事したら、お父ちゃんが笑われるんやない。お母ちゃんが笑われるやない。うちが笑われるんやで。」と泣いて止めるお咲。

徳兵衛が、「お前の為にも、お父ちゃんとこの家、出よな。」と言うと、「最後に、お母ちゃんに礼が言いたいんや。」と言うお咲。

そして、薬の置き場所、繕い物を入れた場所を言い、「生水飲んで、お腹壊したらあかんで。これから先は、お妙に婿貰って幸せに暮してな。」とお寅の身を案じる。

その様子を見ていた帰ったはずのお銀と清三郎が現れる。

「どうせ捨てるんやったら、京屋の分家の嫁として、拾うて行きまひょか。お父はんも、一緒に拾いまひょか。」と言うお銀。

四人が出て行こうとしたその時、「待たんかい。京屋さんにどうしても聞いて貰いたい。」とお寅が言う。

「二人夫婦になったものの、なかなか子供が出来ず、ある日、亭主が岬で拾ってきた赤子を、二人の宝として育てる事に…

お咲を拾って三年後に、授かったのがお妙。

捨てられたお咲を拾って育てた褒美やと思いました。

二人を分け隔てなく育てようと夫婦約束したが、お妙は、口が遅いうえに、伝え歩きもしない。

最初のうちは、浜の人たちも、「足の遅いのは達者な証拠、口が遅いのは頭の良い証拠と言ってましたが、お妙の歩く姿を見ると、「出来損ないのお妙や!」と後ろ指をさし笑われる様に。

それに引き替え、お咲は頭も良い。

お咲の事が憎くなって来て、自分で家を出て行ってくれたら良いと、辛く当たっていました。しかし、お咲は、言いつけた用事は難なく片付け、「お母ちゃん、お母ちゃん」と寄って来る。

お咲が波の飲まれて死んでくれたら良いと思うように…

財産に目がくらんで、こんな事したわけじゃおまへん。みんな、お妙の事を心配しての事や。もし、あたいがこのまま死んでしもたら、後に残ったお妙を、いったい誰が守ってくれますのや。だが今やっと気が付きましたんや。姉のお咲が幸せになったら、妹のお妙が幸せになる。

お咲を拾い子でなく、わたいら夫婦の娘として、この家の娘として、貰ろうてくれまへんか。お咲にとっても、京屋の暖簾にとっても…」と頭を下げお銀に頼むお寅。

お銀は、「分かりました。お咲はんは捨て子でもない、拾い子でもおまへん。この家の二人の娘さんとして、この京屋、貰い受けさせてもらいます。」と答える。

「おおきに、有難うおます。」と頭を下げるお寅。

「お咲、堪忍やで。」と詫びるお寅に、「お母ちゃん。」と嬉し泣きするお咲。

「あんた!本当にすんまへん。」と亭主にも詫びるお寅。

両家に、一緒になることを許された清三郎とお咲。

「お咲さん」「清三郎さん」と、手を取り合う二人。

そこへ、お寅の白打掛を羽織り、「お母はん、これでええか。」と天真爛漫に入って来るお妙。

 

 

「春木の女」は、劇団松丸家では何度も観ていますが、今回、松丸家小弁太座長の叔父さんの鹿島劇団 二代目鹿島順一座長のご指導で上演されると知り、絶対に見ておきたいと言う思いで行って来ました。

お寅役の二代目鹿島順一座長、お妙役の春日舞子さんの細やかな所作ひとつひとつに、笑ったり泣いたり…

お咲は「男っぽい女」と表現されていた桜川翔座長、完全な女役でないという方が、難しいのかも…

近藤光さんの徳兵衛は、何やらほんわかした気持ちになりました。

お出迎えの桜川翔座長に、劇団松丸家でのお寅役を聞かれ、小弁太座長とお答えしました。

口上挨拶時に、いずれ自分がお寅役をする時の為に、録音していたと言うお話でした。

 

偶然、隣り合わせの席になった顔見知りの〇〇君の鼻をすする音が…

お芝居が終わり、「良い話やろ?」と言ったなら、頷く○○君でした。

 

 

口上挨拶

桜川翔座長

 

 

 

夜空花形

 

売物のお箸を帯に挿す夜空花形。

ユニークにひひ

 

 

桜川れいかさん

何気にチョキ

 

 

桜川明音(アカネ)さん

 

 

桜川明澄心(アスミ)さん

 

㉑へ続く…