㉑より続き…

 

順不同になりましたが…

 

2部 お芝居 妻恋しぐれ

*配役*

蟒蛇(ウワバミ)一家

若親分 清太(セイタ)*三条すすむ座長

清太の女房 おせい*劇団大川 美穂裕子さん

子分 吉五郎*長谷川武弥劇団 愛京花総座長

 

木津川一家

親分 清右衛門(セイエモン)*中村直斗さん

清右衛門の娘 お花*劇団大川 大川礼花さん

代貸 政(マサ)*劇団大川 椿孝也さん

三下 三太(サンタ)*都祐矢さん

 

鬼塚一家

代貸 源二(ゲンジ)*鈴峰龍艶さん

若い者*花總ひびきさん

 

茶店の娘 お春*花總桃花さん

 

*あらすじ*

1幕:茶店前

飲食代金をを払わずに帰ろうとする鬼塚一家の二人と言い争いになるお花。

助け船を出した三太だったが、痛い目に遭わされたうえに、お花を酌女に連れて行かれそうになる。

そこを通り掛かった蟒蛇一家の清太が割って入るが、源二に後ろからに刺され、止めを刺されそうになるところを、木津川一家の清右衛門親分に助けられる。

 

2幕:木津川一家

半年が経ち…

清右衛門親分が清太に話があると言う。

「お前さん、女房はいなさるのか?子供は?」と尋ねる清右衛門親分に、首を横に振る清太。

「お花が清太さんが好きなの。清太さんと一緒にさせて頂戴と…お花と一緒になり、木津川一家の跡目を継いでほしい。」と頭を下げる清右衛門親分。

一度は断る清太だったが、「分かりました。有難くこの話、受けさせて貰います。」と了承する。

1人になった清太は、「俺にはおせいと言う女房が…」と苦悩する。

奥州仙台はとば村から、若親分の清太を捜し訪ねて来た吉五郎。

清太と再会した吉五郎は、「男修行の旅に出ると言い、便りひとつ出さない。あまりにも冷たい。」と言いつつ、「おせいの姐さん、跡取りの男の子を産んだんですよ。先代親分が、石切左源太の手に掛かり、敢え無い最期。おせいの姐さんが、産後の肥立ちが悪く、今じゃ一寸先も見えない目界に…」と清太に告げる。

「あっしと一緒に、奥州仙台はとば村に戻って下さい。」と言う吉五郎に、木津川一家に世話になった経緯を語り、「この土地に錨が下りたんだ。お前一人で帰ってほしい。」と言う清太。

落胆した吉五郎が、「逆縁ですが、親分子分の盃を水にして欲しい。」と言うと、「お前とは縁がなかったと、おせいに伝えてくれ。」と言う清太。

 

3幕:木津川一家前

木津川一家を出た所で、赤子を抱いた女とぶつかった吉五郎。

よく見ると、自分の帰りを待っている筈のおせいの姐さんだった。

その様子を見ていた清太が、懐から出した財布を、おせいに渡すように吉五郎に言う。

おせいが、「角が立たないように返しておくれ。亭主の男を下げちゃならない。」と断ると、吉五郎は、「あっしが草鞋銭を貰ったものと思えば良い。」と説得し、「有難く頂く事にしよう。」と了承するおせい。

清太は、赤子を抱きたいと吉五郎に言う。

「粗相があっちゃならない。」と断るおせいに、「あっしが付いていますから。」と言う吉五郎。

「坊、今から抱いてくれるおじちゃんの懐の大きさ、温もりを忘れないように抱いてもらえ。」と言い、清太に赤子を託す。

我が子を抱いた清太は涙する。

子供を抱いて涙する…大枚なお金…

「もしかして、そこに居るそこの方、私が捜している蟒蛇清太じゃないか。盲になって後悔はしていないが、せめて片眼だけでも見えたなら…これを思えば、盲って、何て因果なんだろう。」と嘆くおせい。

「見えぬ盲が、まだましと言う事もあります。」と言う吉五郎。

清太は、おせいの杖を取り、これから行く先を導く。

その杖を頼りに去って行くおせいと赤子。

その後姿に、「おせい、許してくれ。木津川の親分の義理を返さずに帰る訳には行かないんだ。許してくれ。」と詫びる清太。

「清太さん。」と呼ぶ清右衛門親分の声がし、清右衛門親分とお花が姿を現す。

何もかも知ったうえで、子供を抱いた時の気持ちを尋ねる清右衛門親分。

「子供の為に、自分の命はいらないと思いました。あっしの本心は、おせいの後を追って、苦労かけたと抱きしめてやりたいと思います。」と答える清太。

成敗を受ける覚悟の清太に、お花に最後の挨拶をと促し、「遅れないうちに早く追い、親子仲良く暮らしなさい。」と言う清右衛門親分。

清太は、清右衛門親分とお花に頭を下げると、「おせい待ってろ。清太が連れて帰ってやるから。俺が行くのを待ってろよ。」とおせい達の後を追いかける。

吉五郎もまた、清右衛門親分とお花に頭を下げると、「若!吉も一緒に帰りますよ!」と清太の後を追う。

 

「義理と人情を秤にかけりゃ 義理が重たい…」

 

 

口上挨拶

三条すすむ座長

 

㉓へ続く…