⑳より続き…
順不同になりましたが…
2部 お芝居 血まみれ草子 弱い親分
*配役*
横沢一家
若親分 杵太郎*新導あきさん
金五郎*藤間智太郎座長
坂場一家
親分 大五郎*初代藤間新太郎さん
代貸 忠公*藤島一也さん
子分*藤間あおいさん
子分*藤誠さん
芸者
おきみ*三代目藤間歩さん
そめか*松竹小梅さん
料亭番頭*松竹町子さん
*あらすじ*
1幕:料亭
以前は、横沢一家の若いもんだった大五郎は、大親分が亡くなると、一家の子分たちを引き連れ、新たな一家の頭に収まっていた。
大五郎たちがやって来て、「話し合いをする。話があって、杵の若親分に出向いて貰っている。」と言い、座敷へ上がって行く。
呼び出された杵太郎が、芸者のおきみとそめかを連れやって来る。
大五郎に会うのを恐がる見るからに気の弱そうな杵太郎が、芸者おきみに発破を掛けられる。
「何かあった時は、大五郎の喉元に噛み付いてやります。」と言うおきみの心強い言葉に、座敷に上がって行く杵太郎。
そこへ、横沢一家の金五郎が旅から戻って来る。
2幕:松の間
「明神の賭場を任せてほしい。よそ者に取られるといけない。」と言う大五郎に、「亡くなったおとっつぁんが残してくれた大事な賭場。それは出来ないよ。」と断る杵太郎。
賭場の話を断られた大五郎は、「そめかを譲ってほしい。」と言う。
そめかは、「大五郎の側に行ってやってよ。」と言う杵太郎の言葉に怒り、掌を反し、杵太郎に見切りを付け大五郎の側へ寄って行く。
再び、「明神の賭場を譲ってくれ。」と言い出す大五郎に、「あの賭場だけは譲る事は出来ないんだ。」と断る杵太郎。
そこへ、「三年ぶりの生れ故郷だ。」と言い金五郎が現れる。
「明神の賭場だけは、そっとしておいちゃくれないか。」と頼む金五郎に、「腕ずくに掛けても、てめえのものにする。」と言う大五郎。
「時は即刻、場所は坂川原」で、喧嘩でけりを付ける事になる。
「一緒に坂川原に行きましょう。」と言う金五郎に、「行かない。」と拒む杵太郎。
一刀流免許皆伝の腕前の杵太郎に、もう一度一緒に行く様にと頼む金五郎だが、杵太郎はまたもや拒む。
杵太郎に、「盃を水にしてほしい。」と言い放ち、一人喧嘩場へ向かう金五郎。
その金五郎の後ろ姿に、「弱い私を許しておくれ。」と手を付き詫び、酒をあおる杵太郎。
そこへ現れたおきみが、「喧嘩場へ、坂川原へ出向いて行って下さい。」と頼むが、おきみの言葉にも首を横に振る。
「ちょっと、この場をお借りします。」と言い、自分の簪で自害しようとするおきみ。
止める杵太郎に、おきみは、「先代親分にお世話になり、何のお返しも出来ず、死んでお詫びをします。」と言う。
「恐いけど、喧嘩場に出向いて行く。」と渋々了承する杵太郎に、おきみは、赤い襷を掛け、刀を差し出す。
3幕:喧嘩場
おきみに無理矢理連れて来られた杵太郎は、忠公に見つかりると、「見学に来ました。」と言うが斬り合いになる。
杵太郎は忠公を斬ったのだが、それに気付かない。
「若親分が、忠さんを斬ったんですよ。」と話すおきみ。
大五郎と金五郎が現れる。
金五郎の助っ人で、見事、大五郎を斬る杵太郎。
「きみちゃんのお陰で、私は強い男になる事が出来た。有難うよ。」とおきみに、礼を言う杵太郎。
その杵太郎とおきみは、二人仲睦まじく、その場を去って行く。
二人を見送る金五郎。
初めて観るお芝居です。
「血まみれ草子」、気の重くなるお芝居かと思いきや、喜劇でした。
新導あきさんの気の弱い杵五郎若親分が、笑いを誘いました
口上挨拶
藤間智太郎座長
三代目藤間歩さん
㉒へ続く…