⑱より続き…

 

順不同になりましたが…

 

1部 お芝居 六助の首

他劇団では、「長ドス仁義」「長脇差と草鞋と三度笠」

 

*配役*

赤穂の今朝治(ケサジ)一家

親分 今朝治*新海輝龍さん

代貸*なおとさん

子分 一助*大橋直樹さん

子分 六助*長谷心平座長

 

吉良の勘三(カンゾウ)一家

親分 勘三*長谷圭之介花形

子分*長谷金太郎さん

子分*長谷優星さん

子分*五月華さん

子分*五月椛さん

 

茶店の娘*五月雅さん

 

 

*あらすじ*

1幕:茶店前

旅の途中の今朝治一家の代貸と一助と六助。
足の豆が潰れ遅れてやって来た六助に、茶店で少し休んでやって来るようにと言う代貸。

今朝治親分の護り本尊「志津三郎兼光」は預かろうと一助が言うが、「親分から預かった大事な物。」と断る六助。

一人になった六助が、茶店の娘に、足に薬を塗ってもらいお茶を飲んでいる所へ、吉良の勘三一家がやって来る。

湯呑みの茶かすをかけたとの言いがかりをつける勘三親分。
六助が手をつき頭を下げ詫びるが、聞き入れてもらえない。

それどころか、六助が、赤穂の今朝治一家の身内と知ると、「今朝治を連れてきて、俺の前で頭を下げれば許してやる。」との無理難題。

思い余った六助は、「親分の護り本尊「志津三郎兼光」を、牛馬の通るここへ置き、この自分が頭を下げたなら、親分が頭を下げた事になります。」と言うが、その志津三郎兼光を取り上げられてしまう。
「どうか返して下さい。」と言う六助を、袋叩きにし帰って行く勘三一家。

2幕:旅籠

「六助がまだやって来ない。」と気に掛ける代貸。

一助に捜してくるように言い付けたところへ、六助がやって来る。。
「兄貴、代貸、勘弁してくれ。」と泣きながら事の子細を話す六助。

「六助、心配するな。必ず俺が何とかしてやる。短気な真似はするなよ。」と言い、思案する為に、部屋へ出て行く代貸。

「俺と一緒に、吉良の勘三の所に行ってくれないか。」と言う六助の頼みに、一助は、「おめえ、よく言った。」と言い、二人で向かおうとする。

そこへやって来た代貸が、二人を止め、「必ず俺が何とかするから、戻って来い。決して短気な真似はするな。」と言い部屋を出て行く。

「兄貴、行こうぜ。」とすがる六助に、代貸の言い付けがあり、「離せ。」と突き放す一助。

「ちきしょう!ちきしょう!」と叫び、部屋を出て行く六助。
そこへ、勘三一家がやって来る。

「赤穂の今朝治を出せ。」と言う勘三親分に、「親分は、まだ来ちゃおりません。」と答える代貸。

勘三親分は、「志津三郎兼光を返してほしければ、赤穂の今朝治がやって来て頭を下げろ。」と言うと、「てめえ、ちょいと顔に色気が足りねえんじゃないか。」言い、代貸の額を割る。

一助が刀に手を掛けた事を怒った勘三は、「六助の首を持って来い!」と言い捨て帰って行く。

追って行こうとする一助を止める代貸。

酒に酔った六助がやって来る。

「親分になり代わって、親分子分の盃を水にしてやっておくんなさい。」と代貸に言う六助。

「見損なったぜ。親分との盃、水にしてやる。」と、怒って部屋を出る代貸。

「すぐ謝りに行こう。」と言う一助に悪態を吐いたうえ、「赤穂の今朝治は、馬鹿だ。馬鹿だ。大馬鹿もんだ。」と悪口雑言の六助。

今朝治親分の事を悪く言う六助を、刺してしまう一助。

そこへ、やって来た代貸に、「奥で、勘三と代貸の話を聞き、自分で自分の腹を突こうとするが出来なかった。酔った振りをして、兄貴の悪口を言ったのですが、斬っちゃくれない。それで、親分の悪口を…俺の首を斬って、刀を取り返して下さい。最後の頼みでぇ。」と話す六助。

「わかったぜ六助。けっしてお前の命は無駄にはしねえぞ。」と応える代貸。

「小さい頃に二親に死なれ、親分に拾ってもらい、立派になって親孝行しようと思ったが、こんな姿になってしまいました。ひとつお願いがあります。こんな親不孝者を勘弁してやって下さいと伝えてやって下さい。」と頼む六助に、「おめえの言葉は、必ず伝えてやるからな。」と引き受ける代貸。

六助は、「親分。大好きな親分。最後にひと目で良いから会いたかった。」と言い遺し息を引き取る。

代貸は、「六助、辛かったろ。苦しかったろ。もうこれ以上、自分を責める事はねえやな。お前は優し過ぎる。今度生まれてくる時は、堅気に生まれてこいよ。すまねえ。」と言うと、「今から六助の弔い合戦だ。仕度しろい。」と一助に言う。

代貸と一助が、勘三一家へ向かおうとしたところへ、今朝治親分がやって来る。

代貸から、事の成り行きと、六助の今際の言葉を聞き、「六助がそんな事を…しばらく見ないそのうちに、一人前になったな。」と言う今朝治親分。

 

3幕:勘三一家
六助の首を大事に抱えやって来た今朝治親分。

「こうして首を持って来たんだ。志津三郎兼光を返してもらえますか。」と言う今朝治親分に、「末期の水」と言い痰唾吐きかけた六助の首を返す勘三親分。

「六助の敵は取らせてもらいますぜ。」と言い、六助の敵討ちを果たす今朝治一家。

「六助、敵は討ってやった。迷わず成仏するんだぜ。俺と一緒に一家へ帰ろう。俺の腕に抱かれたまま、決して離れるんじゃないぞ。」と言い、大事に抱えた六助の首と共に帰って行く今朝治親分。

その後に続く代貸と一助。

 

 

口上挨拶

長谷心平座長

 

 

五月華さん

 

⑳へ続く……