⑰より続き…
順不同になりましたが…
2部 お芝居 雪の長持唄
*配役*
盗賊一味
頭 不知火の与一(シラヌイノヨイチ)*金子亮さん
兄貴分 千之助(センノスケ)*なおとさん
弟分 佐吉(サキチ)*三峰達座長
火付盗賊改方(ヒツケトウゾクアラタメカタ)
長谷川平蔵(ハセガワヘイゾウ)*昴斗真花形
小者*花島直也さん
近江屋女中 おこう*舞鼓美さん
松次郎*金子亮さん
慶庵先生*花島直也さん
*あらすじ*
1幕:街道
一仕事終え、逃げる途中の盗賊一味。
「佐吉が、女中を殺さなかったから、半分しか盗れなかった。」と咎められ、「俺には、人は殺せない。」と、肩を落とす佐吉。
盗賊一味が、散り散りに逃げようとするところへ、本庄の鉄と名乗る侍がやって来る。
2幕:川べりの切り株
佐吉を待つ頭の与一と千之助。
千之助は、近江屋の中の様子を聞きだす為に、女中のおこうを、かどわかしていた。
佐吉に度胸を付けさす為に、「女中を殺せ。殺した後は、す巻にして、大川へ捨てておけ。必ずやれよ。」と言い、去って行く与一と千之助。
おこうは、「田舎に帰って、嫁さ行って、子供さ産んで、幸せに暮らすのが夢だった。」と言う。
そして、佐吉の歌う長持唄を聞き、「奥州仙台の長持唄だ。同郷のもん、殺すんか?」と言う。
「仕方ない。」と言う佐吉に、「おらは、この長持唄が大好きだ。」と言うおこう。
佐吉は、短刀を振りかざすが…
3幕:佐吉の家
佐吉は、おこうを、殺す事が出来ずに、匿っていた。
おこうが一人でいるところへ、隣の松次郎がやって来る。
そこへ、佐吉が帰って来る。
松次郎は、「慶庵先生が、俺の船に乗り合わせたんだよ。佐吉が戻って来る気があるのか、心配していた。」と伝え帰って行く。
佐吉は、「仙台藩士の三男坊で、慶庵先生のところで、医者を目指し修業していたが、人を傷付け島送り。死のうと思ったところを、助けてくれたのが頭。」と、おこうに、身の上を話す。
包丁で切った指を痛がるおこうに、佐吉は、素早く手当する。
「あんたの手は、人を助ける為にある。この手は、あんたの宝だ。おらぁ、佐吉先生のお手伝いをする。一日も早く、立派な医者になってくれ。その前に、おらを、嫁さ貰ったら?」と言うおこう。
4幕:幕間
「10日程前から、姿を消した近江屋の女中。」と、小者からの報告を聞く侍。
5幕:佐吉の家
本庄の鉄が訪ねて来て、おこうを見て、「人には、変わり時ってもんがあるんだ。その人は、お前にとっては、福の神かな。」と言い帰って行く。
そこへ、「頭が呼んでいる。」と、千之助がやって来る。
部屋の様子から、おこうを見つけ出し、「お前が出来ないなら、俺が殺してやる。俺たちは、仲間が一番大事なんだ。」と言う千之助。
「こいつを女房にする。」と言う佐吉に、「負けたよ。お前には、堅気がお似合いだよ。俺から頭に言ってやる。それもこれも、この仕事が終わってからだ。」と言う千之助は、佐吉を与一の許へ走らすが、それは、口先だけで、おこうを縛り上げる。
6幕:山中
近江屋の鍵を盗んで来た佐吉は、「これを最後の仕事にさせて下さい。」と言うが、端から佐吉とおこうを殺すつもりだった与一は、佐吉の腕を斬り付け、再び、刀を振り上げたところを、おこうが、佐吉を庇い斬られる。
そこへ、本庄の鉄と名乗っていた火付盗賊改方 長谷川平蔵がやって来て、盗賊たちを斬り、佐吉とおこうを助ける。
7幕:慶安先生の家
平蔵に、おこうの容態を聞かれた慶安は、「もう長くはないでしょう。」と答える。
平蔵は、「先生の奥様が、おこうの願いを叶えたいと言っている。」と伝える。
そこへ、平蔵の取り計らいで、「江戸所払いの刑」と言って、佐吉がやって来る。
「十年だ。十年経ったら戻って来い。医者って言うのは、良いもんだな。お前のその手は、今度は、人の為だけに使うんだぜ。」と言う平蔵。
花嫁衣裳に身を包んだおこうが現れる。
「お帰りなさい。お前さん。」と、はにかむおこう。
「今日が、お前たちの祝言の日だ。立会人はこの俺。おこうさんを、貰ってやんな。」と、佐吉に簪を手渡す平蔵。
佐吉は、その簪を、おこうの髪に挿す。
おこうは、「きっと、良い奥さんになる。佐吉さんは、立派な医者なって、この手で、沢山の人を幸せにしてくれ。おらは、その手伝いを、ずっとする。おとっつぁん、おらぁ、嫁さ行ったよ。幸せだよ。」と言う。
そして、「長持唄をもう一度歌ってほしい。」と、佐吉に頼む。
「歌ってやるよ。お前の好きな長持唄。しかっり聞けよ。」
佐吉の歌う長持唄を聞きながら、佐吉の腕の中で、息をひきとるおこう。
「お前は、俺の生涯の恋女房だ。おこう!」
雪深い奥州仙台、同郷の佐吉とおこう。
降り止まない雪。
口上
佐吉*三峰達座長
三峰達座長・なおとさん・花島直也さん
長谷川平蔵*昴斗真花形
頂きました
なおとさん
⑲へ続く…