⑫より続き…
順不同になりましたが…
1部 お芝居 孝行小判 大工の三太
*配役*
大工一家
姐さん*長谷川舞さん
娘 お花*京未来さん
一番弟子 源吉*長谷川武弥座長
二番弟子 清吉*長谷川一馬さん
見習*長谷川礼音さん
見習*長谷川かん太さん
女中 お竜*京詩音さん
下働き 三太*愛京花総座長
役人*長谷川乱之助副座長
*あらすじ*
1幕:棟梁の家前
山城屋さんの仕事を断る事が出来ず、前金十五両を預かって来たと姐さんが帰って来る。
その十五両は手文庫に収められた。
姐さんは、源吉に話があると言う。
「亭主が死んで、私が、引き継いできたが、源吉に跡目を継いで欲しい。」と言う。
「お嬢さんと一緒になれるんですね。」と尋ねる源吉に、「お花と清吉は、好き合っているから、その話だけは、勘弁してほしい。」と答える姐さん。
源吉は、しんどい事だけ自分で、おいしい事は清吉と言うのが不服 だった。
その話に、家の中に入る姐さんと源吉。
三太が、やって来て、手文庫の十五両の中から、三両を盗み立ち去ろうとするところを、源吉に見つかってしまう。
「病のおっかさんの薬の高麗人参に、三両がいる。」と、泣いて詫びる三太。
「わしに逆らったら、姐さんに言い付けてる。三両は、手文庫に直しておいてやる。」と言う源吉だが、自分の懐に入れ、独り占めしてしまう。
姐さんに、一緒になる事を許されたお花と清吉が、仲良くしているところへ、源吉がやって来る。
源吉は、「姐さんが呼んでいる。」と嘘を付き、お花を、その場から離れさせ、「お前がいなけりゃ、お嬢さんは、俺の言う事を聞くのに!」と、清吉をのみで刺し殺す。
それを、目撃していた三太に、「人を殺した罪と、金を盗った罪と、どちらが重いと思う?」と、尋ねる源吉。
三太が、「こんな自分でも、分かりますよ。人を殺した方が重い。」 と答えると、「法が変わったんだ。人を殺しても、三日で出て来られるが、金を盗ると死罪だ。」と言い包め、「金を盗った事は、黙ってやる。命を取った事は、黙っておけ。」と言う。
そして、「三太の手拭いで、世話になった清吉を、綺麗に拭いてやれ。」と言い、拭き終わると、「手拭いをそこへ置いておけ。後で、食べる物を持って行ってやるから、部屋へ行け。」と言い付ける。
「大変だ!大変だ!」と叫ぶ源吉の声に、皆がやって来る。
騒ぎを聞きつけやって来た役人が、清吉の傍らにあった手拭を見つける。
「その手拭は、三の手拭。」と言う源吉。
そして、姐さんに、「手文庫のお金を確かめた方が良い。」と言う。
お金を確かめた姐さんが、「三両足りない。」と言うと、源吉は、「三がおっかさんの病の為の高麗人参を買う為に、盗ったのでは。」と言う。
源吉の話に、「まるで、見ていた様な話しぶりですね。何か裏がありそうですね。万事は、あっしに、任せておいて下さい。」と言う役人。
2幕:棟梁の家
「何かが分かったらしい。」と姐さんとお花が、番屋へと向かう。
お腹を空かせた三太がやって来る。
「絶対に役人には言わない。」と約束する三太に、「これは、俺が一生懸命働いて貯めた金。」と言い、三両を手渡し、「番屋に、俺が清吉を殺したと名乗り出ろ。罪を代わってやろう。三日経ったら、会おうぜ、」言い、部屋を出る源吉。
三太を訪ねて役人がやって来る。
手拭を見せ、「お前の物か?」と尋ねると、自分の手拭だと言う三太。
「清吉殺しの下手人知らないか?」と尋ねると、「俺がやった。」と答えた三太は、お縄になる。
そこへ、姐さんとお花が帰ってくる。
「三日で、帰って来ますから。」と言う三太に、「何だ?その三日は?」と聞く役人。
「法が変わった。」と言う三太に、「そんな事はない!本当の事を言え。」と迫る役人。
役人に見えないように、のみをちらつかせ、三太に口止めする源吉。
「俺が必ず守ってやる。」と言う役人の言葉に、「清吉殺しの下手人は、あの源吉。」と告げる三太。
そして、姐さんに全てを話す。
「貴様、覚えておけ!どんな島に行っても、ぶち殺してやるから。」とわめく源吉は、役人にひかれて行く。
「もう、お金はいい。薬も飲めんでいい。おっかさんの許へ早く帰って来てちょうだい。」との母からの手紙に、三両を盗ってしまったと詫びる三太。
「もう二度としません。約束します。このまま、ここに置いて下さい。」と頼む三太に、「この三両あげる。持ってお行き。」と言う姐さん。
三太は、泣きながら、「有難うございます。」と受け取り、「ひと月ばかり、暇が欲しい。」と言う。
「おっかさんの具合が良くなったら、二人で帰っておいで。これも、持ってお行き。」と、財布を差し出す姐さん。
「孝行小判もろて帰って来たら、喜ぶやろな。皆さん、元気で、さようなら。」と、喜んで帰って行く三太。
前半は、三太と源吉の掛けあいに、大笑いし、ラストはホロッ
口上
三太*愛京花総座長
京未来さん
長谷川礼音さん
長谷川かん太さん
⑭へ続く…