㉑より続き…
順不同になりましたが…
2部 お芝居 関東嵐
*配役*
三島一家
親分*初代 藤ひろしさん
若親分 三之助(サンノスケ)*藤仙太郎座長
代貸 桶屋勘五郎(オケヤカンゴロウ)*美月姫之助座長
子分 音吉(オトキチ)*藤龍都花形
子分 鉄(テツ)*藤優馬さん
親分の女房 お竜(オリュウ)*美月ことさん
親分とお竜の子供 新吉(シンキチ)
茶店のおばさん*責任者 美月里笑さん
*あらすじ*
1幕:三島一家
病がちの三島親分は、「薬を玄庵先生の所で、貰って来てくれ。」と、音吉に頼む。
「薬代だって残ってないし、刀を質に入れようか…」と呟き、新吉を抱き、出かけて行く音吉。
音吉が出かけるのを待って、勘五郎と鉄がやって来る。
「明神下の賭場が欲しい。」と親分を襲う。
「孤児のお前を育て、代貸にまでした恩を…」と言う親分。
そこへ、音吉が戻って来る気配。
勝手知ったる…と一家の裏口から逃げる勘五郎と鉄。
「桶屋勘五郎にやられた。縄張り欲しさに、騙しをかけやがった。三之助が帰ってきたら、二人で、俺の恨みを晴らしてくれ。」と、音吉に言い残し、息を引き取る親分。
「若親分が戻って来たら、必ず、敵討しますよ。新坊の面倒は、この俺が見ますよ。」と誓う音吉。
2幕:茶店前
音吉は、茶店のおばさんに、「新坊に、乳をあげて欲しい。」と頼むのだが…
「乳の代わりになる物を作ってやる。お前にも、精が付くものを作ってやるよ。」と言う茶店のおばさん。
そこへ、桶屋一家がやって来る。
金看板も、縄張りも手に入れ、上機嫌の勘五郎親分。
姐さんに話があると言う音吉。
「新坊に乳を飲ませてほしい。」と言うが、無下に断られる。
「俺の条件を呑めば、考えてやる。」と言う勘五郎。
「3回回ってワンの犬の真似をしろ。」と言う勘五郎。
屈辱に耐え、新吉の為にと、犬の真似をする音吉。
しかし、「乳を飲ませてやるとは言っていない。考えてやると言ったんだ。」と嘲笑う勘五郎。
勘五郎たちは、御輿を見に行ってしまう。
「もう、勘弁できないや。」と出刃を持ち出す音吉。
「辛抱するんだ。我慢するんだ。音さんに、もしもの事があったなら、後に残る新坊はどうなるんだ。」と、必死で止める茶店のおばさん。
「音松、よく辛抱したな。」と言う声が…
旅に出ていた若親分の三之助だった。
父親でもある親分を、桶屋勘五郎に殺された事を知ると、「親父の敵は俺が討つ。」と言う三之助。
「その子は、お前の子か?」と尋ねる三之助に、「親分の子です。」と答える音吉。
一度、一家に戻ろうとする三之助と音吉に、音吉への悪態をつき、高笑いする勘五郎の声が聞こえてくる。
「我慢ならない。」と言う音吉を制し、「その笑い、俺が止めてやる。」と言う三之助。
3幕:桶屋一家
お竜が姐さんに収まっている桶屋一家を訪ねて、旅人の素振りで、三之助がやって来る。
「訳がありまして、被りはそのまま、名前生まれはご容赦下さい。」と言いつつ、お竜を斬る。
旅人が、三之助と分かると、刃向ってくる鉄。
が、いとも簡単に斬られる。
お竜と鉄が斬られ、一人残された勘五郎。
「俺が悪いんじゃない。お竜が悪い。命だけは、助けて欲しい。」と言う。
「完全降伏」と言う勘五郎に、「俺は気が立って、イライラしている。3べん回ってワンをしろ。」と言う三之助。
犬の真似をする勘五郎。
「命だけは助けてやる。寺に籠って坊主になれ。」と言う三之助。
しかし、隙をついて、三之助に襲いかかる勘五郎。
「お前の考えていそうな事位わかる。あの世で、親父に謝れ。」と、勘五郎を斬る三之助。
「敵は討った。迷わず成仏してくれよ。」と、手を合せる三之助と音吉。
「履いた草鞋をそのまま、旅に出ようと思う。三島一家、新吉の事を頼む。」と言う三之助。
「恋より、情より、命を大切にするんだぞ。音吉、あばよ。」と、再び旅に出る三之助。
楽しいお芝居でした。
絶好調らしい優馬さん…
「笑」を独り占めされていました
口上
藤仙太郎座長
㉓へ続く…