⑯より続き…

 

順不同になりましたが…

 

2部 お芝居 源太時雨

*配役*

春野屋一家

伝兵衛親分*花道あきらさん

子分 時雨の源太*三代目 鹿島順一座長

子分*菊章吾さん

用心棒の先生*市川雀之助さん

 

はなぶさ*劇団責任者 甲斐文太さん

女房 のぶえ(芸者名 のぶ千代)*春咲小紅さん

はなぶさとのぶえ(のぶ千)の子供 新之介

 

旅籠屋 使用人*真神響一さん

 

 

*あらすじ*

1幕:春野屋一家

はなぶさが乳飲み子の新之介を抱き、春野屋一家にやって来る。

伝兵衛親分に、のぶえの居所を聞くと、「のぶ千代か…のぶ千代なら今ここで、酌をしてもらっている。」と。

はなぶさは、のぶえに、「腹を空かせてむずがる新之介に、乳をやってくれ。」と言う。

「私は仕事をしているんだよ。着物に匂いが付くじゃないか。」と拒むのぶえ。

伝兵衛親分が、「重湯でも飲ませてやりな。」と、のぶえに一両を手渡す。

のぶえは、その一両を、はなぶさに向かって、投げ銭する。

悔しい思いを抑え、一両を持って、一家を出ようとするはなぶさを、伝兵衛親分が呼び止める。

「西へ二丁行った所に、目明き地蔵がある。三七、二十一日の間、願を掛けると、目が見えるようになる。」と言う。

「今日は暮れて来たので、明日の朝一番にでかけます。」と言うはなぶさ。

「目が見えないなら、朝も夜も変わらない。」と伝兵衛親分に言われ、「善は急げ。」で、出かけようとする。

外に出ると、雨が降り出していた。

「雨よ降れ。風よ吹け。雨風吹いたその後で、この頬流れる涙を洗い流してくれよ。」と嘆き、地蔵へと向かうはなぶさ。

実は、目明き地蔵と言うのは嘘で、本当は、目無し地蔵と言っていわく付きの地蔵だった。

伝兵衛親分は、そこで、はなぶさを殺し、のぶ千代と一緒になるつもりだった。

しかし、自分の手を汚すのは…と思っているところへ、源太が女物の赤い襦袢姿で戻って来る。

源太に、「はなぶさの旦那をやって来い。」と言う伝兵衛親分に、「金を貰えるなら。」と、引き受ける源太。

「五両のうち、前金に二両。」と言う源太に、「私の子供も、ばっさりやってくれ。」と言うのぶ千代。

「合せて十両、前金は、五両でお願いします。」と言う源太。

前金を手にし、地蔵へ向かおうとする源太に、「ドスもなくてどうやって殺すんだ。」と刀を貸す伝兵衛親分。

「そんな格好では、目立っちまうだろ。」と言うのぶ千代の言葉に、着物も貸す。

「安請け合いして、大丈夫か?」と聞く伝兵衛親分に、「山よりでかい獅子はいません。」と答える源太。

 

2幕:目無し地蔵

目明き地蔵と信じ、願を掛けるはなぶさ。

「その目は、俺が開けてやろう。」と、源太が現れる。

そして、のぶ千代と伝兵衛親分の間男の事を話し、親分に頼まれ、殺しに来たと明かす。

「武士らしく潔く、そなたに斬られてやるが、ひとつだけ頼みがある。新之介を、母の許へ届けてくれぬか?」と言うはなぶさ。

「子供も一緒にやってくれ。」とおかみさんに言われてきたと言う源太。

「新之介は武士の子だ。二人共、斬られましょ。」と諦めるはなぶさ。

刀を振りかざそうとすると、新之介の無邪気な笑い声。

「振り上げたドスを、おもちゃと間違い、無邪気に笑う子供を見れば、何故にこのドス振り下ろす事ができようか。二人の命は助けてやろう。間男成敗はしたくはないか?」と言う源太。

「間男成敗したい。」と言うはなぶさに、「先ず、目を治しておくんなさい。」と、前金に貰っていた五両を手渡す。

「源太殿、かたじけない。御免。」と去って行くはなぶさを、「旦那、お達者で。」と見送る源太。

手ぶらで一家に帰る訳にはいかない…と思ったところに、犬の鳴き声が。

その犬の尻尾の先を斬り、「痛かったろ。勘弁してくれ。これも、二人の命が掛かっての事。」と、刀に、犬の血を付ける。

 

3幕:春野屋一家

源太が戻って来る。

首尾良く戻って来たと思い込んでいる伝兵衛親分は、「直ぐに旅に出ろ。ほとぼりが冷めるまで、帰って来るな。」と言う。

伝兵衛親分が、「置いて行け。」と言う刀と着物に、「怨念が付いている。」と難癖付け、「持って行け。」と言わせ、後金の五両を手にし、一家を後にする源太。

 

4幕:旅籠屋

逗留代が三十両の勘定書きを見せる使用人に、「この屋の女将を呼んでくれ。」と言う男。

いぶかる使用人に、一両を握らせる。

やって来た女将ののぶえに、「亭主に貸した金を返してもらったら、三十両支払う。」と言う。

そこに、亭主がやって来る。

「五十両を返してくれ。」

「借りた覚えはない。」

「その女房の代金。」と言い振り向く男。

目が見えるようになり、間男成敗にやって来たはなぶさだった。

「誰かいないか?誰かいないのか?」と叫ぶ伝兵衛親分。

そこへ、源太が現れる。

「はなぶさが生きているじゃないか。」と、伝兵衛親分に言われ、「けりをつけてやる。」とはなぶさの前に行く源太。

お互い、「お久し振りです。」と挨拶を交わす二人に、「源太、裏切りやがったな。」と怒る伝兵衛親分。

「裏切った?俺は、表返ったんだ。」と言う源太。

間男成敗を果たしたはなぶさに、「無事、間男成敗おめでとうございます。これから、どうなさるんで?」と尋ねる。

「新之介が待つ故郷へ帰る。必ず訪ねて来てくれ。新之介、父は今帰るぞ。御免。」と帰って行くはなぶさを、「お達者で。」と見送る源太。

 

 

口上

三代目 鹿島順一座長

 

 

真神響一さん

 

 

お二方

 

⑱へ続く…