⑱より続き…
順不同になりましたが…
1部 お芝居 紋次の祥月命日
勝新太郎さんの「座頭市物語 第三話 祥月命日いのちの鐘」を元に、三代目 鹿島順一座長が脚本・演出・構成された新作狂言。
お芝居途中からの観劇&汗との格闘で、配役・あらすじは、簡単に…
興味ある御方は、「座頭市物語 第三話 祥月命日いのちの鐘」を検索されると良いと思います。
*配役*
座頭市*劇団責任者 甲斐文太さん
青竹の紋次(モンジ)*三代目 鹿島順一座長
?一家
姐さん*春日舞子さん
息子 新吉*花道あきらさん
中森一家
親分*市川雀之助さん
子分*菊章吾さん
子分*真神響一さん
子分*春咲小紅さん
茶店の客 娘*胡阿きいなさん
*あらすじ*
何幕目から観劇したのか不明です。
?一家
?一家の姐さんの按摩しながら、「顔すら分からない亡くなった母親の匂いがする。」言う座頭市。
「中森一家に、縄張を譲れば、三割貰える。」と言う新吉に、「三割だろうが、七割だろうが、私の目の黒いうちは、この縄張は渡せないんだ。」とぴしゃりと言う姐さん。
そこへ、中森一家に草鞋を脱いだ紋次を連れ、中森一家が殴り込んで来る。
姐さんは、斬り殺されてしまう。
中森一家
「中森の親分さんは、良い親分さんとお聞きしました。」と言い、親分を按摩する座頭市。
「後家は殺したが、せがれは生きたまま連れ帰りました。」と、新吉を連れ帰った子分達。
その新吉に、証文を書けと脅かす親分。
震える手で書きかけた証文を、座頭市がびりびりに裂き、自分の口に放り込む。
怒った親分は刀を抜くが、座頭市は抜かなかった。
川縁
川に放り込まれた座頭市を助け、川からあがった紋次と座頭市。
「なぜ、刀を抜かなかった?」と聞く紋次に、「お袋との約束。今夜の暮れ六つまでは、こいつを抜くわけにはいきません。」と答える座頭市。
自分を助けた紋次に、「良い人なのか、悪いお人なのか?」と聞く座頭市に、「良い時もありゃ、悪い時もありゃあな。」と答える紋次。
茶店
「市さんには、借りがある。」と言い、座頭市付きまとう紋次。
「貸した覚えはない。」と言う座頭市。
紋次は、座頭市が、刀を抜かなかったお陰で、命拾いしていた。
「お袋の祥月命日の日、ドスは抜かない事にしている。
明けの六つの鐘が鳴って、暮れの六つの鐘が鳴るまでは、ドスは抜かない。」と言う座頭市。
茶店前の床几で、酒を飲んでいる娘に声を掛ける紋次。
「お父っあんが来るのを待っている。」と言う娘。
その娘の父親を、一宿一飯の恩義で、座頭市が斬っていた。
敵討したいと言う娘に、刀を貸す紋次。
娘は、座頭市を突くが、急所は外れていた。
向こうの方で、新吉の声が…
「助けてやってくれ。」と紋次に言う座頭市。
「俺がやられたらどうするんだ?」と聞く紋次に、「お前さんの祥月命日にも抜かないよ。」と答える座頭市。
助けられた新吉は、中森一家へ、母に敵討に行くと言う。
その新吉の後を追う座頭市。
「鐘が鳴りゃ良いんだな。」と紋次が呟く。
中森一家前
「命を無駄にする事はない。敵討の気持ちになっただけでも、お袋さんは喜んでいる。
暮れ六つまではあとどれくらい?」と言う座頭市に、「あと半刻。」と言う新吉。
「ボーン」と鐘が鳴る。紋次が鳴らした鐘。
中森の親分に、「新吉を見逃してやって欲しい。」と頼む座頭市。
そこへ、紋次がやって来て、中森の親分に、「座頭市」と明かす。
「黄昏橋で待ってるぜ。」と座頭市に言い立ち去る紋次。
暮れ六つの鐘が鳴った事で、刀を抜き、中森一家全員を叩き切る座頭市。
新吉と娘が、「大丈夫ですか?」と言い現れる。
「博打場で儲けた金だが、お前のお袋さんの供養をしてやって下さい。
そちらのお嬢さんの父上を、あっしが斬ったらしい。その弔いも一緒にして欲しい。」と、財布を差し出す座頭市。
そして、新吉に、「やくざには向いていない。」と言う。
「同じ身の上同士、ひっつきなさるんですか?」と、新吉と娘を見送る座頭市。
そこへ、忍び足でやって来て、刀を抜く紋次。
すかさず、紋次を斬る座頭市。
「お前さんが、先に抜きなさった。」と言う座頭市。
斬った相手が、紋次とも知らず、紋次が待っている黄昏橋に向かう座頭市。
「大した居合い斬りだ。痛くもかゆくもない。
市さん、俺の祥月命日には、抜いてくれても良いんだよ。」と言い息絶える紋次。
目が見えない自分の身を守る為の術が、奇妙な友情が生まれた紋次を斬ってしまう事になろうとは…
黄昏橋で待っている筈の紋次が、待てど暮らせど現れない。
その時の座頭市の気持ちを想像すると…
紋次は多分、自分の身を以って、座頭市の術の凄さを知り本望だったのだと…
口上
三代目 鹿島順一座長
菊章吾さん
真神響一さん
⑳へ続く…