⑰より続き…

 

順不同になりましたが…

 

2部 お芝居 人情女の運命(ニンジョウオンナノサダメ)

他劇団では、「意地悪婆さん」

 

*配役*

島崎屋

御隠居 初枝(ハツエ)*姫川寿賀座長

若旦那 光太郎(コウタロウ)*光栄座 滝夢之助座長

光太郎の嫁 お咲(オサキ)*劇団鷹ノ羽 梅沢菊之助座長

女中頭 お種(オタネ)*姫川小代美ボス

女中*姫川恋華さん

女中*姫川京さん

女中*光栄座 夢乃楓さん

手代 春(ハル)*鳳春斗さん

 

お咲の父 甚兵衛(ジンベエ)*姫春之助座長

 

 

*あらすじ*

1幕1景*島崎屋

御隠居の初枝が出掛けている間に、使用人達は、初枝の悪口を言いたい放題。

「年甲斐もなく、派手な着物に、花かんざし付けて…」

「金魚ばばぁ。煮ても焼いても食べれない。」

 

そこへ、娘のお咲を訪ねて、甚兵衛がやって来る。

木こりの与作の保証人になったが、その与作は、女房のお亀を連れ夜逃げ。

金貸しに、保証人が払えと言われたが、払うお金が無い。

五両貸して欲しいと言う甚兵衛。

お咲は、毎月光太郎から貰う小遣いを貯めた五両を渡す。

「一緒に、ご飯を食べましょう。」と言うお咲。

ご飯時まで、女中頭のお種と話をしていると、女中部屋へ行く甚兵衛。

そこへ、爺さんの墓参りから、初枝が帰って来る。

 

 

 

主が帰って来たと言うのに、出迎えない。

喉が渇いているだろうと、気を利かせ、お茶を入れない。

お茶を入れれば、お茶の葉を入れすぎる。

お茶を出せば、そんな出し方を…と嫁いびりする初枝。

挙句に、「離れ座敷の手文庫のお金が、ちょこちょこ無くなる。五両の大枚なお金が無くなっている。」と言う初枝。

「旦那様かも…」と言うお咲。

「そんな事を言う嫁は、息子に代わって離別する。」と言う初枝。

そこへ、甚兵衛がやって来る。

「泥棒の娘を連れて山へ帰れ!」と言う初枝。

「ゴキブリじじぃ」「南京虫ばばぁ」「唐傘じじぃ」「提灯ばばぁ」と言い争うお咲と甚兵衛。

初江の酷い言葉に、「取っちゃぁ投げ、ちぎっちゃぁ投げしてやるわ!」と甚兵衛が言う。

「その前に、ちょっと…」と言う初江。

はばかりに間に合わないと…

客席に向かって…

やっちゃいました。

スッキリした初江は、甚兵衛に、肩を突かれ、反撃する。

(その様子の画像は、後程UP致します。)

そこへ、息子の光太郎が帰って来る。

「怖い!」と光太郎に泣きつく初江。

そして、自分のお咲や甚兵衛への言動を、自分がされたとの如く話す。

「以前は、あんな風じゃなかったのですが…どうか、許してください。」と、甚兵衛に謝る光太郎。

「一緒に食事しましょう。」と誘う光太郎に、「ご隠居さんが居るので…」と断る甚兵衛。

「それでは、ばば抜きで。」と言う光太郎に、了承する甚兵衛。

光太郎の「ばば抜きで。」の言葉に、家を出ようとする初江。

使用人たちが、止めてくれると思いきや…

「枝っぷりの良い松の木に紐を掛けて…良い所に行けますよ。」

「袂に石を入れ、川に…良い所に行けますよ。」

そして、「出て行け、出て行け、ちゃっちゃちゃ。」と踊る使用人達。

出て行こうとする初江に、

「お母様、しばらくお待ち下さい。お母様が出て行かれるなら、私が出て行きます。」と言うお咲。

その言葉を待っていた初江は、「倅には、うちがついてます。」と言う。

初江が出て行かない事になると、胡麻をする使用人達。

「私が至らぬばっかりに、この家に波風立たせてしまって…

旦那様、こんなふつつかな嫁を許して下さい。」と詫びるお咲に、「お咲、家へ帰ろう。」と言う甚兵衛。

お咲と甚兵衛が出て行こうとした時、「ちょっと待って下さい。」と、二人を呼び止め、「許して下さい。」と詫びる光太郎。

「ひとつお願いがあります。離縁ではなく、里帰りで…お咲の事を、宜しくお願い致します。」と言う光太郎。

「責任持って預からせてもらいます。」と答える甚兵衛。

「お年のお母様の食事は、女中達に、柔らかい物を作って貰って下さい。

癪の持病が出た時には、離れ座敷の茶箪笥の3番目に薬が入っています。」と言うお咲。

「最後の最後まで、おっ母さんの事を…」と、声を詰まらせる光太郎。

帰って行こうとする二人を呼び止め、「このうちが、悪かった。」と詫びる初江。

 

「いつも、おっ母さん、おっ母さんと言っていた光太郎が、お咲、お咲に変わってしもうた。

派手な着物に、花かんざしは、あの嫁が来てから、人が変わったと、世間様に思わせかった。

叩かれても、蹴られても、あの手も駄目、この手も駄目。

やっと、可愛い倅がこの手に戻ると思ったが、最後の言葉を聞いて、この島崎屋初江、悪い夢から覚めました。

甚兵衛さん、お咲さん、どうかこの島崎屋初江を許して下さい。」と、両手ついて謝る初江。

初江の改心に手を取り喜ぶお咲達。

「おっ母さん、茶飲み友達を作ったら?甚兵衛さんはどうですか?」と言う光太郎。

「私は良いけど…」と言う初江に、甚兵衛も良いと…

「おっ母さんと甚兵衛さんが、茶飲み友達になる事になった。みんな喜んでくれるかな?」

使用人達も、一緒に喜び、目出度し目出度し。

 

⑲へ続く…