⑮より続き…
順不同になりましたが…
1部 お芝居 刺青奇偶(イレズミチョウハン)
*配役*
半太郎*市川たかひろ若座長
お仲*市川実蕾さん
お寅*市川かずひろ座長
息子 熊*華家銀次郎さん
おじさん(宿屋の亭主)*中村喜童さん
娘 お花*市川みづきさん
鮫の政五郎親分*市川かずひろ座長
子分*肥前隆次さん
子分*華家銀次郎さん
*あらすじ*
1幕:浜辺
居酒屋のお梅に振られた熊が、半太郎を捜してやって来る。
半太郎に、ある事ない事を吹聴されたと、怒る熊。
押し問答のうちに、漁師でありながら泳げない熊が、海に落ちる。
その熊を放っておいて帰ろうとする半太郎。
そこへ、女がやって来て、海へ飛び込む。
2幕:浜辺
女を助けた半太郎。
女の歳は21、名前はお仲。
お仲は、半太郎が、自分の体を目当てに助けた思い、体を許そうとする。
「そこいらの男と一緒にするな!
お前なんか死んじまえ。馬鹿!助けて損した。」と、怒って帰って行く半太郎。
「良い男。あんな男と添い遂げて死んでも、遅くない。」と言い、半太郎を追いかけるお仲。
息子の熊を捜してお寅がやって来る。
おぼれている熊を助けるお寅。
「半太郎に海に落とされた。」と聞いたお寅は、「可愛いわしの息子を…今にどうする半太郎!」と怒る。
3幕:半太郎の家
半太郎が留守の間に、お寅と熊が仕返しにやって来る。
帰って来た半太郎に、仕返ししようとするが、敢え無く失敗し、追い出される。
半太郎は、この木更津を出て、江戸へ行こうと思い仕度をする。
そこへ、お仲が現れる。
「あ~!いた!いた!私をおかみさんにしておくれ。」
半太郎は、お仲と一緒に江戸へ向かう。
1年経過…
4幕:宿屋
病で床に臥せているお仲を、何かと面倒みる宿屋の亭主と娘のお花。
そこへ、半太郎が帰って来る。
「医者が言うには、お仲さんは、もってあとひと月。
唐の方の人参を買えば良くはなるが、二十両かかる。」と伝える宿屋の亭主。
「半さんにお願いがある。墨と針を持って来て下さいな。
半さんに、刺青を掘らしてもらいたい。」と言い、半太郎の左腕に刺青を掘るお仲。
「半の目の刺青じゃないか。」と言う半太郎。
お仲は、「これに誓って、博打はしないで下さいな。」と言うと、
半太郎は、「これに誓って、博打はしない。」と答える。
「二度と博打はしないと思っていたが、二十両をどうしても作ってやりたい。
ここいらで、一番大きな博打場は?」と宿屋の亭主に尋ねる半太郎。
「一番大きな博打場は、鮫の政五郎親分の博打場。」と聞いた半太郎は、「お仲には内緒にお願いしますよ。」と言い、博打場へと駆けて行く。
しかし、お仲は、「半さん、半さん。」と言いながら、血を吐き、「半さ~ん!」と叫び、息を引き取る。
5幕:鮫の政五郎一家前
賭場荒らしをしたと、痛めつけられた半太郎が、政五郎の子分達に、一家の前まで引きずられて来る。
半太郎を殺そうとする子分達。
そこへ、政五郎親分が現れる。
「賭場荒しをかけた奴は殺す。
しかし、殺さなくちゃならない時もあれば、助けなきゃならない時もある。」と言い、訳を聞く政五郎。
半太郎は、お仲とのこれまでの経緯を話す。
「親分さんの賭場に荒らしをかけてしまった。ご勘弁なすって下さい。」と謝る半太郎。
「俺と差しの勝負をしようじゃないか。
お前が勝てば、二十両やる。お前は、何を賭ける?」
「あっしの命で勝負してやって下さい。」と答える半太郎。
「それじゃあ足りない。勝ちゃぁ、お地蔵さんに返さないといけない。」と言って、お地蔵さんの賽銭十二文を借りる政五郎親分。
「半さん、もう、博打はしないでくださいね。」と言うお仲の声が…
しかし、どうしても、二十両を作りたい半太郎は「半」に賭ける。
出た賽の目は「丁」。
「丁だ。丁だ。」と騒ぐ子分達を静め、「丁と出た賽の目も、半目と変わる時もある。」と言う政五郎親分。
政五郎親分は、痛めつけられて、お金を手にする事もおぼつかない半太郎の掌に、二十両を入れ、こぼれ落ちないように、手拭で縛ってやる。
そこへ、宿屋の亭主がやって来て、「お仲さんが死んでしまった。」と告げる。
「お仲~!」と叫び、泣き崩れる半太郎。
半太郎の掌からこぼれ落ちる二十両。
「お仲!」絶叫する半太郎。
前半の「喜劇版刺青奇偶」に、正直、戸惑いました。
でも、それは、後半の序章でした。
Yさんと、「最初の笑いは、ここに通じるんやね。」と話していました。
かずひろ座長の口上でも、「前半は笑って、後半は泣く。」と言う演出だと分かりました。
口上
市川かずひろ座長
中村喜童さん
⑰へ続く…