⑧より続き…
2部 お芝居 質屋の娘
*配役*
質屋泉屋
主 文左衛門(ブンザエモン)*二代目姫川竜之助総長
文左衛門の孫 お玉(オタマ)*姫川寿賀座長
手代 清次郎(セイジロウ)*姫春之助座長
番頭*姫川小代美ボス
手代*鳳春斗(タカハルト)さん
女中*姫川恋華(レンカ)さん
女中*姫川京(ミサト)さん
女中 お小夜(オサヨ)*劇団鷹ノ羽 梅沢菊之助座長
お小夜の妹 お菊*光栄座 夢乃楓さん
大工の女房 おかま*光栄座 滝夢之助座長
*あらすじ*
1幕1景*質屋泉屋
大工の亭主が腕を折った為、女房のおかまが、質入れにやって来る。
やかんや鍋や、位牌や…
「全部で二十文」と言う番頭。
「五十文貸して欲しい。」と言うおかま。
そこへ文左衛門がやって来る。
「五十文に、お見舞いの十文で、六十文出してあげなさい。」と言う。
喜んで帰って行くおかま。
文左衛門が「お玉の姿が見えないが?」と言うと、お小夜を伴って出かけていると…
お玉の両親亡き後、孫のお玉を育てている文左衛門。
お玉は、祖父の文左衛門を、「おとうたま(お父様)」と呼んでいた。
そこへ、沢山の簪を挿したお玉が帰って来る。
「こんなに挿して…」と言う文左衛門に、「男の人が見てくれるの。」と答えるお玉。
198回のお見合をするも、全部成就しなかったお玉。
「思いを寄せている人はいるのか。」と尋ねる文左衛門。
「清次郎が好き」と答えるお玉。
文左衛門は、外出から戻って来た清次郎に、「お玉と一緒になり、質屋を継いで欲しい。」と頼む。
お小夜と夫婦約束している清次郎。
その事を言おうとするが、文左衛門は「了承」したと早合点し部屋を出て行く。
そこへ、お小夜がやって来る。
「お玉お嬢様と一緒になって下さい。」と言うお小夜。
「お玉お嬢様と一緒になる気はない。
お小夜ちゃんと一緒になれないなら、独り身でいる。」と答える清次郎。
お小夜の妹のお菊がやって来る。
「おっ母さんが倒れて、五両必要。」と言うお菊。
「この前、お金を送ったばかりで無理…」と答えるお小夜。
「そのお金、私が出しましょう。
その代り…、悪いと思ったが、清次郎との話を聞いてしまった。
清次郎の事を諦めてくれたら、五両を出しましょう。」と言う文左衛門。
妹のお菊は、泣いてお小夜に頼む。
お小夜は、「清次郎さんの事は諦めます。」と言う。
「許してくれよ。これも全部、お玉と清次郎の為だ。」と言い、五両を渡す文左衛門。
お小夜は、包みと手紙を置き、泉屋を出て行く。
そこへ、お玉がやって来る。
お小夜の置手紙を読む清次郎。
清次郎は、お小夜と夫婦約束している事を、お玉に告げる。
「どうしても、お小夜の事が好きですか?」
「ちょっと待ってて下さい。」と言って部屋を出たお玉が戻って来る。
お金を差し出し、「好きだと言って。」と。
首を縦に振らない清次郎。
国定忠治の刀の小松五郎吉兼を差し出し、「好きだと言って。」と。
それでも、首を縦に振らない清次郎。
挙句には、蔵の鍵まで差し出し、「好きだと言って。」と。
「お小夜ちゃんを裏切る事は出来ない。
私の事は死んだつもりで、諦めて下さい。」と、手を突く清次郎。
「お玉は、清次郎とお小夜が幸せになるのなら諦めます。
必ず、お小夜と二人で、ここへ戻って来るのですよ。」と言い、清次郎を見送るお玉。
清次郎を見送ったお玉は、泣き崩れる。
「お玉、お前、これで良いのか?」と言う文左衛門。
「二人が幸せになれるなら、このお玉は、これで良いのです。
暖簾分けし、二人を一緒にさせて下さい。
二人の仲を、許して下さい。」と、文左衛門に、手を突き頼むお玉。
「お前がそこまで言うのなら、この私が、あの二人を幸せにしてやりますよ。」と言う文左衛門。
「私は、つくづく男運がない。」と嘆くお玉。
「お玉を置いて死なないで下さいね。お爺様。」
初めて、「おとうたま(お父様)」ではなく、「お爺様」と呼んだお玉。
「お前を残して死にはせん。」と答える文左衛門。
「お爺様、私、綺麗?」
「お前は、日本一心の綺麗な子だ。」
笑い有り、少々下ネタ有り…
「お爺様」と聞いた瞬間は、泣けました。
この日は、お友達と、他劇場の夜の部の観劇を約束していました。
梯子観劇は、少々きつくなってきている私。
でも、この日のお芝居が、「質屋の娘」と知り、気合で行って来ました。
行って良かった
⑩へ続く…