⑤より続き…
2部 お芝居 次郎長と旅役者
*配役*
旅回り一座
座長 芦屋小雁(アシヤコガン)*大和みずほ座長
一番弟子 足之助(アシノスケ)*大和一也さん
小雁の妹 おでん*美月恋さん
清水一家
親分 次郎長*大和拓矢さん
子分 小政*大和龍
次郎長の女房 お蝶*大和美明さん
珍竹林(チンチクリン)一家
親分 竹林*美月かなさん
子分*大和倫大朗さん
子分*美月ゐとさん
*あらすじ*
1幕:街道
座長の芦屋小雁と弟子の足之助の二人だけの旅回り一座。
「二人だけでは、芝居が出来ない。」と思っている所へ…
旅の途中の清水次郎長と小政が通りがかる。
次郎長親分が茶店に忘れた煙草入れを取りに行く小政。
待っている次郎長親分に、「良い男」と目を付けた一座の二人。
小雁座長は、「あれを座員にする。」と言う。
次郎長親分におにぎりとお茶を差し出し、食べて飲んだのを見計らって、
「お見かけのところ、やくざやさん。
やくざやさんは、恩義を大切にするとの事。
一座の座員になって欲しい。」と言う小雁座長。
断る次郎長親分に、「食べたんでしょ。飲んだんでしょう。」と一宿一飯の恩義と押し付ける。
渋々了承する清水次郎長に、名前を聞く小雁座長。
「清水の次…次郎衛門。」と答える次郎長親分に、師匠から貰った名前の「芦屋けつ之助」と命名する。
「ひと山越えると生まれ故郷。
一番弟子の足之助。二番弟子のけつ之助。私の後から付いて来なさい。」と言う小雁座長。
2幕:小雁座長の家の前
「10年前に出て行ったきりだが、お父つぁんと妹がいる。
お父つぁんの名前は水炊き、妹の名前はおでん、自分の本名は鉄鍋。」と言う小雁座長。
「おでん、おでん。」と呼ぶと、妹が出て来た。
「お父つぁんは元気か?」と尋ねると、「さっき、死んだ。」と言うおでん。
それを聞き、小雁座長達は家の中へ。
そこへ、珍竹林達がやって来る。
「金を返すか、俺の女になれ。」と、おでんに迫る珍竹林親分。
断るおでんを、無理矢理連れ去る珍竹林達。
その様子を陰から見ていた足之助が、小雁座長に経緯を告げる。
三人がやくざに扮して、珍竹林一家に乗り込み、妹を助けようと思いつく小雁座長。
やくざはやくざでも、名のある親分、「清水次郎長」…
小雁座長はお蝶、芦之助は清水次郎長、けつ之助は大政と、配役を決める。
「一番弟子の芦之助。二番弟子のけつ之助。私の後から付いて来なさい。」と言う小雁座長。
3幕:珍竹林一家
先ずは、お蝶役の小雁座長が、
「おでんを出しなさい。うちの亭主が出て来る前に、おでんを出しなさい。」と言う。
応じない珍竹林達。
亭主の次郎長親分役の足之助、子分の大政役のけつ之助が現れる。
次郎長親分と知り、おでんを返す珍竹林。
「足腰伸ばして言って下さい。酒や肴を用意しますから。」と言われ、ばれないだろうと応じる小雁座長達。
そこへ、次郎長親分を捜しに、小政がやって来る。
次郎長親分、お蝶、大政が奥にいる事を告げる珍竹林。
「それはおかしい。お蝶の姐さんは、自分の後ろから来ているし、大政の兄貴は、港で待っている。」と言う小政。
お蝶が、追いついてやって来る。
事情を聞き、奥のお蝶を呼んでくるように言い付ける。
奥から出て来たお蝶役の小雁座長。
次郎長親分達の名前を語った小雁座長に、怒る小政。
「政、待たないか!」と現れる大政役のけつ之助の次郎長親分。
そして、珍竹林達を始末し、
「このお金で座員を集め、立派な劇団を立ち上げて下さい。」と自らの財布を小雁座長に差し出す。
「清水港に帰ろうぜ。」
お蝶、小政を伴い帰って行く次郎長親分。
客席を巻き込んでの楽しいお芝居でした
口上
お蝶役の芦屋小雁座長*大和みずほ座長
⑦へ続く…