⑥より続き…
2部 お芝居 (清水次郎長外伝)生きたり死んだり
他劇団では、「長屋の夜話」に似たお芝居。
*配役*
清水一家
親分 次郎長*兜獅子丸花形
子分 法印大五郎*葵政次座長
子分 桶屋の鬼吉*優伎座 市川英儒座長
大家*美奈月好次さん
鉄*兜猿丸さん
鉄の女房 お松*孔槻麗華さん
女郎*美鈴華梨さん
町人*兜蛇々丸さん
町人*兜たつやさん
*あらすじ*
1幕:桶屋の鬼吉の家
鬼吉の家に居候している法印。
法印が留守をしている間に、魚屋は「魚代を払わない。」と、女郎は「ただ乗りした。」と、何人もの借金取りがやって来る。
鬼吉は、「自分が何とかします。」と、借金取り達に、一旦は帰って貰う。
そこへ、戻って来た法印。
鬼吉は、借金を返すように言うが、博打で負けて、返すお金は持っていないと言う。
「こんな事が、次郎長親分に知れては、怒られる。
親分の耳に入るまでに、俺達で何とかしなくてはならない。」と思案する鬼吉。
そして、法印に、「死んだ振りをしろ。」と言う。
香典を集めて、借金を返し、鬼吉がお経を唱えたら、そのご利益で、生き返った事にすると言う算段だった。
「誰が来ても、絶対に、戸を開けないように。弔いの用意をしておくように。」と、法印に言い付けて、次郎長親分の許へ向かう鬼吉。
2幕:清水次郎長一家
鬼吉は、次郎長親分に、「法印が、ぽっくり病で死んだ。」と嘘を付く。
驚いて、法印の許へ向かおうとする次郎長親分。
それを制するように、「親分が来ると、他の人も大勢やって来る。
そうなると、床が抜けて、家が壊れるかもしれない。
自分が一人で、立派な弔いを出します。
親分は、香典だけ集めて欲しい。」と言う鬼吉。
帰って行く鬼吉を見つめ、「こいつは、一番、裏がありそうだな。」と呟く次郎長親分。
3幕:桶屋の鬼吉の家
法印が、鬼吉の帰りを待っているところへ、大家がやって来る。
「誰が来ても、絶対に、戸を開けないように。」と言われていた法印だったが…
何度も戸を叩かれ、「うるさい!」と、戸を開けてしまう。
家の中の様子を見た大家に、「鬼吉は、ひっそり、ぽっくり病で死んだ。」と嘘を付く。
そして、「絶対に誰にも言うな!」と脅かし、帰らす。
鬼吉が、戻って来て、「戸は開けなかっただろうな?」と確認すると、「大家がひつこく戸を叩くから開けた。」と、経緯を話す法印。
法印が死んだと聞きつけた借金取り達がやって来る。
死んだ振りをしている法印への香典を置き、帰って行く借金取り達。
鬼吉の家の前で、様子を見に来た次郎長親分と、供養にとお酒を持って来た大家とが鉢合わせる。
大家は、鬼吉が死んだと言い、次郎長親分は、法印が死んだと言う。
一人ずつ様子を見に行く事にする。
大家が戸を開けると、鬼吉が死んだ振りをする。
次郎長親分が戸を開けると、法印が死んだ振りをする。
埒が明かないので、二人同時に戸を開けると、二人共死んだ振りをする。
次郎長親分に、「起きろ!」と、一喝される鬼吉と法印。
鬼吉は、次郎長親分に、事情を打ち明ける。
「俺が帰ったら、きついお灸を据えてやる。
もう、生きたり死んだりするんじゃないぞ。」と言う次郎長親分。
鬼吉と法印の掛け合いが、可笑しくて!可笑しくて!
久し振りに、大笑いしました
楽しいお芝居でした。
口上
法印大五郎*葵政次座長
兜たつやさん
⑧へ続く…