前日に引き続きの観劇。
この日は、2部構成で、お芝居からの開演でした。

1部 お芝居涙橋
他劇団では、「泪橋」「戻り橋」「涙の戻り橋」

*配役*
世直し小僧 お民*姫川寿賀座長
お民の幼少時代*竜虎(りゅうたいがー)さん
スリの元締 三郎太*姫川小代美さん
三国武士 キムタク(キムチ タクアン)*姫春之助座長
巡邏*姫春之助座長(2役)
巡邏*姫川れいかさん
車茶屋の女 楓*光栄座 夢乃楓さん
甘酒屋 佐平*二代目 姫川竜之助総長
佐平の息子 門太郎*劇団鷹ノ羽 梅沢菊之助座長


*あらすじ*
佐平は、5才のお民を連れ、戻り橋の袂へ。
「お母ちゃんに会いたいか?」
「会いたい」
「お母ちゃんの所へ連れて行ってやる」
お民を道連れに、川へ身を投げようとした時、
「お父ちゃん恐いよ。お父ちゃん恐いよ。」とお民の泣き声。
お民を道連れにしてはいけないと思った佐平。
「お腹が空いたろう。何か食べたい物は?」と聞く佐平に、「人形焼き」と答えるお民。
佐平は、地面に円を描き、
「人形焼きを買って来るから、ここから絶対に出てはいけない。」と言い残し、その場を後にする。
何かを感じたのか…
出てはいけない円の中で、身を乗り出し、「お父ちゃん、お父ちゃん」と泣き叫ぶお民。

日も落ちた頃、三郎太が通りがかる。
「お父ちゃんは?お母ちゃんは?」と聞くと、「いない」と答えるお民。
お民の胸元の書き物で、捨て子と分かった三郎太。
「おじちゃんの家に行こう。」と、お民を抱き上げる。
「お父ちゃんが良い…」と抵抗するお民の草履の片方が脱げ落ちた。

自分一人でも、死に切れなかった佐平が、慌てて「戻り橋」に戻って来る。
だが、そこにはもう、お民の姿はなかった。
あったのは、片方の草履。

20年が経った。
いつか、お民に会えるかも…と、「戻り橋」の袂で、甘酒屋を営む佐平。
何やら騒がしいと思ったら、世直し小僧の捕り物だった。
十手持ちの佐平の息子の門太郎がやって来て、
「世直し小僧は、男ではなく、女だった。
六連発のピストルを持っている。
危ないので、もう店は閉めて帰った方が良い。」と言う。
「分かった。火を落としたら帰る。」と言い、先に門太郎を家へ帰らせる。

そこで、佐平とぶつかった女がいた。
佐平が、世直し小僧かもと警戒すると…
「捕り物は向こう側であって、自分は、佐平の後ろから来た。」と言う女。
甘酒屋の屋台を見て、甘酒を1杯頼む。
「火を落としてしまったので、ぬるくなってるかもしれないが…」と佐平が言うと、「猫舌だから…」と言う女。
美味しい甘酒に、女が言う。
「こんなに美味しい甘酒だったら、もっと人通りの多い場所で店を出せば良いのに。」
佐平は、「戻り橋」、この場所でなければいけない分を聞いてもらう。

佐平の話に、子供の生まれ年、名前を聞いた女。
驚き、持っていた甘酒の入った湯呑茶碗を落としてしまう。
女は、佐平の娘のお民だった。
お民は、「似たような話がある。自分の話も聞いて欲しい。」と言う。
スリの元締の三郎太に育てられた事…
世直し小僧と呼ばれている事…
戻り橋での状況が同じ事から、「それでは…お民か…」と、尋ねる佐平。
お民は、「自分を捨てたのはお母ちゃん」と嘘をつく。
お民が帰ろうと、お金を払おうとするが、財布が見当たらない。
3日後に来るから、それまでは、これを預かっていて欲しいと、煙草入れを差し出す。
その煙草入れは、自分で作った物。
表地は、少ないお小遣いを貯めて買い、裏地までは買うお金がなかったので、父親に捨てられた時に着ていた着物を使ったと…
「絶対に、中は見ないで。
でも、もし、自分が死んだと知った時には、見ても良いよ。」
そう言って、帰りかけようとしたなら、巡邏達に囲まれていた。
その中には、門太郎の姿もあった。

ピストルを門太郎に向けるお民。
だが、佐平の息子の門太郎だと知ると観念し、お縄になる。
門太郎は、佐平に、「水が欲しい」と言う。
「こんな時に…水ぐらい、自分で…」と言う佐平。
しかし、それは、門太郎の気遣いだった。
自分の所へ持ってきた水を、「(お民に)飲ませてやりたいんだろう?」と言う門太郎。
縄を引き寄せ、お民を引き寄せ、水を飲ませる佐平。

引かれて行こうとするお民は、思い余って、「お父ちゃん」と叫ぶ。
佐平は、「お民なんだろう?」と…
20年前の残された片方の草履を胸元から出し、お民に見せる。
「お民!」と叫ぶ佐平。


「喧嘩屋五郎兵衛」と同じくらい当たるこのお芝居。
私は、余り好きとは言えないお芝居です。
でも、幕開けの「お父ちゃん恐いよ。」から、泣かされてしまいまいた。
後半は、総長と寿賀座長の二人芝居。
ずんずん引き込まれました。
草履の使い方とか…
演出が凄いなぁと思いました。
新生劇団春の涙橋、観劇出来て良かった。


口上
巡邏*姫春之助座長



三国武士のキムタク役の時は、面白メイクで、
笑わせて頂きました爆笑

②へ続く…