①より続き…

お芝居からの開演でした。

1部 お芝居地蔵の宇野吉
*配役*
宇野吉*梅田英次郎若座長
宇野吉の父*若園たくまさん

悪親分*梅田龍扇座長
子分*坂上翔次さん

芸者お吉*小倉ありささん
茶店の亭主*劇団冨士川 冨士川星矢さん

小金井小次郎*伍代孝雄さん

*あらすじ*
行方知れずの息子を捜しながらの巡礼の旅をしている盲目の父。
茶店の亭主にその事を話したなら、
「息子と分かる印は?」聞かれ、
「背中に地蔵の彫り物が…」
「着物を脱いで見せて貰う訳にはいかない。名前は?」
「宇野吉」
そして、父は、33番目の巡礼地に向かう。

茶店にやって来て、ひとり酒を飲む小金井小次郎。
そこへ、やくざの男がやって来る。
その男こそが、「宇野吉」
宇野吉は、女が川に身投げしようとするのを助ける。
女は、芸者のお吉と言い、恋仲のせいさんがいた。
そのせいさんが、身請けの10両を送ってくれたが、やくざの親分が、身請けを承知してくれず、足抜けしたが、その10両のお金も失くしてしまい身投げしようとしていた。
事情を聞いた宇野吉は、
「10両あったら死なずに済むんだろ?
俺がなんとかしてやる」と…
そして、ひとり酒を飲む男が小金井小次郎と知らず、難癖をつけ、お金を巻き上げようとする。
「10両で、人の命が救えるなら…」と呟きながら、宇野吉にお金を差し出す小金井小次郎。
宇野吉は、10両をお吉に手渡し、追っ手が来る前に、早くここを去るように促す。
お吉に、「せめてお名前だけでも」と聞かれた宇野吉は…
「清水次郎長では、(自分に)貫録がなさすぎるからなぁ。小金井小次郎!」と、名乗ってしまった。
それを聞いた小金井小次郎は、
「人の名前を名乗る不届き者!本当の名前は?」
「宇野吉」…
その名前を聞いた茶店の亭主は、宇野吉の父が今しがたここにいた事、33番目の巡礼地に向かった事を告げる。
あわてて追いかけようとする宇野吉に、「この落とし前はどうつける?」と迫る小金井小次郎。
宇野吉は、落とし前に、手の小指を切り落とし、父を追いかける。
その後ろ姿に、「なかなか、見どころのある奴」と呟く小金井小次郎。

やっと出会えた父と息子。
しかし、つかの間の再会だった。
お吉の追っ手のやくざの親分に斬られた宇野吉。
宇野吉は、お吉に、
「自分に代わって、おとっつぁんを、故郷まで連れ帰り、ひと月、それが長ければ10日でも…
それでも長ければ、せめて2、3日、身の回りの世話をしてくれないか?」と頼む。
お吉は、自分の為に、こんな事になってしまった宇野吉に、
「2.、3日とは言わず、娘として、一生面倒見させてもらいますよ」と約束する。

小金井小次郎は、宇野吉に、
「名もないやくざで終わるか、自分の子分として終わるか…」と尋ねる。
宇野吉は、子分にしてほしいと。

もう、虫の息の宇野吉に、小金井小次郎は、
「とっつぁんを見送れるのは、お前だけだ」と言い、棒を差し出す。
最後の力を振り絞り、その棒にすがって立ち上がる宇野吉。
遠ざかる父に、「おとっつぁん!」と…


宇野吉のおとっつぁん役の若園たくまさん。
16歳との事。
目は見えなくても、これが宇野吉との永遠の別れと悟ったのか…
手拭を口に噛みしめ、肩を震わせ嗚咽する演技に、客席から大きな拍手が…


口上
宇野吉*梅田英次郎若座長




茶店の亭主*劇団冨士川 冨士川星矢さん




子分*坂上翔次さん




お吉*小倉ありささん




一発芸
ムカデ*坂上翔次さんアハッ




ムカデとゴリラとゴリラ*お三方笑


③へ続く…