二人目天使のこと。
読んでいただきありがとうございました。
この記事は2010年11月に死産となった二人目天使の出産記録です。
一般公開記事の再投稿です。
二人目天使の名前は『かなた』です。
私がかなた君からもらった大きなプレゼント、それは意識ある中での出産です。
大切な思い出、気持ちを記録しておこうと思います。
出産の2日前に入院して子宮口を拡げる処置を2日間かけて3回行いました。
私は流産の時、この処置で気を失ったのですごく怖かったです。
そして3日目に陣痛を起こして分娩というスケジュールなのですが不思議と分娩の朝を迎えた時は私の気持ちから『怖い、逃げたい』と言う気持ちは消えてました。
朝8時半に分娩室に入り陣痛を起こす薬を使い、そのまま分娩室で陣痛が始まるのを待ってたのですが旦那ちゃんと一緒にいられて悲しくなりたくなかったので楽しいお話をして過ごしていたけど…。
隣の分娩室が慌ただしくなり分娩が始まりました。
陣痛で苦しんでる妊婦さんの声、助産師さん、先生の声、嫌でも全てが私達の耳に入り残酷だとその時思いました。
それでも妊婦さんの辛そうな声が続くと思わず
『がんばれ』って小声に出している自分がいました。
そして赤ちゃんの元気な泣き声と助産師さんの
『赤ちゃんは元気いっぱいですよ』
の声に私達二人思わず泣いてました。
でもただ羨ましいという気持ちだけの涙ではなかったです。
ドラマでもない現実の出産シーンに感動と赤ちゃんが無事に産まれたことに安心した気持ちでいっぱいでした。
旦那ちゃんも同じ気持ちだったようです。
不思議ですね。自分達はこれから悲しい出産をするのにこんな気持ちになるなんて…。
私の方は軽い陣痛が始まっていたけど促進剤2回目が入りすぐに強い痛みに変わりお話はできなくなって旦那ちゃんが
『先生呼ぼうか?』
って何度も聞くけど子宮破裂の痛みを覚えていた私はこのぐらいの痛みじゃまだまだ時間がかかると思って拒否しました。
看護師さんも
『夜になる場合もある』
って言っていたので時間がかかることは覚悟していましたが…
強い痛み、でもまだまだ我慢できる痛みと思ってた陣痛でいきなり破水。
旦那ちゃんは分娩まで見届ける覚悟をしていたらしいけど外に出されてしまいました。
私は呼吸法もいきみ方も知らなくて、でも破水後は嘘のように痛みがなくなり、いきむ間もなくかな君が出てくる圧迫感に途中『うっ…』って腰が上がったけど呆気なく出てきてびっくりでした。
12時15分
かな君は本当に私に優しい産まれ方をしてくれました。
胎盤を掻き出すには子宮口がそこまで開いてない為、すぐに静脈麻酔で眠らされての処置になりました。
処置が終わり麻酔がある程度覚めるまでそのまま分娩室で旦那ちゃんと過ごしました。
私は意識がボーっとしてて眠ったりしゃべったり…。
『もう終わったの?赤ちゃんは?』
って何回も確認していた気がします。
そして吐き気…。
胃に何も入ってないのにずっとオエオエしてました。
胃液も吐ききってそれでも治まらず旦那ちゃん良かれと思って背中擦ってくれるけど出るものないから余計にエアーオエオエが止まらなくて。
私がかなた君の出産で辛かったのは麻酔後の気持ち悪さだけでした。
(頭痛、吐き気)
あれだけ逃げだしたくてしょうがなかった意識ある中での出産のはずだったのに今は初めての陣痛、破水、赤ちゃんが私から出てくる産むという感覚、全てが貴重で大切な思い出です。
子宮破裂や帝王切開している私は一生経験することはないと思ってました。
私にとって『辛い、悲しい、逃げたい』と言う気持ちを一瞬にして一生残る素敵な思い出に変えてくれました。
かなた君がくれた大切な大切なプレゼントです。
共に生きていくという夢は叶わなかったけど、ありがとうという気持ちでいっぱいです。