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ムロっちのブログ

G1レースを中心に、開催コースと過去のレース傾向を分析し、出走馬の臨戦過程から有力馬をピックアップします。

宝塚記念(G1阪神芝2200m)

✅開催コース

 阪神芝2200mは非根幹距離の内回りコースで、スタート地点は外回りコースの4角出口付近、1角までが525mと長く、出していけば外枠でも先行が可能。1角までの先行争いからテンはM~Hペース、1〜2角でペースは落ち着いて向正面では淀みなく流れ、急カーブの3角を過ぎて前を向いて押し上げ易い3~4角中間でペースが上がるので、スピードよりもバテないスタミナが要求される。

 

✅レース傾向

▼2017年は時計の掛かる稍重馬場で、シュヴァルグランが逃げてテンはややSペースだが、3人気のサトノクラウンが8枠から中団追走し、5F過ぎから好位のキタサンブラックの後方まで押し上げて、流れをペースアップさせ息の入らない逃げ・先行勢総崩れの展開を演出すると、自身は抑えて中団まで下げるM.デムーロ騎手の好騎乗で、4角外を回して上がり最速タイで大外からしっかり伸びて0.1秒差の勝利。4人気のゴールドアクターが内枠から控えて中団の内目を立ち回り、上がり最速タイで内0.1秒差の2着。5人気のミッキークイーンが控えて後方から、上がり3位で外から追い込んで0.3秒差の3着。

▼2016年は稍重馬場だが実質重と言えるタフな馬場で、キタサンブラックが逃げて馬場を考慮すれば実質Hペースの淀みのない減速ラップを刻む底力勝負の消耗戦、キタサンブラックが抜け出し粘ったが、8枠から中団の後ろ追走し、外から差した牝5歳8人気のマリアライトが上がり2位で差し切り勝ち、キングカメハメハ産駒で1人気のドゥラメンテがマリアライトを上がり最速で追いかけてクビ差2着、逃げ・先行勢で唯1頭粘った2人気のキタサンブラックが3着。

▼2015年はレッドデイヴィスが逃げて、中盤の第2ブロックでペースを落とし1000m通過が62.5秒のSペースで、ラスト4Fからペースを上げてのロングスパート勝負。8枠から番手追走の6人気のキングカメハメハ産駒ラブリーデイが直線半ばで抜け出して押し切り勝ち、後方の内で溜めて直線で末脚を爆発させた牝5歳10人気のデニムアンドルビーが上がり最速で追い込んで2着、内枠から内の好位で脚を溜め直線も最内を突いた牝4歳11人気のショウナンパンドラが3着。

▼2014年はヴィルシーナが逃げて第1ブロック~第2ブロックにかけての3~5F目でペースを落とし、次の2F区間で上げる絶妙のペースコントロールで1000m通過が62.4秒とSペース。後方勢が差を詰めるスキがない形で6Fロングスパート勝負に持ち込み、8枠から出遅れ好位にリカバーしていた1人気のゴールドシップが、しっかりと仕掛けて上がり最速で抜け出して完勝。3番手追走の9人気カレンミロティックが2着、逃げた牝5歳8人気のヴィルシーナが3着に粘り、先行勢圧倒的有利な競馬で前残り、内を上手く立ち回った馬が穴を開ける結果に。

▼2013年は良馬場発表だが渋ってタフな馬場で、単騎で逃げて1000m通過58.5秒のシルポートを除けば、実質逃げ馬のダノンバラードの1000m通過が61秒程度とMペースで淀みのない流れから、長く良い脚を要求される底力勝負になり、8枠から好位追走し終始ジェンティルドンナをマークした2人気のゴールドシップが、3角から強引に仕掛けて押し上げ、上がり最速で直線突き抜けて勝利。5人気のダノンバラードが2番手から2着に粘り、ディープインパクト産駒で1人気のジェンティルドンナは8枠から3番手追走も伸びずに3着まで。

 

☑️まとめると

・展開次第の面もあるが、阪神芝2200mは梅雨時期の最終週で荒れたタフな馬場で、基本的には3~4角中間でペースが上がってのロングスパート勝負になる。

・上がり最速馬は[4-2-0-0]と毎年連対しているが、差し馬には機動力とポテンシャル両方が要求されることになり後方一気は厳しく、スタミナのある逃げ、先行馬の好走も目立つ。

・外枠でも出して行けば先行できるコース形態と最終週で荒れたタフな馬場から、馬場の荒れていない8枠馬6頭が馬券になっている。 

・1人気馬は[1-1-1-2]、2人気馬は[1-0-1-3]と馬券的に絶対的信頼はなく、連対馬が1・2番人気馬同士で連決着した年はない。連対馬は上位人気馬と中穴馬の組み合わせになる傾向である。

・牝馬は[1-1-4-7]と馬券になった馬15頭中6頭が牝馬でそのうち4頭が人気薄馬で、人気薄の牝馬は抑えておきたい。

・血統的にはタフな馬場で内回りの非根幹距離レースということから、馬券になった馬15頭中7頭がディープインパクト産駒だが内5頭は、キレよりも母系が重めのタイプ。あとはステイゴールド産駒、キングカメハメハ産駒が2頭づつと、残り2頭はマルジュ産駒、スクリーンヒーロー産駒、ハーツクライ産駒とディープインパクト全兄のブラックタイド産駒で、適性が重要になる傾向が出ている。

 

✅予想

 今年の阪神芝コースは先週が超高速馬場だったが、週前半と土曜日の雨で一気にタフな荒れ馬場になった。日曜日は晴れて乾き良馬場になってもタフな馬場での開催となる。

 

 本命は◎サトノクラウン(石橋脩)マルジュ。2016年香港ヴァーズは渋った馬場で凱旋門賞2着馬ハイランドリールを差し切ってG1初制覇。昨年の宝塚記念は時計の掛かる稍重馬場で、テンはややSペースだったが5F過ぎから本馬がキタサンブラックの後方まで押し上げ、流れをペースアップさせて息の入らない逃げ・先行勢総崩れの展開を演出すると自身は抑えて中団まで下げ、4角外を回して上がり最速タイの35.4秒で大外からしっかり伸びて0.1秒差の勝利、M.デムーロ騎手の好騎乗も光った。4走前極度の道悪不良馬場の天皇賞秋は、Mペースを中団から2番手まで押し上げ、直線で内からしぶとく伸びてキタサンブラックにクビ差の2着と時計の掛かる馬場で強さを見せているが、良馬場で行われた過去の天皇賞秋では2015年17着、2016年14着とキレ勝負で惨敗しており、時計の掛かるタフな馬場で活きるパワーとスタミナ持久力が武器のタイプ。3走前のジャパンCは内有利な馬場で、Sペースだが淀みのない立ち回り勝負を外枠からスタート一息で後方追走し、外からじわじわ進出するも上がり14位で伸びずに10着、2走前の有馬記念はSペースの立ち回り勝負を外枠から中団の後ろ追走し、上がり9位タイで流れ込んで13着、前走のドバイシーマCも立ち回り勝負で7着と、この3戦は天皇賞秋で好走の反動がある状態での続戦と初のドバイ遠征での苦手な立ち回り勝負。今回は海外帰り初戦だがノーザンファーム生産馬+堀厩舎で心配なく3ヶ月の休み明けリフレッシュした状態、得意条件の時計の掛かるタフな馬場でパワーとスタミナを活かせる持久力勝負。極端な馬体重減がなければ状態面も上がっていそうでチャンスあり。

 

 対抗は◯ワーザー(ボウマン)タヴィストック(父モンズーン)。戦績は30戦で[10-8-5-7]だが、馬券に絡んでいないのは全てマイル戦かそれ以下の距離で、前走シャティン1600mのライオンロックTも斤量60キロでマイルのスピード勝負で6着はノーカウントで良い。芝2000m〜2500mでは[7-5-2-0]と、追われてじわじわ伸びる長く良い脚で持続力を発揮して全て馬券に絡んでおり安定感がある。実績・能力的に日本勢に劣ることはなく、今回の時計の掛かるタフな荒れ馬場で外枠13番もプラス材料で、調教後馬体重が20キロ減で当日馬体重には注意が必要だが、5番人気なら2・3着狙いで買う価値はある。

 

 単穴は▲パフォーマプロミス(戸崎)。父ステイゴールド×母父タニノギムレット。宝塚記念の好走血統ステイゴールド産駒で母父はロベルト系のタニノギムレットならタフな馬場でパフォーマンスを上げて来る。準OP昇級後は勝ち切れないレースが続いたが、3走前中山芝2500mのグレイトフルSではSペースを好位の内から、外へ出されると上がり2位でジリジリ伸びて0.1秒差の勝利。2走前京都芝2400m日経新春杯はSペースを内ラチ沿いの3番手から、上がり最速で鋭く伸びて勝利。前走東京芝2500mの目黒記念は4か月半の休み明けで、淡々とした流れを中団の前目から上がり5位タイで馬群の外からじわじわ伸びて0.1秒差の3着。芝2000〜2500mで[4-2-2-2]、非根幹距離の芝2200・2500mに限定すると[2-0-2-1]で2勝とも鞍上は戸崎騎手。

 

 特注馬は☆ダンビュライト(武豊)。父ルーラーシップ×母タンザナイトで血統的に重馬場OK。昨年のクラシック3冠では全て武豊騎手騎乗で、キレないがバテないポテンシャルの高さで堅実な走りを見せている。3走前中山芝2200mのAJCCはM.デムーロ騎手で、Mペースで逃げるマイネルミラノの2番手から、上がり6位の35.4秒で直線で抜け出してミッキースワローに0.3秒差の押し切りで重賞初制覇。2走前阪神芝2000mの大阪杯は浜中騎手で、Sペースを好位から、上がり7位タイの34.5秒で追うも伸び切れず0.6秒差の6着は仕掛けが遅かった。前走クイーンエリザベス2世Cは2番手から先行勢総崩れの展開に失速して7着だが、14キロの馬体重減で走れる体勢ではなかった。今回は海外帰り初戦だが状態は良く、鞍上が武豊騎手に戻るのもプラス材料で、稍重以上では[1-1-1-1]馬券に絡めなかったのも超不良馬場で距離も長かった菊花賞で早めに捲って5着のみ、渋った馬場で先行し4角2・3番手から持続力を発揮すれば好勝負。

 

 穴推奨は★スマートレイアー(松山)父ディープインパクト×母父ホワイトマズル。5走前京都芝2400mの京都大賞典は開幕週の内有利な馬場で、Sペースを後方追走し4角14番手から内をロスなく立ち回って中団まで押し上げ、上がり最速の33.4秒で馬群を縫って追い込みトーセンバジルに0.1秒差の差し切り勝ちと牡馬の一線級相手に高いパフォーマンスを見せており、8歳牝馬だが加齢とともに母父ホワイトマズルのスタミナが発現しキレ味よりもタフな馬場向きの末脚になってきた印象。持久力勝負の展開になれば出番はある。

 

◎⑨サトノクラウン

○⑬ワーザー

▲⑦パフォーマプロミス

☆⑧ダンビュライト

★⑭スマートレイアー

△⑯キセキ

△⑩ヴィブロス

△③サトノダイヤモンド

△⑮ゼーヴィント

△①ステファノス

△②ノーブルマーズ