東京都美術館で開催している「マティス展」へ行ってきました。
2023/4/27(木)-8/20(日)
9:30-17:30
金曜日は20:00
人々を癒す肘掛け椅子のような絵を描こうとしたマティスの展覧会です。
しかも日本では20年ぶりの大回顧展というから、気分がよくなる展覧会に違いない。
天気予報では37度になると発表されているから、暑さが気になる。
暑くなる前に行けば大丈夫だろうと、10時~11時の時間帯で予約して会場へたどり着いた。
早い時間帯にしたつもりなのに、すでに長蛇の列ができていた。
みんな考えることは同じだ…。
マティスが好きで暑さを避けてきた人たちが、こんなにいるなんて驚きだ。
混雑を避けるための時間指定入場なのに、やっぱり並ぶんだ…。
会場に入っても人が多い。人をかき分けて作品を見ていた。
それでも最前列で見ることができた。
綺麗な色があふれて明るい気分にしてくれたし、デッサンは流れるような滑らかな線で描かれて気持ちがいい。
でも、そんな作品ばかりではなかった。
「コリウールのフランス窓」は、薄く濁り気味な壁の色に囲まれた窓の外は暗闇だった。
第2次大戦がはじまったころの作品だという。
明るい作品が多いなかでドキリとさせる暗い絵だと思う。
戦争はマティスの作品をも暗くしていた。
そして、マティスが常に実験しようという姿勢を持っていたことがわかる作品にも、興味が涌いた。
「背中Ⅰ」「背中Ⅱ」「背中Ⅲ」「背中Ⅳ」
会場に並べられたこの4作品は、3年から4年ごとに同じポーズで作成されたブロンズ彫刻だ。
同じポーズだけど年月が経つと、だんだん簡素化している。
最後は背中だとわかるギリギリの形で作っていた。
ギリギリを攻めている!
そのギリギリの形を絵にしていたのかなぁと思うと、なんて贅沢な探求の仕方で研究した人なのだろうか。
「コリウールのフランス窓」の真っ黒な窓の外を描いた絵を見たから、色彩に溢れた絵の明るさがいっそう眩しい。
会場の最後には、明るい色彩の切り絵「ジャズ」シリーズが展示されていた。
病気でも創作を続けて生まれた「ジャズ」。
絵よりも格段に明るい色で溢れた切り絵と、不屈の姿勢が心に残る。
きっと多くの人が癒されている。