ようやく春が近づいてきたかな?と思いきや、連日の雨でまた寒さが戻ってきた。
花粉が落ち着くのはいいことだけど、気温の変化が激しいと体調だけじゃなくてメンタル面も落ち込んでくるし、
何より普通に雨の日が続くことが嫌だ。気が滅入るから。
だからこそ晴れた青空が大好きなんだけど。
3月の半ばまでは、年に一度の趣味のイベントとメンタルヘルスマネジメント検定が重なって毎日ひぃひぃ時間に追われながら生活していたけど、
どちらも無事終わって時間に余裕ができたので、1月に買ってそのままにしていた「チーズはどこへ消えた?」をやっと読んだ。
SNSでおすすめの本を調べると結構な確率で出てくるこの本。
世界的なベストセラーと聞くと逆に「めちゃくちゃ難しい内容なのでは……?」「やたら話が長いのでは……?」と尻込みしていたけど、
書店で見かけたら意外に薄くてすぐ読み終えられそうだったので買ってみた。
あらすじだけ見るとネズミと小人の話だけなのかと思いきや、まず裏話から始まって、この物語の持つ影響力がいかに絶大なものかを熱く語られる。
感覚的には深夜の通販番組みたいな感じ。
あれって買う気はないはずなのに妙に欲しくなったり、紹介されている商品がとんでもなく素晴らしいものに見えたりするよね。
逆にここまで力説されると胡散臭いなあ、と思いながら読み進めると、今度はこの物語をある人間がクラスメイトに語り出すシーンに入る。
思っていたより本筋に入るまでの道のりがある。長くはないけど、ある。
けれど、この導入の部分に出てくる登場人物たちが全員何らかの変化を抱えていて、誰かしらが読み手とリンクしそうだった。
この導入を読んだ上で本筋、ネズミと小人の話を読むと、この本が描いている内容をぐっと身近に感じられた。
ネズミと小人の話は詳しくは書かないけど、変化を恐れている側の気持ちがよく分かる。
実際私も変化は怖い。可能な限りぬるま湯というか現状維持で生きていきたい気持ちがある。
けれど、変化に対する恐怖を乗り越えて前進する小人を見ていると、私もワクワクしていた。
「もし恐怖がなかったら、何をするだろう?」
この本を読んで一番印象に残ったのがこの台詞。
今のぬるま湯がなくなるのが怖い、現状が維持できなくなるのが怖い、変化が怖い、
つきまとう恐怖を、そもそも「それがなければどうするか?」と考える視点がなかった。
勿論前後の話があってこの一節が活きてくるんだけど。
ネズミと小人の物語はとても短かったけど、私も閉塞感を突破して何かを達成できたような読後感を味わえた。
味わった気になって終わらせないようにするために、何度でも読み直そうと思った。
私も、変化に適応するための準備を始めたい。
読んで良かった一冊です。
おしまい。