石川五右衛門の時の口上に於ける

 

たつみ座長

 

口上スタートしようとした直後、開いて行った幕が下手で、トラブル?

客より、真っ先に気付いたのがタツミ座長。

 

ワッ! うそ、うそ~!と、立ちあがり

 

舞台の、ここに設置してある照明器具に、ロープが引っかかって

ゴロンと、転がりそうに・・・・

翔さんが出て来て、慌てて何するものの・・・

照明器具は、でんぐり返りそうになるばかり

「そこだよ、そのヒモが、からんで・・・」

と、言っても・・・直らない。

 

 

「ほら、ここを・・・・」

と、たつみ座長、自ら手を・・・

そしたら、たちまち 絡んでいたロープ複数本が

きちんと直り、照明器具も無事。

 

 

そう言えば、25日だったかな・・・

お芝居 「お染久松」 の時・・・

 

山家屋清兵衛役 のタツミ座長。

座敷の中央、やや奥に座っての場面で、

玄関の引き戸が少し開いたままになっているのに気付き、

 

嫁菜売りの久作役 大蔵祥さん に、

セリフの様に言ったっけ

 

「その戸が開いたままですよ。」

言われた大蔵さんが、引き戸を閉めるが、

 

「左右が逆だ」

やり直したら、途中で引っかかったのか

動かなくなった。

力を入れて、ンーー!ンーー!!と

やっても、ビクともしないのが客席からも

わかりました。彼が

たつみ座長の方をチラッと振り返り

「動きません」 と言う風に・・・

 

これまた芝居の中の動きの様に

山家屋清兵衛として微笑しながら

座敷を降りて来ると、

そっと引き戸に手を当てて、ちょっと

動かしたら、すぐに引き戸は

スッと閉まった。

 

 

 

以前も書いたかもしれないが、横浜三吉劇場で

「花盛り高田の馬場」の時、

セットの塀(結構な大きさ)が、誰かが

ぶつかった衝撃で、倒れ掛かった。

座ったまま、それを手で押さえた○○さん。

押さえきれんだろうに・・・と、思った瞬間

タツミ座長が、さっと立って、アッと言う間に

その塀を元へ立て直して、留め金部分を

タン、タン、タン!!と、留めてしまった。

 

そして何事もなかったかの様に、芝居は進行。

 

今、何が起きたの?と、唖然とするばかりの

早ワザだった。

 

 

イヤ~、座長ってすごいのね~

と言うか、何でも出来ないとダメなんだな~。

ウ~ン、たつみさんて、すごい人!!と、

痛感しました。