ベトナムの人達は盆栽の達人が多いようです。今回ハノイの植木の業者を3軒訪問したのですが、庭木にも相当お金をかける人達が多いようで、日本の植木も中国経由でかなり高価な樹木が売られている事が分りました。日本との検疫の関係で、直接日本からベトナムへの生きた庭木の輸出が出来ないのが現状で、ほとんど一旦中国へ輸出して、そこからベトナムへ入るようです。数百万円の庭木がお金持ちの庭に買われていくそうですよ。さて盆栽ですが、ベトナムで盛んなのは非常に大きな盆栽で、日本で見慣れている盆栽とはだいぶイメージが違います。巨大な鉢に大きな松や槙を育てて、それを余り大きく伸ばさずにクネクネと曲がりを作ります。この曲がりは架空の神獣「龍(ドラゴン)」をイメージしていると言うのは、同行した友人の説です。「龍」は幸運をもたらし、守ってくれる存在と信じられていますから、その通り、盆栽も姿を「龍」に似せて仕立てて、その家の繁栄を願うのでしょう。今回訪ねた庭木の販売業者のお宅にも、そして国立博物館の前庭にも、日本人から見ると巨大な盆栽がたくさん展示されていました。
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でも写真でご覧のように、常夏のベトナムで背景の椰子の木と盆栽のマッチングには何となく違和感がありました。でもこれからも経済発展の著しいベトナムでは、若い起業者も多くて、金持ち予備軍がたくさんいますから、今後は日本産の高価な樹木の輸出も新しいビジネスに繋がる可能性が高いですよ。でも日本政府の怠慢で、植物、果物、野菜等々に日本側が高い検疫障壁を外さない為に、ベトナム側も日本からの輸入に検疫障壁を設けてブロックされているのが現状です。原発や新幹線の売り込みに一生懸命の日本政府も、もう少し細かいところでベトナム政府と仲良くできる環境作りに取り組まなければ、相互の取引が発展しませんね。

ベトナムではマンゴー、バナナ、マンゴスティン、ジャックフルーツ等々、日本人が大好きな南洋果物の生産が盛んですが、それらの検疫障壁を出来るだけ早く解決すれば、お互いの貿易量は大きく発展するはずです。