今回のベトナム出張の最大の目的は、取り組んできたベトナム・マグロプロジェクトの次のステップへの進展です。下の写真をご覧下さい。これはベトナム中南部のフーエン(Phu Yen)州で獲れたキハダマグロを解体しているところです。南北に長い海岸線を持つベトナムは、経済水域内に豊かなマグロ資源を保有しています。世界に残った最後の大陸棚漁場と言われるほど漁業資源に恵まれています。しかし、漁業技術や漁船、漁具、そして加工技術、保存技術等が未熟なために、折角の漁業資源を生かしきれていません。特に豊富な漁場であることが、この1年の試験操業で分っているキハダマグロに関しては、まだまだ全くと言って良いほど生かすことが出来ていません。そこで日本の進んだ捕獲技術、保蔵技術、加工技術を導入して、品質の高いキハダマグロを世界の市場、特にマグロの大量消費国である日本の市場に提供し、地域の漁民の生活向上と生活安定に寄与しようと言うのが、僕たちがベトナム政府と組んで進めてきた「ベトナム・マグロプロジェクト」です。今回はハノイ国立大学の外国投資研究センター所長のタン博士も同行し、南部のブンタウ(Vung Tau)州、その北のビントゥアン(Binh Thuan)州、更に中南部のフーエン(Phu Yen)州と三つの州を回ってきました。
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解体されたマグロは、流れ作業で、ツナ缶詰用やツナステーキ用に加工されていきます。ほとんどがアメリカやヨーロッパ向けのものです。捕獲した後の保蔵技術が悪いので、日本の刺身やお寿司のような生食用には使えません。従って価格は安いものになってしまいます。それと安定した捕獲が出来ないために、加工工場の採算が合いません。
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そこで、日本の最新の技術を導入するために、現地資本と我々との合弁会社を設立し、捕獲から保蔵、運搬、加工、販売まで、つまり入り口から出口までを、一貫して行なう事となりました。そして、優れた品質のマグロをブランド化して、世界市場で勝負できる体制を作る事となりました。今回は州政府と上記の枠組みに関する覚書に調印し、枠組みを完成させるための作業部会を立ち上げることができました。ケニーのブログ
調印式は、3月の17日の午前10時、州の迎賓館で多くのマスコミを集めて行なわれました。日本側代表として僕が、そして州政府を代表して副知事と州の経済局長がサインをしました。
その後は、恒例の大宴会。昼だと言うのにたくさんのご馳走と、ワインやら、ベトナム焼酎やらのご馳走攻め。僕はお酒が全く飲めませんから、こういう宴会は大の苦手。早々と退散をさせて頂きました。
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州の人民委員会の秘書長のトゥアン女史は伝統衣装のアオザイを着て出席してくれました。男性顔負けの酒豪で、いくら飲んでも大丈夫。僕にも飲め飲めとしきりに勧めるのですが、僕はグラスを持つだけで勘弁してもらいました。
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ベトナム料理には付き物のハーブ野菜の生食。もちろんどくだみもちゃんと乗っています。
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今回は全て海沿いの州ばかりですから、宿泊は海沿いのリゾートホテル。まるでハワイかオーストラリア、フロリダのリゾートのように、設備も整っており、景色も絶景です。仕事ではなく休暇で1週間くらいのんびりしてみたいものです。
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椰子の木とラグーンに囲まれたホテルの部屋。
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レストランもラグーンに面したオープンスペース。気温は38℃くらい有るのですが、海からの風が爽やかで、木陰や屋根のあるところにいれば暑さを感じません。皆さんも是非ベトナムのリゾートを体験してみてください。サービスは良いし、物価は安いし、料理は美味しいし、ゆっくりと休暇を楽しむことが出来ますよ。

では又、次の更新をお楽しみに。