さて、前回のブログで大分県のグルメの旅のご紹介をしましたが、この旅の本来の目的は、大分県の友人の企業家が最近スタートさせた野菜の工場生産の現場を視察させて頂くことでした。最近は野菜も路地での生産から、徐々に農業法人による管理された工場での生産の試みが成功していると言うことです。ここではパプリカの工場生産を行なうと言うことで、オランダから最新の野菜工場の技術を導入し、国からの補助金や低利融資をもらって、第一期工事が完成し、実際に苗の移植が終わったところでした。

パプリカは最近スーパーやコンビニ、あるいはレストランのサラダ等で、ずいぶん見掛けるようになりました。しかし大半がヨーロッパ、韓国、アメリカ等からの輸入品です。もともとパプリカとはコロンブスがヨーロッパに持ち込み、ブルガリアで栽培品種として品種改良が進んだ「トウガラシ属トウガラシ」に属する栽培品種で唐辛子の仲間です。下の写真のように赤、黄、橙色等のカラフルな野菜で、見た目はピーマンにそっくりです。トウガラシ属でありながら、辛味の元であるカプサイシンが劣性遺伝子である種ですから、全く辛味が無くて、肉厚で甘味があります。同様にカプサイシンが劣性遺伝子なのはピーマンやシシトウガラシです。今でもブルガリアがヨーロッパ最大の生産地ですが、アメリカでもテキサスやカリフォルニアで大規模生産が行なわれております。
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さてそんなパプリカを最新の技術で工場生産を始めたとの事で見学に行きました。下の写真でお分かりのように、広い工場の中は、延々とパプリカの苗が定植されておりました。今年の4月から収穫が始まるのだそうです。
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そしてそこで働いてパプリカの苗の世話をしているのは、農業経験無しの女性パートさんでした。レールの上を自走する台車に座って、自動的に移動しながら苗の世話を楽々としていました。かがんで地面に這いつくばってする農作業のイメージは全くありません。
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定植されたパプリカの苗です。
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苗床に植わって、とても元気に育っていました。
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工場の屋根から全ての雨水がこのタンクに集まり、浄水されて工場内に循環し、苗の育成に使われます。
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工場内に循環してきた雨水が、このタンクから苗床に配水されます。
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コントロールルームでは工場内の環境がコンピューター管理で、常時チェックされています。二酸化酸素の濃度を通常の大気より増量して、光合成を促進させるシステムが導入されていました。

この農場見学で、農業に対するイメージが一新しました。従来のきつい、汚いと言うイメージが全く無くて、きれいな環境で軽作業の労働と言う新しい農業のイメージでした。

4月に収穫が始まったら、再度収穫作業の見学に行き、その様子を報告します。楽しみにお待ち下さい。

では又、次回をお楽しみに。