相変わらず円高が進んでいます。政府や日銀の円高対策をあざ笑うかのように円高傾向は止まりませんね。昨日は15年3ヶ月振りに83円台半ばを超えてしまいました。僕の予測は年内に70円台への突入有りですが、皆さんはどう思っていますか。
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先日、この壱万円札の肖像画に使われた「福沢諭吉」先生の曾孫さんと一緒に食事をしました。僕の慶応大学時代の3年先輩です。洒脱な方で、壱万円札の曾孫などと意識せずに気軽にお話の出来る、優しい先輩ですが、別に今の円高進行は福沢先生の責任ではありません。この先輩には良く冗談で、お財布から壱万円札を出す度に、お祖父ちゃんの事を思い出しませんかってからかうのですが、全く意識しないそうですよ。

この際ですから皆さんと一緒に日本の通貨である「円」の歴史を振り返ってみましょう。明治4年5月10日(旧暦ですから1871年6月27日の事です)制定の「新貨条例」によって、日本の通貨は「圓」と定められました。この時に純金1,500mg=1円の金本位制が導入されたのです。何故、金1,500mg=1円なんでしょう。これを建策したのは伊藤博文ですが、当時の米国ドルの1ドル金貨に含有される金の価値と同じ両目が金1,500mgでした。同時に明治政府がそれまで発行していた2分判の2枚分(=1両)に含まれる金含有量と銀含有量の合計と等価値が金1,500mgだったのです。

つまり簡単に言えば、1円=1米ドル=1両と言う訳です。

さて、それでは何故日本国の通貨の単位が「圓(円)」と言う名称に決められたのでしょう。

18世紀頃に、当時の中国にはスペインやメキシコから鋳造貨幣が貿易取引で大量に流入していたのですが、それが銀の鋳造貨幣で[洋銀」と言われ、中国ではその形から「銀円」とも呼ばれていました。この「銀円」が、その名前と共に日本にも流入し、これをまねて日本の通貨単位を「圓(円)」と定めたと言うのが、正しい歴史だそうですよ。

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上の写真がその洋銀(銀円)です。

中国の通貨単位が「元」である事はご存知だと思いますが、この「元」の正式名称は今でも「圓」なのです。しかしこの「圓」の画数が多い為に、より画数が少なく、同音(yuan)の「元」と言うようになりました。韓国や北朝鮮の通貨単位である「ウォン」も実は「圓」の朝鮮語読みです。又、台湾で流通している「ニュー台湾ドル」や香港で流通している「香港ドル」も、その国内名称は「元」ないし「圓」です。

つまり、東アジアの諸通貨は基本的に「圓(円)」の名称を共有していると言う訳です。
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上の写真は、明治政府が貿易決済用に発行した「貿易銀」です。当時の東アジアでは、産出量が少ない金よりも銀が重用されていて、銀の方がより信用力が高かったのです。

2009年3月末時点での日本円(圓)の発行高は81兆4,215億円。この内の日本銀行が発行している円紙幣は76兆8,977億円、財務省が発行している円硬貨は4兆5,237億円。その他に個人や企業が銀行や郵貯銀行やその他の金融機関に預けている当座預金、普通預金、定期預金その他を全て併せて、更にCD(譲渡性預金)等を合算すると円資金の流通量が計算できます。これが毎年日本銀行が発表する日本円の「マネーストック統計」です。

さて、年配の方は「円」の他に「銭」とか「厘」と言う通貨単位を聞いた事が有るでしょう。この「銭」は円の100分の1、「厘」は円の1,000分の1なのですが、これらの補助通貨及び小額紙幣は1953年に「小額通貨の整理及び支払金の端数計算に関する法律」によって、その使用と流通が禁止処分となり、現在は流通されておりません。わずかに、金利計算や為替や株式の取引等で便宜的に使われるだけとなってしまっています。

さて、そこで今日は意地悪クイズを出してみましょうか。お金にまつわる漢字には良く「貝」と言う文字が入っていますよね。これは古代中国である種の貝が通貨として使われていたからです。そこで問題です、次の4つの漢字の音読み以外の読みを教えて下さい。

① 財、 ② 貨、 ③ 購、 ④ 贐

今日は、日本の通貨である「圓(円)」の成り立ちや、その歴史について少し振り返ってみました。

また次の機会に、もう少し掘り下げて「圓(円)」について考えてみましょう。

では又、次回をお楽しみに。

おっとと、クイズの答えでしたね、次まで待てない人の為に教えちゃいましょう。

① たから、 ② たから、 ③ あがな(う)、 ④ はなむけ  ですよ。正解でしたか?