入院3日目より様々な検査が始まります。本日は午後から「腹部エコー」「心電図」「肺活量の測定」など。
これから行われる治療に向けて、体力や他の臓器への影響などを調べるようです。
「肺活量の測定」というと、ずいぶん昔に健康診断で受けた
グルンと回るやつを思い出します。
肺の中の空気を全て吐き切るように、横で検査技師さんが
ずっと声をかけてくれましたっけ。「あれって、けっこう苦しいんだよなぁ。苦手だなぁ」なんて思いながら検査室に入ったところ
デジタル式になっていました。「これは楽そうだ。心配する必要なかったわ」と気軽に検査に臨んだら
...やることは同じでした...。
翌日、本来は8月8日以降に予定されていた『超音波内視鏡検査』と『病理検査』を前倒しで行っていただけることになりました。
先端に超音波を出す機器のついた内視鏡を口から入れ、胃の中から超音波を出して膵臓を観察するのだそうです。その後胃に小さい穴を開けて膵臓の組織を採取するのだとか。
検査当日
「検査に行きまよ〜」と呼びに来てくれた看護師さん
ストレッチャーを引っ張っていました。
検査中は鎮静剤を使って、患者の痛みを軽減させるのだそうです。薬の影響もあり、検査後は自分で立って歩けない状態になるので、ストレッチャーに乗せられて病室まで戻ってくるとの説明を受けました。
「ストレッチャーか。今まで一度も乗った事がないなぁ。初ストレッチャーかぁ」なんて考えていたら、つい
ビリー・ジョエルの名曲「ストレンジャー」にかけてみたのですが、若い看護師さんにわかるはずもない...。
検査室に到着し、検査台に横になったところで
「この後鎮静剤を入れていきますが、人によっては効きが悪いことがあります。痛かったら言って下さい」
と言われました。
んんっ?効きが悪い?!
「最初の説明では胃に小さい穴を開けるって言っていたけど、鎮静剤が効かなかったらどうなる?」
「内視鏡も今回は口からだからなぁ。薬が効かなかったら苦しいのかなぁ」
「内視鏡を入れるのに、口に筒みたいなものを咥えさせられているし、どうやって効いていないのを伝える?ゼスチャーか??」
「でも以前歯医者でオヤシラズを抜いた時も『麻酔が効いていなかったら言って下さい』って言われてものすご〜く怖かったけど、ちゃんと効いていたしなぁ」
なんていう不安がグルグルと頭の中を駆け巡っていたのですが、いざ検査が始まると
スヤスヤスヤ...
気がつくと
病室のベッドで寝ていました...。
鎮静剤、よく効きましたわ。まったく何の心配をしていたんだか(笑)
さてその日の夜、担当の先生が回診にきてくれた際
「今日採取した膵臓の組織については、検査の結果が出るのに10日ほどかかりますが...高い確率で『悪性』と思われます」
との説明を受けました。
まぁ、ある程度覚悟はしていたので、特にショックを受けることもありませんでした。それでも「高い確率」が60〜70%くらいなら何となく希望が持てそうな気がして先生に
「高い確率というのは...何割くらいのものでしょうか?」
と質問したら
9割かっ!ほぼ確実じゃないかいっ!!
その後どうしようか迷ったのですが、妻にはちゃんと報告しておこうと思い
「9割悪性のようです」
と電話をしました。妻からは
「まぁ、まだ正式に決まったわけではないから」
「たとえ悪性でも、ちゃんと治療すれば治る可能性だってあるんだから。前向きに頑張ろう」
なんて励ましてくれました。
後で聞いた話ですが...
夜一人でご飯を食べていたら、どんどん気が重くなっていった妻。ご近所の飲み友達のコーイチさん(50代中盤)とゆういちさん(50代初め)に相談したところ、2人ともすぐにうちに来てくれて
妻の話し相手になってくれたそうです。
いつもはチャランポランで酒飲みで、どうでもいい話ばかりしているおじさん達ですが...今回ばかりは...サンキュ〜。
続く