ひとりバイト道。
パン屋さんの前を通る度にお兄さんを探してしまう。
今日も居るかな?と考えるとワクワクする。
見つけれた日はその日が1日中ハッピーになる。
生まれて初めてのまるでジブリみたいな淡い日常。
憧れのパン屋のお兄さんを密かに探す日々が楽しかった。
私の透明な日常がお兄さんという耀きで色づき始めていた。
そして心のどこかで、このまま終わりにしたくない、という感情が芽生え始めたのも、この頃だったと思う。
足を踏み出す勇気が出ない。
日が経つにつれて、きっともう覚えてもらえていないんだろうな、と感じる。そう思うと、どんどん足が遠ざかる。遠くから眺めているだけで満足。そう言い聞かせた。
そんなある日、私たちの物語が始まる決定的な日が訪れる。
これは間違いなく、神様からの人生最大のプレゼントだ。