おじさんに「大丈夫ですかー」と声をかけても返事がない。

なので、せめて踏切内から外に出そうと足を引っ張ってみたものの、私一人の力じゃビクともしない。

誰かに助けを求めないと思い、大声で「助けてー」と叫んだら、サラリーマンのおじさんが一人気付いて走ってきた。
でも一人じゃ足りない。

駅員に「踏切内で人が倒れているから助けて」と叫んだ。

駅員は急いで来て、踏切内に入り、迫ってくる電車に手をふった。


電車は警笛をならし急ブレーキをかけていた。

駅員とサラリーマンのおじさん二人がかりで意識不明のおじさんを引っ張った。
駅員は私に離れるよう指示してきたので、離れた。

電車は急ブレーキをかけたが、間に合わなかった。

一瞬、怖かった。







誰も轢かれず無事だった。



そして暫くしておじさんは意識を取り戻した。



誰も犠牲にならずに本当によかった。


おじさん長生きしてください。