DVDで、東京バレエ団の白鳥の湖。オデットおよびオディールは上野水香さんです。こんなにもすんなりした脚のひとを見たことない。


いま夢中で追いかけている漫画、槇村さとる『DoDaDancin'!』では白鳥、アンハッピーエンドというか「現世で結ばれない愛を嘆き、ふたりで湖へ(来世に望みを)」となっていて、あんまり好きなストーリーじゃないなあと思うのですが、今回のこちらはハッピーエンド版でした。原典は心中らしいけど、死なないほうがやっぱりうれしい。


バレエは憧れているだけで全く詳しくないけれど、オデットがずっと無表情というか王子と踊っていても「幸福」っていう感じにならないのがもどかしく、ナンデナンデと思っていた矢先、オデットそっくりのオディールとして登場し王子を騙す段になって水香さんの生き生きとしたこの演技! 先ほども書きましたように全く詳しくないのでとんちんかんなことでしかなかったら生温かく笑って流して下さいね、この作品において「呪いで姿を変えられる」という出来事は、象徴的な意味で「個性や感情、ときには気力さえ奪う」ことと同義なのかもと。オデットが王子の誓いを心待ちにしている、と、予備知識じゃなく舞台そのものからはそこまで鮮やかに感じとれなかったのも、水香さんのあえての演技なのかもと。


ラスト、呪いがとけたことに気づいたオデットの輝くような表情、思わず見とれました。


プリマ様のことを「みずかさん」となれなれしく書いてしまったのは、同窓生が大ファンで卒業アルバムにも誕生日を「水香さんと一緒」と心底うれしそうに書くような子だったせいです。責任転嫁。


ああ、すごい踊りをみた。