内田樹(うちだ・たつる)先生のお名前は、学部1年の前期のレポート課題が「以下のリストから1冊えらんで論じなさい」というそのリストに挙がっていて知りました。しかし最終的にレポートを斎藤美奈子『モダンガール論』で書いたので読まず、いま弟が愛読しているようですけれども私はダヴィンチで特集が組まれていてもそこまで夢中になれず、今にいたります。


その私が、さっき。内田先生が半年ほど前に書かれた「あの条例は論理的にちょっとどうなんだろう」という趣旨の文章でみごとに取り込まれました。データや統計の側面からみて全く妥当でないものに、条例として法的な力を与えてしまうこと。また、そもそも表現そのものが有害であるという現象はありえない(例:マリアナ海溝にどんな残虐な絵が描かれていたとしても、それはその絵だけでは有害とはいえない)のに、あたかも表現が犯罪を招く、もはや表現が罪であるかのような仮説を強力な論理の柱に採用していること。冷静に疑問点を示されています。


私などはどうしても「何いってんの都知事とちくるったの!?」と感情的に反論を試みようとしてしまいますが、こういう場合はそうだったんだなあ理路整然と話し合いを進めるべきで、今となっては可決されてしまったし付帯決議ってどれくらい強く発動されるものなのかわからないし残念な気持ちでいっぱいなんですが、情じゃなく理、で暴走する頭(かけことば)を冷やすのが最も有効な戦いかただったのかも。


ともあれすっかり回し者のようですが、内田先生の文章こちら