きょうはローザンヌコンクールの放送を観たのですが、男の子の多さにびっくり! 決選に進んだ20名のうち14名が男性ダンサーだったとのこと。しかも双子が両方とも出ていたりして、もちろん女性ダンサーも可憐で美しいのだけれど、なんだか新しい楽しみかたをさせてもらった気がします。


それで、クラシックはいつも「きれいだなあ、うっとりするなあ」と思いながら観られるからもともと憧れに近い愛着があるのですがコンテンポラリーって捉えかたがわからなくて漫画『テレプシコーラ』で六花ちゃんが熱を出していてもコンテと聞けばがんばって踊っちゃうというような魅力がいまいち感じられずにいたリンゴ、本日、佐々木万璃子さんのコンテンポラリーで心を動かされました。


あ、しろうと目だし、しろうと感覚ですけれども。


使用曲が現代音楽であることが多いではないですか。そこがまず慣れないし、振り付けも前衛的な動きを含んでいると記憶や感情より連想の要素が強いイメージがあって、どちらかというと物語を見せてもらうのではなく、自分で懸命に解釈しないといけないような、こちらから追いかけることを求められているような、はっきりいってよければ息苦しい感じがずっとあったのです。


佐々木さんの前に踊った女性ダンサー3人は、きっと訓練を受けてたくさん練習しているに違いありませんが、私はやっぱり無機質な動きにどうしていいかわからなくなってしまい、クラシックの審査はもう終わっているし結果もニュースで見たからテレビ消そうかとまで思ったのですが。


彼女の踊りだけいきなり生き生きして見えて。踊る人形なんかじゃなく、生身の、感情をそなえたダンサーが、同じ振り付けなのにいったい何がと驚いたくらい、鮮やかに面白く心に入ってきて。あれは何だったんだろう。動きの芯をつかんでモノにしている感じ? あれが、ダンサーとしての個性? コンテンポラリーを踊る才能ということなの?


バレエのことは何ひとつわからないけれど、観ていてとても、とても気持ちがよかったです。きょう映っていた若いダンサーたち、映らなかったけれど準決選で精一杯の踊りを披露したはずのダンサーたち、ビデオ審査を通過できなかったけれど日々レッスンに励んでいるはずのダンサーたち、踊りに限らずピアノなどの楽器でもそうだけど毎日の練習を欠かさず上を目指しつづけるのはなまなかなことじゃないのに、きちんと頑張っている彼らが報われるようにとぼんやり願うのでありました。


努力は必ず報われるとは限らない、しかし、成功する人はみな努力している。