わあああん。


原作は、学部に入ったころ乙一にハマったので読んだ記憶があるのですが設定しか覚えてなくて、べつの作品のほうがわりと好きで、しかしこちら、映画版のキャストが小池徹平(なんてきれいな男の子なの?)&玉木宏(なんてきれいな男性なの?)ということで要するに映像美がめあてで借りてきたのです。


中盤あたりのバイオレンスが少々きつかったけれども、クライマックス滂沱たる涙。


小池くん演じる麻人(アサト)は超能力の持ち主で、ひとの傷を自分の身体に移すことができる。やろうと思えば自分の傷をひとに移すことも。苦しんでいるひと特に子供を見過ごせない彼は、玉木さん演じるタケオが止めてもどんどん傷を引き受けてしまう。たぶん、もともとやさしい性質でもあるのだろうけれど、アサトには自分を傷つけずにはいられない理由があって……。


アサトのお母さんがかなり幼稚なのには正直なところがっかりしましたが、それでも彼女を慕うアサトがあわれなような、いとしいような。


私見を述べてよければ(まあブログは私見で成り立ってる気がするけれど)原作を含めてこの作品で扱われている「傷」というのは、目に見える身体的なものにとどまらず、心にまで達しているような「痛みの記憶」と密接に結びついてるというかもしかしたらそっちがメインかもねくらいに、つまり、アサトをはじめとした「自分は生き抜いてもいいのか」と悩んでいるひとびと、あえてキッズとはいわず「ひとびと」でくくりますが、そういったひとたちのつらさに少しでも寄り添い、その痛みを和らげられたらという、狙いっていうと商業的な印象になってしまいますがそういうひそかな願いがあるんじゃないかと希望的観測をしてみたくなりました。


そういうとこが「白」乙一と呼ばれるゆえんなんだろうなと。


主題歌の歌詞に「自分が生きる意味をみつけられないから、せめてひとの幸せのきっかけになりたい」というようなフレーズがあってそこでまたうるっときてしまった私は完全に乙一の魔術にハマっているんでしょうねー。