くらもちふさこ『駅から5分』1~3(集英社)


特筆すべき感動秘話とか、琴線に電撃とか、そういう類の作品では(私にとっては)なかったのですが、ぼんやりとながら、生きててもいいのかな、と思えるような……特別に愛される要素をもっていなくても、生まれたからにはその生命を抱きしめていとしんで、ほんとは心から死にたいわけじゃないんだとひっそりつぶやいてもいいかなと淡く期待しちゃうような……人は裏切ったり傷つけたりするけどそればかりじゃなく温度をもってるんだよと教えてもらえたようなそんな作品でした。すごい主観的だな。


今とても苦しいのですが見ず知らずの作者がそっと寄り添ってくれたような錯覚をおぼえたほど、安心できて、ああ、この漫画を読めてよかったといるかわからない神様に感謝したくなりました。