フランス映画を観ました。借りたDVDです。ざっと説明してしまうと、主人公である少女マリーはプールでシンクロナイズドスイミングのチームのキャプテンを務めている美しくも高慢なフロリアンヌに惹かれ、なんでも言うことをきくという条件で練習風景を見学させてもらうことになります。フロリアンヌは異性にもてまくるので試合前の更衣室や練習後のシャワー室には必ず男の子やら男性コーチやらが現れて彼女を求めます。それでもフロリアンヌを見つめてしまうマリー。


筋をだらだら書いていてもつまんないな。少女たちにとってのプールの水。消毒され、器に満たされた水。閉塞感、潔癖、焦燥、希求。ラストで服のままプールに浮かぶ姉妹の姿はそのまま、不安定でどこにもいけなくてでもきっとどこにいったらいいのかもわからない、よるべない「少女」というものを象徴しているのかもしれません。踊りつづけるフロリアンヌ。空虚で、華やかで、静かにもがいている。水中でシンクロの選手たちが足を必死に動かしているように。


結末らしい結末には見えなかったけれど、そうやって姉妹を水面に放置することでこの作品は「少女のもろさ」とでもいうべき不確実な具象を、観る者の心に焼きつけるのではないかと。ぼんやりそんなことを考えました。