中学・高校時代の同級生と観てきました。

予習したいんだけど手っとり早い方法はなんだろうと彼女に訊いたら「ひと言でいえば貧乏と病気のなかで咲いて散った恋ってところだけど、もっと詳しく知りたかったら公式ホームページを見るといいんじゃないかな」とのこと、そこでホームページにいってストーリーを確認すると……これ、中学時代に音楽の授業で観た!

彼女が覚えてないのがふしぎだけど。

そしてそのわりにはやっぱり「貧乏と病気のなかで咲いて散った恋」の物語だったけど。


プッチーニ作曲のオペラ『ラ・ボエーム』を映画化した作品。というわけで作中でも登場人物、歌う歌う。ちょっと友人を呼ぶときも歌で呼ぶ(♪小鳥はとっても歌が好き~)。

でもその違和感も観ているうちになくなっていって、ストーリーに引きこまれました。1度は観たはずの話なのに中学生の私と大学院生の私ではやはり感受性が違っているのか新鮮に見えて。いや暗いんだけど。


主人公はロドルフォとミミ。えー、画面でみるかぎりロドルフォは冴えないおじさんでした。なぜミミが彼に恋をするのかちょっとわからない。声のよさか? ともかく、そんなロドルフォとミミは惹かれあい、恋人同士となり、しかし雪のなかで別れてしまう。原因はミミの病気。いやロドルフォが愛想を尽かしたとかそんなんじゃなくて、自分にはミミを治してあげるだけの経済力も技能もない(彼は詩人です)、かわいそうなミミを自分は何よりも愛しているけれど彼女は自分といても幸せになれないと。


その後ミミは子爵と交際したのか、ロドルフォの友人の目撃情報では「女王様のようななりをして馬車にゆられていた」ということが伝えられますが、ラストシーンでは彼女は息もたえだえにロドルフォの部屋を訪ねてきます。彼に会うために子爵の屋敷を出てきたと。ロドルフォの友人たち、その恋人(名前わすれた)などが見守るなか、ミミは手が冷たい、このままもう温かくなることはないのかしらと呟きます。恋人(名前わすれた)がマフを持ってくるとミミは喜び、安堵の表情をうかべて目を閉じます。ロドルフォの友人が気つけ薬を飲ませようとミミのそばへ寄ると「息がない」。


あーーーー救いがないよーーーーー。


プッチーニが何を意図してこの作品を生み出したのか知りたいです。貧しい者は死ぬしかないと? それとも悲劇のなかにも愛情は生まれる?


すっかりネタばらしをしてしまいましたが、うーむと深くうなって考えたくなる作品でありました。