道
某読書SNSで仲良くしてくれたひとがこの本を読んでいた路地を歩くのが好きなひとで研究の合間に息抜きに路地を歩きその、ほの暗い路地の写真を撮るわたしはそれを見るのが好きだった京都の大学にいてそのまま京都で就職してそこで彼は恋に落ちた相手は恋をしてはいけないひとなのに惹かれていく様止められない様あっという間に火がつき燃えてゆくその想いが時折つぶやく文ににじんでいるまるで、小説を読んでいるようだった自分は相手にとってただの止まり木にしか過ぎないことをしっていてもそれでも、そのひとの訪れをそのひとの好きなコーヒーを淹れる準備をして待つそんなひっそりとしたそれでも胸の奥には赤く炎が燃えているような恋に思えた冬のさなかつむじ風のように起こった恋は彼を大きく巻き込んだ挙句去って行った病院にもいられなくなったようで彼は勤めを辞めSNSからもいつの間にか消えていた叶わなくてもいいいまここにいてくれるならそれだけしか望んでいないだけど、もしも願いが叶うならあと数分、数秒でも一緒にいたいその気持ちを誰も責めることはできないというのに誰かに恋をすることは甘やかで愛しくてなんと残酷であろうかちょうど、島田雅彦の「やけっぱちのアリス」を読み終えたところで何かしら胸が苦しくなるさっき見た桜の花びらが舞い上がるさまがあまりに潔ぎよかったからだろうか京のろおじ 暮らす旅 京都/CCCメディアハウス¥1,728Amazon.co.jpいつかまたあの場所で会えたならこの本の話がしたい彼は路地とは言わずろおじと言っていたその、ろおじにも足を踏み入れたいひと足で、何処か別の場所に行けそうな奇妙に歪んだ街の一角