意識だけはまだ
少女だったり女だったりするのだけれど
身体がいつからか
追いつかなくなってきた
老いただけともいうのだろうか

まだ老婆と呼ばれるには
早いだろうとおもう自意識
しかし若くはなく
控えめな沈黙を介して
おねえさんと呼ばれる違和感

だんだんおんなではなくなっていく

何かにとりつかれるように
味がするものを口の中に押し込んだ
噛み砕いてすりつぶして
噛めなくなれば飲み込んだ
飲めるものは酒でも水でも流し込んだ
胸と胃が重くなって悲鳴を上げる
細くて硬い弦がこすれるような高い音
思い出した頃にやってくる生臭い出血で
少しだけ我に返る

柔らかくなった乳房
たるんだ臀部
しっかり腹部と腰に蓄積した脂肪
体重計の過剰な数値も
他人事のように見ている

正常なのは噛み千切られた爪
血のにじみそうな赤い指先

だんだんおんなではなくなっていく

どんな男と寝たところで
脱落者のような意識からは逃れられず
かつてはいらなかった性に囚われる

 
だんだんおんなではなくなっていく