娘と帰国して2週間が過ぎた。



毎日が淡々と過ぎていく。



3月末にニュルンベルグで離婚裁判を行い、離婚成立。判決謄本を翻訳したものを添付して報告的離婚届(?)なるものを市役所に提出すれば日本でも離婚成立。まあ、現在は判決謄本をぼちぼち翻訳しているところ。本人の翻訳でもいいらしいからね。


これが結構むずかしくてあーでもないこーでもないとフンフンやってる最中ですけど、遅々として進まないのは多分心理的なものもあるのかな、と。もうどっちみちドイツでの離婚が成立してるんだから、どうしようもないんだけど、これ(報告的離婚届)を提出しちゃたらほんとに離婚だなって。いや、だからもう離婚は成立してるんだけど。


頭ではわかってても、心のほうがなかなか。



「ママ!ママが日本に帰るのは嫌だ!!」



って叫んだ息子の声が耳をついて離れない。まだ4歳にも満たなかった小さい息子。朝方彼のベッドに潜り込んで、暖かい彼の体をだきしめるのが大好きだった。小さい手で私の頬を包み込んで、「ママ、ママはとってもキレイでかわいいよ」とキスしてくれた息子。意味不明な呪文を唱えて「どういう意味なの?」と聞くと「ママのことがだーーーいすき!ってこと」と答えた息子。



どうしようもなくて頭を抱える夜はまた聖書を読む。彼の上にも神様の恵みがあり、少しでも彼の悲しみと苦しさが取り除かれる事を祈る。



そしてふと自分を笑いたくなる。去年一年、息子の事など、思い出しもしなかった母親だ。いまさら彼を愛してるという資格さえないのに。息子には私という母親などいないほうがいいに違いない。



不憫なのは、そんなろくでもない母親でさえ彼にとっては唯一の母親だということ。こんなつまらない私の事を彼は求めて泣いているということ。



夫(元夫)からメールが時々くる。息子はいまでもときどき窓の外を見て「ママとA(娘のこと)は帰ってこないかなあ」とつぶやいているらしい。時折ひどく泣いて、ママとAに帰って来てほしいよ!と叫ぶらしい。「僕たちはまるで、二人の小さな孤児のようだよ」と嘆く夫。



ニュルンベルグで暮らす二人の小さな孤児。私の家族の片割れ。私が愛してそして壊した二人の孤児。



私には泣く資格さえない。