高校生活に慣れはじめてきた、5月末。
その日は部活のない火曜日だった。
一番最後、6時間目の体育の授業。
この日は
ハードル走のタイム測定を行うと
あらかじめ伝えられていたため、
どきどきしながらも、
得意だった私は楽しみにしていた。
測定前に走ったとき、
右股関節に痛みを感じた。
これでは良いタイムが出せないのではないかと
少しとまどったが、
やるだけやっておこうと、測定をすることにした。
一個目のハードル。
歩数が合わず、明らかに遠いところから跳んでしまった。
伸ばした右足でハードルを蹴飛ばしてしまい、
怖い、と思った私は膝に思いっきり力を入れていた…と思う。
右足が強く地面に打ち付けられた。
あまりに痛くて立ち上がるどころか
起き上がることも出来ない。
痛くて痛くて泣く。
情けない、とか悔しいとかそういう感情なしに、ただただ痛くて涙が出てくる。
久しぶりだった。
たぶん、中学二年の頃骨折したとき以来
だった。
保健室行って、
泣いて泣いて泣いて。
そのときはもう痛みじゃなくて
ただチアのことだけを考えていたと思う。
この足で大会なんてもう無理だ。
3年生にとって最後の大会なのに…
せっかくメンバーに選ばれたのに…
跳ばなければよかった。
とにかく後悔した。
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