いまWOWOWでやってるので観てました。

たぶん人生で200回以上観てますw

授業の教材で使った分も含めてだけど。
学生時代は朗読される詩も含めてスクリプト全部覚えてました。
胃十二指腸摘出とかばかばかしいくらい時間のかかるオペの手洗いに入るときは、ひたすら頭の中で再生してました。
(集中力あるねーとか褒められたけど、別のこと考えてただけ)



いや、前半はなんてことないラブコメなんですよ。

終盤、別れが迫ってからです。

何度観ても、何度観ても涙が止まらない・・・

オードリーのほほえみ、そのまなざし、

最後にかわすまなざしの美しいこと!



最後の記者会見で、気に入った街を聞かれて、模範的に「どの都市も素晴らしかった」と答えようとして・・・

でも、自我を抑えきれないように「ローマ」って答えるのね。

その思い出を一生大切に愛でるでしょうと。

もうぼろぼろ泣いちゃう。

このときだけは、王女は公人じゃなく、ただ一人の女としてジョーに思いを遺したんだもの。

去っていく後ろ姿を見送り、少したたずんで、宮殿を後にするグレゴリー・ペックも素敵。

この男は、その後どんな風に生きていったんだろう。

それなりに女を抱いて、縁があれば結婚もして、人生を謳歌したんだろう。

でも、ふとした黄昏に、若き日の王女との思い出を振り返ったに違いない。

一方の王女も、きっと政略結婚で節度のある結婚をして、賢い彼女のことだからそれなりに幸せな家庭を築いただろうけど。

でも、公人として見事に生を全うしたその死の床で、ジョーとの一日を輝かしく思いだしたに違いないと思うのね。

それは、確かにこの世で、彼と彼女だけが共有した時間。

たぶん、いまこのての映画を作ると、最後は無理やりハッピーエンドにしてしまうと思う。

そうじゃないところが、傑作たるゆえん。



男女の愛に、もし永遠というものがあるなら、その数少ない形式がこれかなと。

あふれる情熱と、それを押さえ込む理性。

これ、最後の夜に二人が同褥しちゃってたら、まったく話の性質が違ってしまうと思う。
(そういう、ひと夜の逢瀬云々の作品はほかにもいくらでもある)

この作品は、女性の支持は当然高いんだけど、もし男性でジョーに共感できる人がいれば、そういう人のパートナーにだったらなりたいなと思う。

だって、ドーブツ頭は、「ヤっときゃいいのに」とか言いそうじゃない?
写真売れば?とか記事にすれば?とか。

モノにできない女なんか1日だって付き合うのは無駄、とか。

そうじゃないんだよ。そうじゃないの。

たとえ短い時間でも、本当に相手を愛したら、そしてそのまま時間を止められれば、それは永遠なんだよ。

これは片恋に似ている。



私も、実は学生時代に好きだった人がいて、その人への想いは今もふと思い出すことがある。

その人のこと、ベッドの中のこと以外は全部知ってたと思うw

その人の弱さも、醜さも、いやしさも、全部が好きだった。

ものすごいメンクイだったから私は恋の相手には選んでもらえなかったけど、一番仲のいい女友達としてそばにいられるだけでよかったの。

そばにいるだけで幸せだった。

この思いはきっと一生消えることはないんだろうな・・・

切ないけど、でも、あんなに好きになれる人に出会えて、それもまた幸せだったと思う。

たとえこの先、この記憶に縛られて誰も愛せず、幸せな結婚とやらをできなかったとしても、別に構わない。

それくらい、彼のことがいまでも好き・・・

自分でもどうにもならないんだよね。

もし相手に思いを返してもらえていたら、うまくいかなくて壊れていたかもしれない思い。

自分だけで大切にあたためているから、絶対に壊れることはないこの思い。

あーあ、今どうしてるかな。

国試すべったと聞いたけど、その後受かったんだろうか?

いつまでも受からなくて実家の病院で事務やってる子もたまにいるからねー

そんなどん底に落ちてないことを祈ります(人)

彼にだったら、たとえどんな地獄にいても、たとえ激しく劣化していても、彼さえよければ嫁ぎたいし、彼の子供、産みたいなあ・・・

あー会いたい。