ドイツの現代舞踊団であるピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団の公演を今日、観に行ってきました。
今年の演目は「私と踊って」。パンフレットによると1977年初演の作品、その再演です。
といっても、日本では初演。
ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団(以下、ピナ・バウシュ)は、もう22年以上のファンであるワタクシ。
1988年に上演された「カーネーション」---日本来日公演としては2番目だったそうですが---を観たのが初めてだったんだけど、その公演に衝撃を受けてからのずっとファンなのです。
それ以来、最初は3年ごとぐらい、最近では1年毎に来日公演があって、時間や予算が許す限り観てきました。
そんな短からぬファン歴のあるワタクシですけど、今年は特別な年でありました。
それは、昨年の6月30日にピナ・バウシュが急逝してからの初めての日本公演だったからです。
昨年、ピナ・バウシュが急逝したというニュースを聞いた時は我が耳を疑いました。
そんなまだ逝ってしまう歳じゃない、前から病気がちだったとかって話も聞いてなかったし、まさに青天の霹靂とはこのことを言うのだとしみじみ思ったショッキングな知らせでした。
それから約1年、主を失った舞踊団の日本公演はやらないのでは?と思っていたのですが、今年は無事公演がありました。
今年のはじめ、チケット発売の知らせを日本文化財団からいつものように知ってすぐ、必死になってゲットしましたよ。
ピナ・バウシュの公演については全体が見渡せる2階席の前(最前列中央を中心とした席)を必ずゲットするようにしているワタクシ、今回も無事ほぼ理想に近い席をゲットして、千秋楽である公演日を楽しみにしてました。
公演の感想はうまく言えないなあ。
なんだろ、やはりピナが逝去したという最大かつ重要な事実抜きには観ることができないから。
だから公演を観ても、ピナへのレクイエムにしか見えなかったのが正直な感想ですね。
実際、今回の公演はいつもと変わっているようにみえました。
いつもなら、ふんだんに色々なジャンル、色々な国々から集めてチョイスした溢れる音楽があるのに、今回は音楽がほとんどない。いや、実際はあるんだけど、ほとんどがギターの生演奏かアカペラというシンプルさ。
1977年が初演の作品なんで、別にピナが逝去してから作った作品じゃないんだけどね。
では、偶然であればこのチョイスはなんだろう。まるでこの今の時期を予期してたかのよう。
音楽だけじゃなくて公演の中身も、いつもだったら少しでも幸せな気分にさせる部分、未来につながる断片があるのに、今回はまるでないと言っても過言じゃない。ずっと喚くずっと叫ぶずっと泣く、そんな状態がほとんどなんです。まるで未来がないかのよう、出口がないかのように。
それは、突然にピナという主を失ったことへの気持ちの行き場がないことを表現している風にしか見えない印象になりました。本当は違うんだろうけれども・・・。
そんなわけで、圧倒される舞踏とともに何か切ない気持ちが大部分を占めることになりました。
すごく素晴らしかったけど、でももう、もしかしたら舞踊団の公演は観れなくなっちゃうかもという不安をオーディエンスとして感じてしまいました。
実際は、ピナが逝去してからあとの舞踊団は結局、ピナの盟友ドミニク・メルシーとロベルト・シュトゥルムの2人が共同で芸術監督につき存続することとなったそうです。
ドミニク・メルシーは「カーネーション」の頃からずっと大ファンなんだけど、その彼が芸術監督をするピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団はこれからどうなるんでしょうか。
彼の大ファンであるのは変りないと思うし、盟友であった彼がピナの遺志を忠実にやっていくだろうとは確信しているけど・・・そしてピナが居た頃からやってた演目の再演をやり続けることになるとは思うけど、きっと今までとは明らかに違う作品になってしまうんでしょう。
それは誰も止めることができない進化なのかもしれません。それはしょうがないこと。
ピナがいた時だって進化や変化はしていたからね。でもわかっているからこそ、何だか複雑な気分ではあります。
舞台が終わって長く続くアンコールがあり、そこでいつものようにスタンディングオベーションをしたけど、客電が点く頃には何だか脱力してしまいました。
帰ろうとしたら、近くの席の見知らぬ女性がしくしく泣いてました。これが最後だと思ったからなのかな、私は泣かなかったけど、でもその気持ちがわかる気がしました。
今回はピナが逝去して初めての日本公演、今まで長らくファンでいることができたこと、何よりも22年前にピナに出逢うことができたことの感謝をこめて花束を持っていきました。
友達のアイディアで、お花はピンクのカーネーション。そう、私が22年前に衝撃を受けた「カーネーション」にあわせてピンクのカーネーションを選びました。
ピナの大きな写真とそこに飾られた白百合の花たちとともに、飾ってもらいました。(冒頭の写真)
ピナが逝去したからなのかどうか、公演後、舞台の写真を撮ることを暗黙の了解で許されました。やはり特別なんだよね、今回だけは。
最初は2階席で見たり撮ったりしてたけど、堪らず1階席の舞台のそばまで行くことにしたワタクシたち。思いの丈をぶつけるように(?)名残惜しく記念に舞台を撮影しまくってました(笑)。
公演後、舞台の一部にぽつんぽつんとある公演に使われた帽子がなんとも印象的でした。
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追記:悩んだ挙句に買った「フルムーン」のサントラ(だって2枚組で4,000円もするんだもんw)、
今聞いているけど、すごくいいっ!
今までピナ・バウシュの音関係がなぜに発売されなかったんだろうと思うくらい。
(色々なジャンルから集めて構成されているから著作権の問題かな)
改めて彼女(と音楽監督、たぶん)の選曲のセンスの素晴らしさに関心するCDです。
思い切って買ってよかった~。大のお気に入りになりそうです(^^)



















してみた~いっ!!


