①|やめたいのにやめられなかった、本当の理由
きっと、やめたくて苦しんでる人ほど、
ほんとうは「生きたい」って叫んでるんだと思う。
お酒をやめたいのにやめられなかった。
その頃の私は、
意思が弱いとか、だらしないとか、
そんな言葉で自分を責めていた。
でも、あの頃の私に必要だったのは
責めることじゃなくて――
静かな問いかけだった。
「本当は、何を感じたくないの?」
「本当は、何をあきらめているの?」
「なぜ、そんなに
“無かったこと”にしたいの?」と。
お酒を飲むことで
感じなくて済んだものは、
“孤独”でも“悲しみ”でもなくて、
『希望』だったのかもしれない。
「やっぱりダメだった」って
落ちるために、
一瞬だけ夢を見るような、
そんな希望。
そうやって、
「ほらね、やっぱり私の人生は
無駄だった」
という
答え合わせをしていたのかもしれない。
でもね。
それに飽きたの、私は。
“人生が無価値だ”という結論のために、
感情を消して、
希望を捨てて、
誰にも触れずにいたそのやり方に――
疲れ果てて、
飽きて、
もういいや、って思ったの。
だから私は、
お酒をやめようとしたんじゃなくて、
「そのテーマ」を卒業したの。
人生は、証明じゃない。
創造でできてる。
そう気づいた瞬間から、
依存は、“過去の言葉”になっていった。
