「プリムお姉様

」
プリムの目には涙がたまっていた。
「私には、未来読みの力があるとお話ししましたね。」
「…コクン」
一同うなずく。
「私は、知っていました。」
俺達は驚きを隠せなかった。
そうだ、未来がわかるなら、止めることだって出来た。
事の真相もわかっているということだ。
プリムは怒りにも似た感情で、シャイナを見た。
「知っていたなら何故教えなかったの

」
シャイナは目を閉じて黙る。
「何とか言いなさい

」
プリムは怒りを抑えきれない状態で、シャイナを問い詰める。
「…知っているのは結果だけなのです

夢の中で写ったのはあの一瞬。
血だらけになって呆然と立ち尽くす母の姿だけなのです

」
「それでも…

」
「私もまだ幼かった…。
どういう事なのかを理解出来てなかったのです

それに私が見た時は、倒れているのは父ではなく、人の形に似た魔物でした

」
「…魔物?
そんなはずないわ

だって、私見たもの

」
「私は思うのです。
何かとてつもない力が、どこかで働いているのではないかと…

」
「とてつもない力って…

」
「私の視力は、その光景を見てから失ったからなのです。
全てを未来読みされないように…

」
謎めいたことになった。
シャイナが夢に見たものと、現実で起きた事が異なっている。