営業は抜群に上手いけれど、書類作成などの事務作業は
苦手という人もいるでしょうし
逆に、細かい事務作業は正確でミスもなく完璧にこなすけど
プレゼンや営業は苦手という人もいるでしょう

では、もしその苦手な仕事を強要したら何か問題になるのでしょうか


それについて裁判となったことがあるのです

 

ある会社で営業職に配置転換になった社員が、営業成績が
上がらないことの心労でうつ病にかかり、自殺したそうです
そこでその遺族が

 

「うつ病にかかって自殺したのは仕事が原因だ」

 

として、裁判を起こしたとのことです

そこでひとつ問題になったのはその社員の「性格」でした
もともとその社員は営業とは全く畑違いの業務を
担当しており、営業には「全く向いていない性格」でした

にもかかわらずノルマをもって営業をやることは本人にとって
相当な負担であったと、遺族は主張したのです


もしこのブログを読まれている経営者・人事担当者の方々
だったらどのようにお考えでしょうか


確かに仕事ですから「得意か、不得意か」でやることを選べるわけではありません
もしそれを認めてしまったら会社は回らなくなることもあります
不得意なことは誰もやらなくなってしまいますから

 

で、裁判の結果はどうなったか

 

会社が敗訴

でした

 

「性格的に向かない仕事は本人に相当負担であった」

 

として労災認定されました


自殺した社員の性格はおとなしく、口数が少なく
自分から積極的に他人に話しかけるタイプではなく
・営業としての適性はなかった全く経験の無い職種への配置転換
にもかかわらず、年齢や勤続年数で設定された
・相当過大な目標を与えられていた
 (未経験者には重すぎる目標である)
・決して若くない年齢
・今までに全く経験が無い職種
・適性の無い性格

 

などから非常に困難な業務内容であり心理的な負担は相当重いものと言える

ということでした

「性格的に向いていない営業をやらされた=労災認定」

ということでは決してありません
過大なノルマや配置転換の際のまわりのフォロー不足なども
認定の理由としてあげられています

ただ、同時に「適性のない性格」というのも認定理由になっているのが
この裁判のポイントです
これは実務上も注意すべきことです

 

「適材適所」とはよく言われますがみなさんの会社ではいかがでしょうか

あきらかに向いていない業務では当然にミスも発生しますし
本人のモチベーションも下がります

また、ミスが発生すれば上司も注意をしますし、そこでついつい大声
を出したり暴言を吐けば、パワハラの原因にもなります
(ミスが発生したらパワハラして良いわけではありません)

常に適材適所を最優先として配置転換をできるわけではないと思います
社員を採用する際や、配置転換を行う際は、性格診断も含めて
今一度、考えてみてはいかがでしょうか


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