「今度の浮気相手は

30代初めの看護師

なんですよ、

まったくもう」


と、あきれ顔を

しながら、


A子さん(52才)は

ご主人の

新しい彼女について

話し始めました。

 

A子さんは

ある地方で育ち、

 

いずれは

東京に出て

華やかな生活を

送ることを

 

小さい頃から

夢見ていました。

 

上昇志向が強かった

彼女は

必死に勉強して

東京の大学に入り、

 

その後もがんばって

CAになりました。

 

そして

 

腕が良くて

とても有能な外科医

であるご主人に

 

機内で

声をかけられたことが

きっかけで結婚し、

 

そのあと

男の子も産まれて

 

これで

もう安泰だと

思った時に

 

ご主人の浮気が 

始まったのです。

 

ことを荒立てたくないと

思い、

知らないふりを

しているうちに

 

彼の浮気は

だんだん

エスカレートしていきました。

 

掃除をしようと

彼の書斎に入ると

 

机の上に

浮気相手との

ツーショットの写真が

無造作に置かれていたり、

 

浮気相手から

 

「もう離婚していると

ウソをつかれた!」

 

「結婚詐欺で訴えてやる!」

 

と家にどなりこまれ

 

弁護士に

仲裁してもらって

数百万の示談金を

払うはめになったり。。。

 

心身ともに

疲れてしまった彼女は

すっかり

老けこんでしまいました。

 

「このままだと

若いオンナに

お義兄さんを

取られちゃうわよ」

 

と妹さんから言われて、

 

薄くなってしまった髪を

ウィッグで隠し

 

エステに通って

少しでも

若く見えるように

がんばってみましたが、

 

ご主人はもう、

食事の時でさえ

ろくに彼女の顔を見ようとは

しませんでした。

 

そんなある日

 

用事があって

実家に戻った

A子さんは

 

ふと

懐かしく思い

 

高校の同級生だった

かつての彼の

実家である

レストランに入りました。

 

カウンター越しに

 

「いらっしゃいませ!」

 

と声を上げた

あの

懐かしい彼の笑顔を

見たとたん、

 

A子さんは

びっくりして

 

思わず

泣きそうになるのを

必死にこらえながら

 

「まぁ

何十年ぶりかしらー

 

ホントに久しぶりねー」

 

と明るい声で

応えました。

 

ランチが終わり、

夕方までの

休憩時間の間、

 

二人は

 

別れてから

それぞれ

どうやって

生きてきたかを

 

お互いに

語り合いました。

 

彼は

高校を卒業したら

地元の大学に行き、

 

そのあと働いて、

ある程度

生活のめどが

ついたら

 

A子さんと

結婚したいと

思っていました。

 

でも

 

彼女は

都会の生活に

憧れて、

 

彼を捨てて

東京に行ってしまったのです。

 

「あの頃は

二人とも若かったねー」

 

と思い出話に

花が咲くなかで、

 

彼は

ふと

まじめな表情に

なり

 

まるで

何かを察したかのように

 

「それで、

あっちゃんは今、

幸せなの?」

 

彼女に聞きました。

 

長くなってしまったので

 

この続きは

また次回に書きますね。