高血圧(こうけつあつ、Hypertension)は、血圧が持続的に
正常範囲を超える状態を指します。
具体的には、血液が血管壁にかかる圧力が持続的に高くなることで、
心血管系に負担がかかり、心臓病や脳卒中、腎臓病などのリスクが
高まります。
高血圧の診断基準は、国やガイドラインによって若干の違いが
ありますが、一般的に以下のように定義されます:
- **収縮期血圧(上の血圧)**が140 mmHg以上
- **拡張期血圧(下の血圧)**が90 mmHg以上
これは、日本高血圧学会や米国心臓協会(AHA)、および世界保健機関(WHO)
など多くの国際的なガイドラインに基づく一般的な基準です。
高血圧の分類
高血圧は以下のように分類されます:
- 正常血圧: 収縮期血圧が120 mmHg未満かつ拡張期血圧が80 mmHg未満
- 高血圧前症(米国のガイドラインでの用語): 収縮期血圧が
120-139 mmHgまたは拡張期血圧が80-89 mmHg
- 高血圧(ステージ1): 収縮期血圧が140-159 mmHgまたは
拡張期血圧が90-99 mmHg
- 高血圧(ステージ2): 収縮期血圧が160 mmHg以上または
拡張期血圧が100 mmHg以上
- 重度高血圧: 収縮期血圧が180 mmHg以上または拡張期血圧が
110 mmHg以上
診断と管理
高血圧の診断は通常、複数回の血圧測定を基に行います。
家庭での自己測定や、診察室での測定、あるいは24時間の
持続血圧測定(ABPM)が用いられます。
診断後は、生活習慣の改善(食事、運動、減塩など)や
薬物療法が推奨されます。
高血圧は、しばしば「サイレントキラー」と呼ばれ、
初期には自覚症状がほとんどないため、定期的な血圧測定が重要です。
高血圧を適切に管理することで、心血管疾患の予防に大きく貢献できます。