ブログの更新をストップすると、お伝えしておりました。
新型コロナウィルスによる先の見えない不安。
こんなときだからこそ。
ご一考のきっかけになれば…と、あえて更新することにしました。
先日、私が運営している家庭文庫(ルピナス文庫)のブログを更新した際、
会員の方々から、幾つか熱く想いのこもったメッセージを個別にいただきました。
こんな私の言葉でも、届くことがあるのだと、励ましていただけた気持ちになりました。
子ども達の明るい未来に繋がるのだとしたら。
未来を生きる子ども達に手渡していくものについて考えるきっかけに少しでも繋がるなら…。
そんなわけで。
ルピナス文庫ブログより日々のアクセス数が断然多い(いつぞやの作り帯紹介の記事や、幾つかの作品紹介の写真の影響?)こちらのサイトに、ほぼ同じ内容を載せてみます。
以下、ルピナス文庫ブログ(2020年4月)より。
あたたかくなったら窓を全開にして文庫を再開しようかと考えておりましたが、
緊急事態宣言に合わせ、今しばらく休館させていただきます。
新型コロナウイルス。
恐ろしい勢いで世界中の人々の心身を攻撃し続けるウイルスを前に
自分に何ができるのか。
改めて考えながら読書漬けの日々を過ごしています。
普段以上に言葉に飢えている…そんな気分でもあります。
これまで。
ルピナス文庫の本は昔話、物語、文学、詩などの、心を豊かにする「アート」としての側面を大切にしてきましたが。
ここ数週間。
こんなときだからこそ
考える力を培う側面も大切だという思いも強まり
自宅専用にしていた岩波ジュニア新書に加え、数冊追加購入して文庫用に揃え直しました。
<i>「私達は、感情にふりまわされないために考えるのです。
テストでいい点を取ったり、有名な学校に進むために考えるのではありません。
周りが見えなくなって、生き苦しくならないために考えるのです。
感情に負けて、失敗しないために考えるのです。
よりいい生き方を見つけ、楽になるために考えるのです。」</i>
(『「空気」を読んでも従わない』 鴻上尚史 岩波ジュニア新書 より)
10歳以降の子どもたち&大人たちに
「問うこと 考えること 感じること」
を大切にしてもらうきっかけになれたらと、思います。
不確かな情報、得体の知れない不安に打ち勝ち、
よりよく生きていくためにも。
今現在、不安や混乱をもたらしていいる直接的な原因は新型コロナウイルスですが、
人々の思考力の低下が、不安や不満、攻撃性を増大させ、感情的な行動、パニック的な対応、または過度に楽観的な行動にも繋がっているように私には感じます。
子ども達に与える公の教育の大切さを改めて痛感しつつ
長期間自宅で過ごさなければならない子ども達のことを思った時、
未熟な子ども達のスマホ所有率が年々増加し、所有年齢が下がりつつある現状を真剣に危惧しています。
スマホの一番の問題は…
子ども達から
「問う時間 考える時間 感じる時間」
を奪っていることです。
子ども達の思考力低下にスマホが与えている影響は甚大です。
携帯会社各社が掲げるフィルタリングや機能制限の対策には、甚だ疑問を感じます。
そもそも一番重要な、危惧すべき問題が違うのです。
どうか、小学生、中学生にスマホを持たせることを
1人でも多くの大人に、考え直してほしいと思います。
現在大学生の長男、次男、この春高校生になった長女、3人とも高校入学するまでガラケーもスマホも所持させませんでした。
この春中学生になった次女にも持たせません。
スマホを持たないことによるメリットは多数。
デメリットは…何も感じません。
子どもにとっての多少の不便さ、不自由さ、それは長い目で見た時、メリットです。
子どもに不便さを強い、自ら考えさせることも大人の役目。
スマホは、子ども達から、熟考する時間、学ぶ時間、ゆったりと感じる時間、自ら疑問を持つ時間…心が成長する時間を奪う危険な道具でもあるのです。
高校生であっても、どんな心で持つべきか自問しながら扱わなければ、心と脳が成長する時間を失い、心身の成長バランスを崩しかねません。
大人が子どもに教育を与える義務がある時期に、
大人が子どもに、子どもの心の成長を奪う道具を与えることの意味、もう少し一緒に考えましょう。
子どもにも、考えさせましょう。
かれこれ10年目になる中学校図書室飾りつけのボランティア。
ときおりメッセージをこめた言葉を貼っていますが、
こんなときだからこそ…と
この春の飾りには、この3枚を書いて貼りました。
言葉を使って、たくさん考えること。
感じたことを言葉で表現してみること。
自ら問いを発し、思考を止めないこと。
その繰り返しが心を豊かに強くしてくれます。
少し硬い話になりました。
何かと
生きにくい時代かもしれません。
それでも。
情報に翻弄されることなく
学びで培った力で客観的に判断し
遊びやアートを通して豊かに耕された心で、
自分の行動を自分で決めてくことは
そうと願って行動してみれば
随分と楽しめる生き方です。
生きることを、もっと深いところで楽しんでほしい。
そう、強く願っています。
これからも。
心を豊かに耕してくれるような
それでいて
どこまでも深く、高く、遠くへと 心を運んでくれるような
そんな本を中心に揃えながら
皆さまのご来館をのんびりお待ちしている文庫でありたいと思っております。
今年度も、よろしくお願いいたします。
ルピナス文庫館主 松本美樹 (文庫ブログはコチラです→「ルピナス文庫」)
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新型コロナウイルス。
身体に与えるダメージは、未知のことも多く脅威です。
ただ。
心まで、負けたくありません。
自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ
(『自分の感受性くらい』 茨木のりこ)
※この詩も大好きです。調べると出てきます。ぜひ!!
子ども達に なにを与えてあげられるのか。
わたしたちにできること。
皆さん、思うことは人それぞれ、色々だと思います。
ただ。
思うだけ、文句を言うだけなら誰にでもできる。
一歩、前へ。
がんばりましょう!!