毒親との決別 <心理カウンセリング>

毒親との決別 <心理カウンセリング>

毒親と決別することで、快適な親子関係を再構築し、こころの居場所や
あなたの生きがいが持てるようになります!
毒親との決別によって、あなたの変貌を実現しませんか!!
         心理カウンセラー 永嶋

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 こんにちは。

 

 今回は、毒親問題の解決が難しいもう一つの理由をみていきたいと思います。

 

 このブログで、前に毒親のタイプを以下の4つに分類しました。

 

 タイプ1:過干渉、統制型の親

 タイプ2:無視親

 タイプ3:ケダモノのような親

 タイプ4:病気の親

 

 実は、ほとんどの精神科医や心理カウンセラーは、毒親問題を考える場合に、4の病気の親を想定していません。

 

 たとえば、あなたが毒親問題で、精神科医や心理カウンセラーに相談したとしましょう。

 

 この時、多くの精神科医や心理カウンセラーは、あなたの苦しみの原因が、病気の親ではなく、あなた自身にあるものとして、カウンセリングを行うケースが非常に多いのです。

 

 この理由の一つに、わが国では心理カウンセリングが、「ロジャースのクライアント中心療法」を基盤に行われることが非常に多いということが挙げられます。

 

 「クライアント中心療法」とは、「来談者中心療法」とも呼ばれています。

 

 この療法の基本的な考えは、「カウンセラーが、来談者の話をよく傾聴し、来談者自身がどのように感じ、どのように生きつつあるかに真剣に取り組んでいきさえすれば、別にカウンセラーの賢明さや知識を振り回したり、押しつけたりしなくても、来談者自らが気づき、成長していくことができる」という点にあります。

 人間は、成長・自律・独立等に向かう「実現傾向」を持つと考え、カウンセラーは、クライアントの『気づき』を引き出すために、自らの体験・意識・表現が一致していること、来談者に無条件の肯定的な関心を持つこと、共感的に理解することの3点を大事にします。

 カウンセラーがそのような点を大事にしてカウンセリングを行えば、クライアントはカウンセラーに、自分の嫌な体験を話しているうちに、やがてクライアント自身が問題の本質に気づき、自らそれを解決していくというものです。

 

 いわば、人間が本来持っている自然治癒力を活かす、漢方薬的な療法と言えるでしょう。この点が日本人の感性と合致する部分があり、このため、我が国のカウンセリングにおいては、この来談者中心療法が多く用いられています。

 

 ロジャースの前向きの姿勢を崩さない理論は確かに魅力的ではありますが、勿論、実際のカウンセリング場面では、来談者中心療法以外の技法の適用や理論知識の参照も必要になってきますし、臨機応変でフレキシブルな対話状況と信頼関係の構築が大切だと思います。


 つまり、心理状態や苦悩・葛藤の内容がそれほど深刻でなく、問題や苦悩の本質がクライアント自身に内在している場合には、来談者中心療法のみで対応できますが、重篤なケースでは、クライアントの心理状態や問題や苦悩の重篤度を考慮に入れながら、個々のケースに対処していくことが必要になってきます。

 

 このため、クライアントの問題が重篤であったり、「病気の親」のケースのようにクライアントの外に問題の本質がある場合は、来談者中心療法ではクライアントの問題は全く解決しないのです。

 

 多くの精神科医や心理カウンセラーは、来談者中心療法でクライアントの問題を解決しようとするあまり、問題の本質がクライアントの外(病気の親)にあることを見抜くことができないのです。

 

 言い換えると、カウンセリングをいくら行っても、カウンセラーは「クライアントの問題はクライアントの中に存在している」としてカウンセリングを進めるために、クライアントの外に存在している病気の親が毒親になっていることに全く気づかないことになります。

 

 これが、ほとんどの精神科医や心理カウンセラーが、毒親問題を考える場合に、4の病気の親が原因になっていると想定できない大きな理由になっているのです。

 

 もう一つの理由は、カウンセリングや精神疾患の治療方法が定型化しているために、精神科医や心理カウンセラーが、クライアントの親が病気であると気づいても、それは親の問題であり、クライアントとの問題とは別だと考えてしまう点です。

 

 つまり、治療方法が定型化しているために、親の精神的な病気はあくまで親の問題であり、クライアントの問題はあくまでクライアントだけの問題で、親の病気とは関係が無いと考えてしまうのです。

 

 このため、クライアントが病気の親(=毒親)で苦しんでいても、病気の親とクランアントを結び付けて、クライアントの問題を解決することができないのです。

 

 前回ご紹介した共依存は、依存症という病気に含まれるもので、依存の対象がアルコールやギャンブルではなく、人間であるという依存症と定義できます。

 

 すなわち、前回ご紹介した事例は、病気の親が原因になっている毒親問題に他ならないのです。

 

 では、毒親問題はどのように解決すれば良いのでしょうか?

 

 次回はそれを考えてみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こんにちは。

 

 心理カウンセラーの永嶋です。

 

 今日は、解決が難しい毒親問題を見ていきましょう。

 

 例として実際に私がカウンセリングしたケースをご紹介したい

と思います。

 

 これは、もともとは高3の不登校の女子生徒の不登校

 

を治すために行ったカウンセリングでした。

 

 しかし、実はその女子生徒は、第1回目のカウンセリングを行った

 

翌日から、最初は保健室登校からではありましたが、少しずつ

 

学校へ行くようになったのです。

 

 通常ですと、ここでカウンセリングが終了となるのですが、

 

ただ、私には彼女の不登校の原因が、学校ではなく、彼女の

 

家庭にあるように思われました。

 

 そこで、彼女や親御さんと相談し、不登校になった真の

 

原因を探るために、もう少しカウンセリングを続けて

 

みることにしたのです。

 

 いろいろと、彼女の不安やストレス要因を聞いていくうちに、

 

彼女のお母さんが彼女に対して、非常に強い共依存

 

状態にあることが分かりました。

 

 共依存とは、依存症の一種で、特定の人間関係に依存する状態を

 

言います。

 

 たとえば、自己の存在意義を認めてもらおうとして、

 

特定の人物に過剰な献身を繰り返す、というった行為が見られます。

 

 一例ですが、夫からDV(ドメスティックバイオレンス)を受けた女性が、

 

「自分がダメだから、夫がDVに至るんだ」と考えて、夫のDV

 

に耐えて、相当な暴力を振るわれれているのに、それでも

 

夫に献身的につくすことを辞めない、といった

 

人間関係が挙げられます。

 

 この場合、DVを受けている女性は、夫に献身的につくすことに

 

自分の存在意義を見出している訳で、DVが原因で

 

夫と離婚したりすると、彼女には自分の存在意義が

 

無くなってしまうことになります。

 

 このため、いくら夫から暴力を受けても、夫から離れられないと

 

いう人間関係を自ら作り出してしまうのです。

 

 これが共依存です。

 

 さて、先ほどの高3の女子生徒の場合は、お母さんが彼女に

 

対して、強い共依存の関係を築いていました。

 

 すなわち、自分の娘である女子生徒の面倒を必要以上に見ること、

 

つまり、必要以上に娘に干渉することに、お母さんが

 

自身の存在意義を見出していたのでした。

 

 このため、女子生徒はお母さんの過干渉が大きな心の負担になり、

 

これに耐えられなくなって、その結果とうとう「不登校」という

 

行為に至ってしまったのです。

 

 当初は不登校の問題だったのですが、よく突き詰めていくと、

 

お母さんの共依存による『毒親』の問題だったという訳です。

 

 こういったケースでは母娘関係において、母が娘に共依存

 

してしまうことで、娘に大きな心理的ストレスを与えてしまいます。

 

 つまり、母が娘に共依存することで、毒親の役割を

 

演じてしまうのです。

 

 この場合、母親が「自分が娘に共依存しており、これによって娘に

 

大きな負担を与えている」ことを理解し、娘への共依存関係を

 

自ら進んで解消するならば、問題は解決し、母親は毒親

 

ではなくなります。

 

 私はさっそく女子生徒のお母さんとも面談しましたが、

 

お母さんが娘との共依存関係に至ったのには、家庭内の複雑な

 

事情や、お母さん自身の生まれ育った環境が影響しており、

 

女子生徒のお母さんに”共依存関係を解消しなければならない”

 

ことを理解させるには、お母さんに対して、かなりの時間の

 

カウンセリングが必要であることが分かりました。

 

 女子生徒は高3で受験を控えていたため、ここまでの

 

問題解決には時間的な余裕がない状態でした。

 

 このため、私は女子生徒に、

 

・お母さんの共依存が、あなたの不登校の原因であること

 

・しかし、お母さんの共依存を解消するには、多大の時間が

必要であり、即決する問題ではないこと

 

・このため、とりあえずは、お母さんとうまく距離を置くことで、

お母さんの共依存を緩和することが必要であること

 

を理解してもらい、お母さんとうまく距離を置くための

 

具体的方法を伝え、彼女の受験を考慮して

 

ひとまずカウンセリングを終了したのです。

 

 さて、この事例では、お母さんが毒親であり、その原因は

 

お母さんの共依存にあるのですが、お母さんの共依存の

 

解決が一朝一夕でできるものではないため、毒親問題の

 

解決が非常に難しくなってしまっているのです。

 

 実は、世の中の毒親問題は、この事例のように複雑

 

であり、すぐに解決することが困難なケースが非常に

 

多いのです。

 

 それでは、次回は、毒親問題を難しくしている、もう一つ

 

の理由を考えてみたいと思います。

 

 今日もお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こんにちは。

 

 心理カウンセラーの永嶋です。

 

 前回は、毒親のタイプを以下の4つに分類しました。

 

 タイプ1:過干渉、統制型の親

 タイプ2:無視親

 タイプ3:ケダモノのような親

 タイプ4:病気の親

 

 さらに、現代の日本では、この毒親関連の書籍が、自費出版本も

 

含めて多数出版されており、ちょっとした毒親論ブームといった様相を

 

呈していることを記載しました。

 

 たとえば、インターネットで「毒親」と検索してみてください。

 

 実に多くのweb site がヒットすることに驚かれると思います。

 

 そんなに話題になっているのであれば、毒親の被害にあっている

 

子どもの多くは毒親の苦しみから救済されているのでしょうか?

 

 残念ながら、答えはNoです。

 

 では、その理由を考えてみたいと思います。

 

【理由1】毒親といっても内容は千差万別

 

 実は「毒親」という概念は極めて広範囲で、一口に「毒親」といっても、

 

その内容は多岐に渡り、千差万別なのです。

 

 例えば、前記の「タイプ1:過干渉、統制型の親」を見てみましょう。

 

 このタイプの典型として良く見られるのは、いわゆる「教育ママ」、

 

「教育パパ」といった親に対し、子どもがその期待に応えようとして、

 

「いい学校に入ろう」と一生懸命に努力しますが、それがうまくいかないと

 

「期待に応えられなかった」ことが原因で、自分を責めてしまう

 

ケースがあります。

 

 この場合、親の方は往々にして、「自分の期待が、子どもを

 

苦しめている」ことに気付いていない場合が多く見られます。

 

 このようなケースでは、親あるいは、カウンセリングのクライアント

 

である子どもにカウンセリングを行い、

 

「親の期待が過剰になり、子どもが苦しんでいる。

 

子どもは、親に支配される存在ではなく、子どものあるがままで良い。」

 

ことを理解してもらうことによって、

 

親や子どもの態度が一変し、問題が解決してしまうことがあるのです。

 

 もちろん、親や子どもに、「親の期待で苦しんでいる」ことを理解して

 

もらうためには、さまざまなカウンセリング手法が必要ではあります。

 

 しかし、タイプ1の親の、このようなケースは比較的単純なカウンセリング

 

で、親や子どもが”苦しみの原因”を理解し、解決に至ることが多いのです。

 

 ここで、批判を覚悟で、あえて暴言を吐きますが、世の中の多くの

 

カウンセラーは『毒親とは、タイプ1で上記のようなケースの親のことだけを

 

指す』と考えており、それを解決することで、毒親問題は容易に解決するもの

 

と理解しています。

 

 しかし、タイプ1で上記のようなケースの親だけが毒親という訳ではありません。

 

 世の中には、前記のタイプ2,3,4や、それらとタイプ1の複合型といった、

 

非常に複雑な毒親問題が存在しているのです。

 

 次回は、その複雑な毒親問題をもう少し掘り下げてみたいと思います。

 

*********************

 

 今日はここまでです。

 

 本日もお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 こんにちは。

 

 仕事の関係で、ブログを長期に渡り更新できませんでしたが、

 

2019年4月28日から再開しました。

 

 心理カウンセリングも継続しておりますので、よろしくお願いします。

 

 さて、再開後のブログは、私自身が非常に苦しめられた『毒親』に

 

テーマを絞って、お話を進めていきたいと思います。

 

 今、『毒親』に苦しめられている方がたくさんいらっしゃいますので、

 

心理カウンセリングも今後は『毒親との決別』を大きなテーマとして

 

進めていきたいと思っています。

 

 『毒親』に苦しんでいらっしゃる方は、ぜひご連絡ください。

 

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 さて、皆さんは、『毒親』という言葉の意味を聞かれたことはあるでしょうか?

 

 『毒親』とは、『子どもに過剰に干渉したり、逆に無視をしたりすることによって、

 

子どもの人生を支配する親(毒母、毒父)』のことを言います。英語では、

 

文字通り"Toxic Parents"と表記されます。

 

 『毒親』という言葉は、もともとは、スーザン・フォワードが1990年に書いた、

 

「毒になる親(原題はそのままToxic Parents)」(Forward,1990 玉置訳 2001)

 

という名著からの引用だと言われています。

 

 現代の日本では、この毒親関連の書籍が、自費出版本も含めて多数出版

 

されており、ちょっとした毒親論ブームといった様相を呈しています。

 

 さて、精神科医の齋藤学は、『毒親』を次の4種類に分類しています。

 

 次に、齋藤先生の論文を引用しながら、毒親の4つのタイプを整理してみましょう。

 

 

1.過干渉、統制型の親

 

 過干渉&コントロール、統制型の親のことで、これが最も訴えの多いタイプです。


 例えば、宿題の絵を描いていたら、母親が走ってきて、「こんなんじゃダメよ!」と

 

奪いとって自分で描いてしまうといったケースが該当します。

 

 こういう親に育てられた子どもは、親から 「あれをしなさい、こうしなさい」と

 

何でも先回り、先回りして指示をされ、そういった親の期待に応えようと

 

一生懸命に頑張って努力します。

 

 しかし、こういう子どもが親が期待する大学に入っても、卒業する頃にハタと

 

自分が何をしたいのかわからなくなってしまうことが多いのです。

 

 今まで親の言う通りにしてきたけれど、これからはどうすればいいのか…。

 

 そこで世界中を放浪したり、自分の部屋にひきこもったりしながら、「毒親」

 

を攻撃するようになったりします。


 また、過干渉、統制型の親のもとに育った子どもは、摂食障害に

 

おちいることもよくあります。

 

 これは、成熟することを回避し、いつまでも子どものように小さく細い身体でいたい、

 

といった無意識の願望の表れだと言われています。

 

 

 

2.無視親


  子どもに関心を向けすぎる過干渉親とは正反対に、子どもにまったく

 

目を向けない放任タイプの親もいて、これが無視親です。

 

 本来親がすべき日常的な身辺の世話まで放棄するケースもあり、「ネグレクト」と

 

言われることもあります。


 また、そこまでいかないまでも、以下のような訴えはよくあるものです。


 「身体の弱い妹ばかりに目を向けて、私はかまってもらえなかった」


 「跡取りのお兄ちゃんばかりを大事にして、私はいつも無視された」

 

 女の子はいずれ他家へ嫁いでしまうというふうに考え、将来に渡って

 

自分を保護してくれることを期待して、男の子を大事にする母親もいます。

 

 また、本当は同姓である女の子とのほうがよく感情は交流しているが、

 

女同士という一種の甘えもあって、女の子は言わなくても自分のつらい


立場を理解してくれるだろうと素通りしてしまう母親もいます。

 

 そして母を賛美することを求めたり、母の味方として支持することを強要したり、

 

父の愚痴を言うときにだけに、娘が使われることになります。

 

 ここで、母親の味方になることを拒否すると無視され、迫害されるケースもあります。

 

 親のこうした行動は、子どもから見ると、親の都合のいいときにだけ使われて、

 

自分が親を必要としているときは無視されているということになります。
 

 

 

3.ケダモノのような親


 子どもに性的虐待をくわえたり、なぐったりけったり、ベランダに放り出したり、罵声を浴び


せたりするなど、心身の健康、ときには生命にもかかわるような暴力をふるうのが、

 

ケダモノのような親です。

 

 このタイプの親は、よく子どもを躾けるために罰を与えているのだ、と言いますが、

 

その罰が常軌を逸した異常なものなのです。

 

 最近、こういった虐待がよくニュースで報道されていることは、皆さんもご存知の

 

通りです。

 

 

 

4.病気の親


 もうひとつ、精神障害をもった親というタイプがあります。


 例えば、双極性障害の母親の場合を例に挙げてみましょう。

 

 双極性障害の母親は、自分が噪のときに派手な男性関係を持って妊娠しますが、

 

出産時はうつになっており、子どもに声をかけることもできない状態になっています。

 

 子どもが物心つく頃には、また噪になって遊びまわっで弟や妹を産んで、

 

産後はまたうつになって自殺してしまうこともあります。

 

 このような親のもとに生まれた子どもたちには、できる限りの支援と保護が

 

必要であることはいうまでもありません。

 

 

 

 さて、前記しましたように、現代の日本では、この毒親関連の書籍が、

 

自費出版本も含めて多数出版されており、ちょっとした毒親論ブームといった

 

様相を呈しています。

 

 では、そのような状況であるならば、毒親の被害にあった子どもに充分な

 

救済措置が行われているかと言うと、残念ですが、そうではない

 

というのが実情なのです。

 

 毒親論ブームなのに、なぜ被害者の子どもに充分な救済がなされないのでしょうか?

 

 次回は、この問題を考えてみたいと思います。

 

 

 

 本日はここまでです。

 

 読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

論題144

あなたの担任するクラスに頻繁に他児を叩いたり、けったり、突き飛ばしたりする子どもがいると仮定する。担任であるあなたがこのような子どもに対して、行動論的な対応をするとすれば、どのような対応が可能か、考えられる対応法について述べよ。(「行動論的」とは「行動療法、あるいは行動分析学に基づく」といった意味である)

 

解答

 当該する子どもに対しては、行動論的な対応としてはオペラント技法が有効であり、以下、担任として採用する具体的なオペラント技法について述べる。

有効な技法としては、シェーピング法が考えられる。まず、当該する子どもと充分な話し合いの機会を持ち、その子が乱暴な行動をする原因や契機となるものを把握する。次に、原因把握ができたら、その子とさらに充分な話し合いを行い、乱暴な行為を止めるまでの行動を段階的にスモールステップの形で設定する。ここで、子ども本人が乱暴な行為を止めるという目標行動が重要であることを充分に認識し、スモールステップに関し合意をしていることが極めて重要である。この認識と合意が得られたならば、順次、このスモールステップを遂行していくことで、乱暴な行為を止めるという目標行動に近づけていく。スモールステップの具体例としては、毎日、乱暴な行為をした回数を担任である自分に報告させるようにし、少しずつ回数を減らしていくといったことが挙げられる。また、乱暴行為の原因や契機になるようなことがあれば、それを少しずつ減らしていくといったスモールステップも有効である。また、トークンエコノミー法も有効である。この場合は、乱暴な行為がなければ、ノートのその日の欄に担任である自分が捺印し、定期的に保護者に連絡するといった方法が考えられる。

 以上、乱暴な行為をする子どもに対して、担任として採用する具体的なオペラント技法について述べた。

 

 

論題167

学校教育場面におけるストレス・マネジメントについて述べなさい。 

 

解答

 以下、学校教育場面におけるストレス・マネジメントについて述べる。

 学校におけるストレスマネジメント教育とは、児童・生徒に対して、ストレス反応を低減させ、心身の健康を保ち、各人の本来の能力を十分に発揮できる条件を維持して、よりよい人生をおくらせることを最終目標としている。その方法として、動作による技法、イメージによる技法、ソーシャルサポートによる技法がある。以下、特に良く使われる動作法について述べる。小学3年生で実践できる動作法には、以下のものがある。

10 秒呼吸法

腹をへこませながら吸っている息を口からゆっくりと6秒間かけて吐き出す。吐き出せたら腹を膨らませながら鼻から3秒間かけて吸う。いったん止めて、またゆっくりと吐き出す。呼吸法により心身がリラックスした状態になると、余裕をもって自己をコントロールできるようになる。(ストレス耐性の向上)

漸進性弛緩法

  身体部位に力を入れる(緊張)、その状態を保持する、そして力を抜く(弛緩)を繰り返しながら、手首→足首→腰→胸→口→目の順に全身をリラックスさせる。(生理学者ジェイコブソンが開発したリラックス法)。自律訓練法は心理的側面から、漸進性弛緩法は身体的側面から心身のリラックスをもたらす技法である。ともに心身交互作用により最終的に心身のリラックスを得るものだが、現実の身体の緊張と弛緩を手がかりにする漸進性弛緩法のほうが児童には取り組みやすい。特に心に注意を向けにくい児童には最適だといわれている

肩の上下セルフ・ペアリラクセーション

  両肩を耳にくっつけるようにゆっくりとあげる。肩の力をストンと抜く。同じように肩をあげ今度はゆっくりと力を抜く。自分の心地よかったほうを繰り返す。ペアリラクセーションでは、セルフリラクセーションでの体感より、肩の弛みの心地よさを明確に実感できる。また、自分の頑張り方や弛め方(弛み方)を気づかせてもらうとともに、相手の頑張り方や弛め方を直に感じながら援助体験ができる。

以上、学校教育場面におけるストレス・マネジメントについて述べた。

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論題156

学校におけるいじめ問題と予防的介入について、具体的に述べなさい。

 

解答

 以下、学校におけるいじめ問題と予防的介入について、具体的に述べる。

 いじめの構造は、いじめられる子ども(被害者)、いじめている子ども(加害者)、周りではやしたてている子ども(観衆)、見て見ぬふりをしている子ども(傍観者)の4層構造をとり、観衆や傍観者もいじめを増長している。このため、クライアントが来所しカウンセリングを行うというクリニックモデルでは解決が困難であり、地域社会という文脈に立ったコミュティーアプローチが必要になる。予防的介入はコミュニティアプローチの実践方法の代表的なものであり、1次介入が発生の予防、2次介入が早期発見・早期対応、3次介入が社会適応への援助である。まず1次介入である、いじめの発生の予防の観点からは、いじめ予防について教師が児童・生徒に十分な指導を行うことが必要である。次に2次介入である早期発見・早期対応であるが、いじめに対してはこの介入が非常に重要となる。いじめが疑われた場合は、教師やスクールカウンセラーは直ちに校長に報告し、いじめを受けていると思われる児童・生徒を保護しなければならない。ここで状況を確認してから校長に報告するといった対応を取ることは、早期発見・対応を遅らせることになるので、厳につつしまねばならない。状況によっては、学校だけで対応するのではなく、地域の関係機関、関係職種と連携をとった地域的な視野に立った支援が必要である。さらに社会適応への援助に関しては、いじめを受けた児童・生徒が安心して学校生活を送ることができるように、教師やスクールカウンセラーは配慮する必要がある。これについても必要に応じて、地域の関係機関、関係職種と十分に連絡をとることが重要である。

 以上、学校におけるいじめ問題と予防的介入について、具体的に述べた。

 

 

 

 

論題143

 不登校の児童・生徒に対する今日的対応について述べよ。ただし、以下のキーワードから4つ選んで文中に用いることとする。
  スクールカウンセラー  適応指導教室  保健室登校  登校刺激
  行動論的アプローチ  学力保障  別室登校

 

解答

 以下、不登校を4つの段階に分けて、各段階における児童・生徒に対する今日的対応について述べる。

まず、最初の段階は、不登校予兆段階である。これは、朝になると体の不調を訴え、ときどき学校を休むことがあり、不登校が心配されるという段階である。この段階での対応は、担任の先生と連絡をとり合うことが必要であり、連絡を受けた担任の先生は、スクールカウンセラーまたは相談機関と連携をとることが必要である。第2の段階は、不登校初期段階である。学校に行かない状態が続くが、行きたいという思いがあるので、本人のなかで葛藤が存在する。この段階で重要なことは、学校の話題は避け、登校刺激は控えることである。第3の段階は、不登校中期段階でとじこもり時期に該当する。学校へ行けない状態が定着し、学校へ行かなければいけないのに行けないといったことで悩む様子が見られなくなる。この段階では、いろいろな選択肢があることを伝えるとともに、不登校で生じた学業の遅れがストレスにならないように、自宅でできるような通信手段を使っての学習方法を探すなどの学力保障対策を講じることも重要である。最後の段階は、不登校最終段階である。だんだん学校への関心が戻ってきて、登校への意欲が出てくる。断続的に登校する日が出てきて、登校日と次の登校日の間が詰まってくる。この段階では、「頑張れ」と励まし過ぎないことが重要であり、週に1、2回のペースで、例えば保健室登校から始めといった、徐々に学校に慣れていくような配慮が望まれる。。

 以上、不登校を4つの段階に分けて、各段階における児童・生徒に対する今日的対応について述べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

論題115

 学校で生じた問題行動の対応における教師と他職種との連携について述べよ。

         

解答

コミュニティ心理学はG.キャプランによって考案された。以下、コミュニティ心理学の観点から、学校で生じた問題行動の対応における教師と他職種との連携について述べる。

児童生徒の問題行動に対する心理臨床的援助は、従来のクリニックモデル、いわゆるクライエントの来談を待つという援助活動は成立せず、このような援助活動の形態では自ずと実践活動の幅が狭まることになる。従って問題行動という問題は、教師がまず自分も地域の一員であるというコミュニティ感覚をもち、地域という文脈にたったコミュニティアプローチに基づく援助活動を行うという視座を大切にしなければならない。学校において教師がコミュニティ心理学的援助活動を実践する場合には、スクールカウンセラーをはじめ、専門機関、専門職種、家庭との連携が重要である。スクールカウンセラーは児童生徒の学校適応や問題行動を予防、解決するために学校に在籍し、心理臨床活動を行う専門家である。その他の連携対象としては、専門機関としては、児童相談所、保健所、精神保健福祉センター、福祉事務所、警察、幼稚園、保育所等がある。また、専門職種としては、心理判定員、保健師、社会福祉士、児童相談員、民生委員、幼稚園教諭、保育士等があり、家庭では保護者会等を挙げることができる。

こういった社会・地域と連携を持つコミュニティアプローチは、従来のクリニックモデルにはない援助活動を展開でき、社会病理学的な問題行動が台頭する現代社会のニーズに合ったアプローチと考えられる。

 

 

 

 

論題135

学校現場において被虐待児の存在に気づくためには、日頃からどのような点に注意して児童・生徒に接しておくことが必要か述べよ。

 

解答

 以下、学校現場において被虐待児の存在に気づくためには、いじめの兆候にいち早く気づき,早期に対応する必要がある。以下、学校で注意すべき「いじめのサイン」を箇条書きで述べる。

 

1.登下校時

―理由もなく,一人で朝早く登校する。

―教職員と視線を合わさないようになる。

-元気がなく浮かぬ顔をする。挨拶をしなくなる。

 

2.朝の学級・ホームルーム活動,ショートホームルーム

-体調不良(頭痛,腹痛,吐き気等)を訴える。

-欠席,遅刻,早退の理由を明確に言わない。

-提出物を忘れたり,期限に遅れたりする。

 

3.授業中

-発言すると,嘲笑されたり,はやし立てられたりする。

-決められた座席と違う場所に座っている。

-教科書,ノート等に落書きが目立つ。

-他の児童生徒から発言を強要されたり,突然個人名が出されたりする。

-球技の際にパスされなかったり,パスが集中したりする。

 

4.休憩時間・昼食時

-ジュース,パン,菓子類を買いに行かされる。

-給食,弁当等を一人で食べることが多い。

-遊びと称して,友達とふざけあっているが,表情が暗い。

-お金や物品の受け渡しを行っていることがある。

 

5.帰りの学級・ホームルーム活動,ショートホームルーム,放課後

―持ち物がなくなったり,掲示した作品などにいたずらがある。

-みんなが帰宅する前に一人急いで帰宅したり,みんなが帰るまで帰宅したがらない。

-靴や傘等が隠される。

 

 以上、学校現場において被虐待児の存在に気づくために、日頃から注意すべき点について述べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

論題185

着席行動に問題のある子どもへの対処方法を述べよ。

 

解答

 着席行動は、椅子に落ち着いて座っていることができない問題行動である。以下、着席行動に問題のある子どもへの対処方法を述べる。

まず、子どもにお気に入りのおもちゃを手渡すという方法が考えられるが、それで遊ぶことで、しばらくは着席できるが、まわりに意識が向かないことと、あきるとまた立ち歩いてしまうので、この方法は着席行動の改善にはつながりにくい。いったん椅子から立ち上がって活動を始めてしまうと、もう一度座るまでにかなりのやりとりが必要となるため、立ち上がる前、腰を動かしたときに、その動きを軽く押さえるようにすることが重要である。具体的には立ち上がろうとした際に、軽く手で肩を押さえるといった対応が挙げられる。また、子どもが椅子を持って、椅子ごと動こうとする場合もある。この場合、椅子を固定してしまうと、意識が立ち上がることに向かうので、椅子は固定せずに、椅子を持った際にその手を包み込むようにして制止する方法が有効である。

以上、着席行動に問題のある子どもへの対処方法を述べた。

 

 

 

 

 

論題204

 LD(学習障害)を疑われる子どもの診断のために必用な評価法について述べなさい。

 

解答

 学習障害とは、Kirk,S.A.MBDを発端に、主に教育分野で発展した障害概念であり、ディスレクシア、言語性LD、非言語性LDなどともよばれ、DSM-Ⅲから学習障害と規定された発達障害の代表的なものである。そのタイプは読字障害、書字表出障害、算数障害、その他特定不能の学習障害に分類される。以下、LD(学習障害)を疑われる子どもの診断のために必用な評価法について述べる。

 LDが疑われる場合の評価法としては、まずは養育者などからの生育歴の聴取や教育機関の担任教師の行動観察の報告などの情報が基本となる。また心理検査に関しては、まず全般的な知的発達水準を検討するためにWISC-Ⅲの言語性IQ と動作性IQ の差であるディスクレパンシーも含め、全検査IQ を判断の指標とすることが通常である。またLD児の症状の特質を詳細に理解するためには、WISC-Ⅲの群指数や個々の下位検査のプロフィールを検討する。特に下位検査のプロフィールにおいては、言語性検査を中心に、SCADプロフィールという特質が認められると報告されている。その他K-ABCITPAなどの心理検査をテストバッテリーとして適用する。このような総合的な心理アセスメントにより、LDという障害の詳細について適切な理解を深めるとともに、その後の適切な臨床心理学的介入の判断材料ともなる。

以上、LD(学習障害)を疑われる子どもの診断のために必用な評価法について述べた。


 

 

 

 

 

 

論題181

宿題をやってこない生徒に対する対応を述べよ。

 

解答

以下、宿題をやってこない生徒に対する対応を述べる。

宿題をやってこない生徒に対しては通常の行動随伴性に基づく強化子の考え方は役に立たない。これは、教師が宿題をやってくれば、正の強化子を与えようとしても、宿題をやるという行動が、その子の行動レパートリーに含まれないため、宿題をやってくるという行動が生起しないためである。また叱責という負の強化子を用いても、宿題をやるという行動が形成されることはなく、他者の宿題を写すといった適応的な回避行動が形成されるだけである。このような場合に、適応行動を形成させる強力な手段が反応形成と呼ばれる手法である。反応形成にはいくつかの手段があるが、一般的には、逐次接近法が使用される。これは強化基準を逐次移行して、最終的に標的行動を形成させる技法である。まず、宿題をやってこない生徒に教科書とノートを持ち帰る行動を強化することから始める。強化子としては、ポイントシールなどをトークンとして使用する。教科書とノートを持ち帰って、時間割に合わせて持ってくるという行動がある程度形成されたら、強化基準の移行を行う。たとえば、ノートに宿題の問題だけを書き写すようにさせる。次には、宿題の問題の一つだけをやってくるようにし、最終的には宿題を全部やってくように強化基準を移行していく。このように、逐次接近法は当初はまったく生起しなかった標的行動を、別の行動から次第に形成していく技法であり、自閉症児の言語訓練や、精神疾患の不適応行動の修正などに広く応用されている。

以上、宿題をやってこない生徒に対する対応を述べた。