1年前の今日、カンボトリートメントなるもののセレモニーに参加した。
カンボトリートメントとは、アマゾンに住む原住民が狩の前や成人の儀式に行うもので、カエルの毒を使って体の中の老廃物や毒素を取り除くというものだ。
よく日本に持ち込めたものだ。写真は転用。
これによって身体だけでなく、心や意識も浄化され癒されるという。
日本ではほとんど知る人はいない、知る人ぞ知るアマゾンの秘技である。
僕はブラジル出身で、原住民を友達に持つの友人D君に教えてもらった。
カエルの毒??
なんじゃそりゃ?
意識や身体に変化が現れると言うが、そんなものは実際体験した者にしかわからない世界。
と、言うわけで参加して見た。
場所は滋賀県の山の奥。
どこで聞きつけたのかしらないけど、集まったのは約15人程。
驚いたことに13人は女性の参加者で、男性は僕と後1人だけだった。
巨大なティピで輪になって座る。
そして説明があり、いよいよセレモニーが始まった。
1人ずつ順番に呼ばれて、まず炎で熱した割り箸の様な木を、腕に軽く押し付けて皮を焼く。
僕は順番が後の方だったので、皆んなが腕を焼かれるのを見ているわけだが、やはり押し当てられた瞬間皆んな顔を歪めていた。
そんなもん何度も見せられたら嫌でも緊張する。
そして、自分の番の2人前から水を一気に2リットル飲まなければいけない。
これが相当きつかった。
前日の夜から食事は禁じられ、さらに開始数時間前から水分補給も禁じられるので、胃の中には水のみが入っている事になる。
ちなみに自分の席の前にはバケツが置いてある。
なんに使うかと言うと、そこに吐くためだ。
先に毒を塗られた女性陣はみんな一様に、盛大に先ほど飲んだ水をゲロゲロ吐いている。
目からは涙を流し、鼻から鼻水を垂らし、ゲロゲロ蛙みたいな声を出して一心不乱に吐いている。
もうすぐに自分もあんなんなるのかと思うと恐ろしい。
やっとの思いですぐに吐き出す事になるであろう水を2リットル飲み干すと、いよいよ自分の番。
前に呼ばれる。
自分の中では平常心を保っているつもりだが、やはり少し緊張する。
マスターに、心の準備は平気かい?リラックスしてね!と言われ、燃した木を腕に押し当てられる。
鋭い痛みが腕に走る。
が、想像していたより痛みは弱かった。
一安心。
二の腕に4箇所焼き痕を付けて、いよいよカエルの毒を塗布。
自分の席に戻ってしばらくすると、早速容赦なく贖うことの出来ない吐き気が襲ってきた。
躊躇するも虚しく、目の前のバケツに盛大に吐く。
頭がボーッとしてきて、視界が少し揺らぐ。
体が熱くなり明らかに身体が毒に侵されているのが自覚できた。
波の様に襲ってくる吐き気と戦うが、姿勢を崩す事は許されない。
なるべくしっかり座って、吐きたい時に吐く。
どんどん吐くもので、胃の中の水がどんどん減っていく。
しかし、吐く事に意味があるらしく、どんどん水を飲めと言われる。
苦しくて飲めなくても無理やりにでも飲めと言われる。
飲んでは吐き、飲んでは吐きをひたすら繰り返す。
吐けないと悲惨だ。
無理やりにでも吐かされる。
ハペという、これもアマゾンの秘技で、色々な物を混ぜた灰色の粉を長い筒の先に詰め、片側を僕の鼻の穴に突っ込み、もう片方から別の人間が息を勢いよく吹き込む事によって、鼻から粉を吸い込ませる荒技をおみまいされる。
これをやられるとどうなるかというと、鼻の奥が燃えたかの様な傷みを覚える。
普段でも辛いのに身体が訳のわからん事にこれをやられると、怒りすら湧いてくる。
正直ぶん殴りたい気持ちになった。
そのくらい辛いのだ。
吐けなきゃまたあのハペをやられるという恐怖から必死に水を飲み、吐く。
が、やめちくれーと懇願するも虚しく、確か結局3回はハペを吸入させられた。
後で聞いた話では、外国人はハペをやると言うと中には断固拒否する人もいるらしい。
日本人はNOと言わないので、ハペを拒まないから楽でいいとマスターが笑いながら言っていた。
でもね、さすがの僕ですら殴りたくなったよ。
他の人に比べると僕は耐性があったのか、もう少しいくか?と聞かれ、後3発打ってもらった。
朦朧とする意識の中でひたすら耐える。
吐く。
飲む。
吐く。
一体どれくらいの時間が経ったのだろうか。
もはや時間の感覚すらない。
最初に受けた人達は、順に毒を拭ってもらっている。
そろそろ終わるのかなと思っていたが、なかなか終わらない。
頭の中は白い。
早く終われとしか思えない。
ひたすら耐える。
ようやく毒を拭ってもらって、横になる事を許された。
みんな終わった後はお昼寝タイム。
僕は興奮して中々寝付けなかったけど、やはり体力を消耗しきっていたようで気がついたら深い眠りについていた。
目が覚めるとまだ寝ている人もいるし、起きているものもいた。
身体は嘘の様に軽く、文字通り生き返った様な不思議な気分だった。
頭も冴えていたし、とても気分がいい。
その時初めて時計を確認できたが、すでに6時近くになっていた。
午前中に始まったので感覚的には1時か2時頃だと思っていたので、一体いつそんなに時間が経過していたのか全く意味がわからなかった。
おそるべしカンボトリートメント!!
どことなく友達に似ていて勝手に親近感が湧いていましたよ。
二の腕(肩?) にはこんな風にしばらくは痕が残るが、今はほとんど消えてしまった。
結論。
確かにその時は生き返ったような新鮮さを覚えたが、1年経ってしまうと、もう元に戻った気もする。
受けてすぐはもう2度とやるかボケ!!!
とも思ったが、今は機会があればもう1度受けたい気持ちになっている。
世界は広い。
世の中知らない事が山ほどある。
今後も是非とも色々な物を見て経験し、世界の広さを身体で感じたいものだ。
おしまい。



