先日、今年の春に亡くなった友人のご家族に会いにいきました。
友人が亡くなったことは私にとってまったく実感がなく、ちょっと長い旅行に行っている、出張に出ているというぐらいの感覚でした。夢の続きがずっと続いているような。
ご家族からは、病床での最後の様子の話があり、お孫さんと遊ぶ様子が映った動画を見せてもらったり、家の中には生前作った飛行機や機関車の模型があり、リビングの数ヶ所にはにこやかに笑う写真が飾られてあり、彼はまさにここに生きていたという跡がありました。
訪問している間は姿こそ見えはしないけど、確かに同じ空間にいたと思いました。
そのご自宅を後にしたとき、ほんとうは彼がいない世界が現実で、亡くなる前の記憶が夢ではないのかと、現実と夢が入れ替わったような感覚になりました。
初めての感覚でした。
生きていると思っている今の現実など、それほど確かなものではなく、生きると死ぬの間は意外と薄くて軽い境界しかないのだろうなと思えました。
死ぬことを恐れていた時間がありましたが、生きていることとそれほど違いはないのかもしれない。